久保田 勇人 院長の独自取材記事
久保田クリニック
(川崎市中原区/元住吉駅)
最終更新日:2025/05/15

東急東横線・元住吉駅より徒歩5分の住宅地に位置する「久保田クリニック」。クリニック名の頭文字「K」をモチーフにしたロゴマークが目印だ。2005年に同院を開業した久保田勇人院長は、内科と放射線科を中心に、地域住民のホームドクターとして一人ひとりの患者に即した診療を行う。2023年5月にはマルチスライスCTを導入。近隣医療機関との連携も強化し、より精密な検査・治療に努めている。「患者さんがなるべくリラックスしてお話しできるような雰囲気づくりを心がけています」と語る久保田院長に、診療の特徴や今後の展望について聞いた。
(取材日2025年4月7日)
地域住民のホームドクターとして地域医療に貢献
クリニック名をかたどった「K」のロゴマークが印象的ですね。

ありがとうございます。2005年に開業する際、設計士さんに、私の名字の久保田の「K」をモチーフにロゴマークを作ってもらいました。「患者さんが元気になるように」という気持ちを込めたビタミンカラーで、人が踊っているような明るい雰囲気のデザインにしてくださり気に入っています。当院は、内科と放射線科を主な診療科目として掲げています。私自身、放射線科を専門としてこれまでたくさんの患者さんを診る中で、もっと早い段階で病気を見つけ、悪化する前になんとかできないかという思いから当院を開業しました。これまでの経験を生かし、地域の皆さんのお役に立てるホームドクターとして、患者さん一人ひとりに合わせた適切な診療を心がけ、地域医療に貢献したいという思いで日々診療しています。
どのような患者さんがいらっしゃいますか。
当院は小児科にも対応し、お子さんから大人の方まで幅広い年齢層の方がいらしていたのですが、近隣に小児科ができたことで、近年はお子さんの割合は減りました。今は年齢的に50代から60代くらいの患者さんの割合が高い印象です。小児科は、赤ちゃんや幼児といった小さいお子さんの受診の割合は減りましたが、小学校高学年以上くらいのお子さんの診療は変わらず対応しておりますし、子宮頸がんワクチンなどの予防接種にも対応しています。主訴については、高血圧や糖尿病など生活習慣病で定期的に通院される方が多いですね。定期的に通ってくださる患者さんが多いので、当院の歴史とともに患者さんの平均年齢も上がっていくような感じがしています。
生活習慣病の患者さんにはどのように診療されているのでしょうか。

生活習慣病の治療は長期にわたることが多いため、患者さんのモチベーション維持を重視しています。診療においては、状態が良くなければ患者さんと一緒に原因を丁寧に掘り下げ、改善策をともに検討することに力を入れています。また、数値が良ければ患者さんとともに喜び、その状態を維持するためのアドバイスを行います。例えば、血糖値が悪化した糖尿病患者さんのケースでは、仕事環境の変化による夕食時間の遅れが原因となっていたため、夕方の軽食の提案を行うなど、患者さん個々の生活スタイルに合わせた具体的な対策を検討し、安易な薬の増量ではなく、その人に合った治療法を探るアプローチを心がけています。通院頻度についても、患者さんの状態に合わせて調整し、状態が安定している場合には間隔を空ける、季節による変動に応じて薬の量を調整するなど柔軟な対応を行っています。開業当初から長年通院されている患者さんも多いですね。
マルチスライスCTを導入し、近隣のクリニックと連携
発熱の外来についてはいかがですか。

当院では、新型コロナウイルス感染症の流行後も発熱の外来を継続しており、感染拡大防止のため、原則として電話予約制としています。発熱のある患者さんには、事前に電話でご連絡いただき、予約時間にご来院いただくようお願いしており、待合室も一般の患者さんと分けて専用のスペースをご用意しています。しかしながら、予約なしで直接来院される患者さんもいらっしゃるため、そのような場合には、他の患者さんへの感染に最大限注意を払いながら、診察を行っています。可能な限り接触を避けるよう配慮し、必要な検査のみを実施するなどの対策を講じています。
マルチスライスCTを導入されたと聞きました。どのように活用されているのでしょうか。
当院では、2023年5月にマルチスライスCTを導入しました。肺がん検診で異常が見つかった方の精密検査や、エックス線検査で異常が認められた方、喫煙歴が長く呼吸器系の症状が改善しない方などの診断に活用しています。特に胸部のCT検査では、肺がんの早期発見や呼吸器疾患の評価に重要な役割を果たしています。また、近隣の泌尿器科の先生からの依頼で、尿路結石の位置や大きさの確認にもマルチスライスCTによる検査が用いられ、地域医療連携に貢献しています。さらに、呼吸器内科専門の医師と連携し、エックス線で異常所見が見られた際に速やかにCT検査を実施。より詳細な情報を得ることで、適切な診断と治療方針の決定に役立てています。頭部打撲後の症状や、原因不明のしびれなどの症状に対しては、CT検査に加え、MRI検査を近隣の専門医療機関に紹介するなど、患者さんにとって最適な検査を選択するよう努めています。
マルチスライスCTの導入により、治療の幅が広がったのですね。

マルチスライスCTは迅速な画像診断を可能にし、患者さんの負担軽減にもつながっています。地域の基幹病院や専門医療機関との連携を強化することで、より質に配慮した医療を提供するために重要な役割を果たしています。CT撮影は基本的に予約なしで対応しており、紹介状をお持ちの患者さんの場合は、できる限り待ち時間がないよう配慮しています。撮影した画像は速やかに確認でき、当院での継続的な治療へとつなげたり、必要に応じて迅速に他の医療機関へ紹介したりしています。
患者がリラックスして話せる雰囲気づくりを
診療において心がけていることを教えてください。

患者さんがなるべくリラックスしてお話ができるよう話し方に気をつけ、なるべく難しい言葉を使わないようにしています。診療の際は、患者さんのお顔を見ながら、納得できたかどうか確認しながら話すようにしています。当院は生活習慣病の患者さんが多いため、患者さんのお仕事や生活についてゆっくり伺えるような雰囲気づくりを心がけています。
先生ご自身の健康法について教えていただけますか。
以前は走っていたのですが、最近は膝の痛みがあるため激しい運動は控えています。健康維持のために1日1万歩を目標にウォーキングを行っており、犬の散歩を日課としているのですが、3000歩から4000歩ほど歩け、日常生活での動きと合わせると1日に1万歩を超える歩数をほぼ毎日達成できています。また、毎日ではありませんが、2日に1回程度の頻度で、軽い筋力トレーニングを短時間行い、体力維持にも努めています。自身にとって「体が資本」という考えが根底にあり、日々の適度な運動と筋力トレーニングを続けるようにしています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

当院では、今後の診療体制として、これまで私が担当していた月曜日の午後の診療を、2025年4月から新たに循環器専門の医師に担当していただくことになりました。これにより、心臓の動悸や不整脈、高血圧など、循環器系の疾患にお悩みの患者さんに対し、より専門的な診療を提供できるようになります。現在、訪問診療については大規模には行っておりませんが、長年当院に通院されていて通院が困難になった近隣の患者さんに対して、必要に応じて実施しており、今後も継続していきます。また当院では、地域の皆さんの健康維持に幅広く貢献できるよう、がん検診、自治体の健康診断、各種予防接種も実施しております。今後も、地域の皆さんにとって、ちょっとしたことでも気軽に相談できるかかりつけ医としての役割を果たせるよう努めてまいりたいと思います。