平岡 貴紀 院長の独自取材記事
平岡歯科クリニック
(福岡市南区/大橋駅)
最終更新日:2024/10/28
待合室の壁に貼られたスタッフの顔写真つき紹介文。託児ルームから聞こえてくる子どもの遊び声。西鉄天神大牟田線・大橋駅から徒歩5分という街中にありながら、明るくアットホームな雰囲気に満ちている「平岡歯科クリニック」では、気さくな笑顔の平岡貴紀院長が迎えてくれた。「長く歯を守るための診療」をポリシーに、先進の歯周病治療や、精密な補綴物、ゴシックアーチ検査に基づく義歯製作、スウェーデン式の予防など幅広い分野に注力し、その専門性に基づいた技術と知見、そして飾り気のない人柄で、地域の患者から厚い信頼を得ている。「当院の一番の強みは人。スタッフはみんな優秀なんですよ」とにこやかに話す平岡院長に、自身の歩みや同院の診療内容について聞いた。
(取材日2024年9月13日)
患者が自ら通いたくなるような居心地の良さ
2006年開業、2021年12月にこちらへ移転されたそうですね。
多くの患者さんに来ていただくようになり手狭になったため、50m離れたビル1階に移りました。その際、内装デザインは美容室の設計を手がけている会社にお願いしたので、いわゆる歯科医院っぽくないおしゃれな雰囲気がありつつ、細かいところまで配慮が行き届いて働く側の作業効率も良い、こだわりの空間です。診療ユニットは7台あり、うち3台は半個室のメンテナンス専用、1台は個室のオペ室。バックヤードには洗浄滅菌システムを導入し、毎回きちんと滅菌できているか確認する検査まで行っています。待合室の一角には独立したキッズルームがあり、専門の保育士が、患者さんの治療中にお子さんを無料でお預かりしています。お子さんは最初は泣きますがすぐに慣れて、おもちゃがたくさんあるこの部屋が大好きに。親御さんにも、安心して治療が受けられると好評です。
どのような患者さんが多く来られていますか?
託児を利用される20~40代の女性が比較的多いですが、赤ちゃんから地元の高齢の方まで幅広く来ていただいています。痛みがあって駆け込んでこられるようなケースは少なく、きっちり検査してマネジメントしてから治療に入り、定期的にメンテナンスに通われる方がほとんどです。当院の歯科衛生士は積極的にトレーニングを積んでいます。患者さんとしっかりコミュニケーションを取り、親しみやすいので、「あなたがもし歯科医院を移るなら私もついていく」とまで患者さんに言われている人も。地域柄、転勤族の患者さんも多いのですが、転居先から「ようやく信頼できる歯科医院に出会えたのに残念ですが」とごあいさつのお手紙が届いたりと、本当にうれしいお声をたくさんいただいています。
院長とスタッフさんが声をかけ合い、しっかり意思疎通できているのが印象的です。
一緒に働く仲間同士、歯科医師とスタッフの間で高い壁を作らないために、毎月のように食事会やイベントを企画しています。みんなでワイワイと楽しいですよ。気軽に声をかけ合える関係ができているから、私の診療に対する思いをしっかりと理解してくれますし、院内の居心地の良さにもつながっているのではないでしょうか。
適切な検査とわかりやすい説明、そして対話を重視
診療において一番大切にされていることは何ですか?
きっちり検査をして、患者さんのことをよく知ってから治療に入ることです。初診では口腔内写真、エックス線撮影、歯型採り、レーザーの光による虫歯検査、歯周病検査まで行ってから、大画面モニターで現在のお口の状況をわかりやすく説明。資料ではなくご自分の歯を見て、自分事として受け止めることで、患者さんご自身の意識を変えていただけたらと思います。当院ではデンタルカウンセラーが、初回、セカンド、補綴と約3回の場面で患者さんからどんどんご要望を伺い、その上で治療計画を立て、理解・納得していただいてから治療を進めます。痛みが強いなど症状がある方に対しては、すぐに痛みを取るための治療を行います。「今日はお掃除だけしましょう」で終わることはありませんのでご安心ください。
患者さんの声をしっかり聴く機会を設けているのですね。
それがないと、患者さんと信頼関係を築くことはできないと思っています。治療が始まってしまったら、患者さん側からその流れを断ち切るようなことを言い出すのは難しいでしょう。だからその前に、検査も説明も治療の選択も同意も、全部終わらせておきたいのです。当院に実習や見学に来られた方から、「患者さんとよく話すクリニックだね」と言われるんですよ。
特に注力したい分野はありますか?
どれも数年単位で専門の勉強会に通い研鑽を積んでいる分野なので、ちょっと多いですがお話しさせてください。まず「インプラント治療」。歯科用CTやデジタルスキャンを使った精密なガイドシステムを採用し、安心・安全な治療をめざしています。といっても強くお勧めしたいわけではなく、ここはインプラント治療しかないというケースできっちり対応できるよう技術を磨いています。次に「ダイレクトボンディング」。欠けた歯の修復などにおいて、ご自分の歯のように仕上げるための治療においても、良質な治療を提供できるよう精進しています。また基本的なところですが、「補綴物」の精密性を高めることにも注力しています。しっかり噛める補綴物をほぼ無調整で仕上げられるよう型採りや模型作りの技術を高め、信頼できる歯科技工士さんとタッグを組んでいます。
インプラント、ダイレクトボンディング、精密な補綴物。他には何かありますか?
「ゴシックアーチ」ってご存じでしょうか。噛み合わせを測る装置を使った検査のことで、保険診療でできるものなのですが、これによってカチッと噛み合わせが合う義歯を作ることに今注力しています。装置を作ったり、歯を並べたり、噛み合わせを調整して削ったりする技工が私は昔から好きですね。最後に「メンテナンス」ですが、当院では予防の先進国スウェーデン式の予防コースを自由診療で提供し、エアフローという機器を使って歯周病菌を一気に減らすことをめざしています。口臭が気になる方も、ぜひご相談ください。
歯周病へのアプローチを促進
歯科医師をめざした経緯を教えていただけますか?
祖父、父と2代続く徳島県の歯科医院に生まれ、小さい頃の遊び場は歯科技工室でした。金属を削っておもちゃの刀を作ったり、プラモデルを組み立てたり、手先を使うことが得意な子どもだったように思います。当時の歯科医院は早朝から患者さんが並んでいて、夕方までひたすら治療、その後夜中まで歯科技工室で補綴物を作るのが当たり前でした。今思えば、歯科医師の仕事がどういうものかわかった上で、同じ世界に入ったといえますね。福岡歯科大学を卒業後、附属病院の歯科麻酔科に所属。私は怖がりなので、人の体についての知識をきちんと習得してから、歯の専門分野に進もうと考えました。医科の手術に立ち合うなど全身管理について学ぶ貴重な経験を積んだ後、持病がある方などの治療を専門とする高齢・障害者歯科にも勤務しました。
歯科麻酔や持病のある方の治療に関する経験は、今にどう生きていますか?
歯科麻酔科で培った麻酔の効率的な遂行を解剖学的に考えて行い、痛みと有用性に着目した麻酔を心がけています。「いつ麻酔したの?」と感動していただける麻酔が目標ですね。歯科医院が怖くて仕方ない人も、治療を重ねる中で安心していただいて、いつの間にか治療中は睡眠タイム。そのくらい当院での治療に慣れていただけると、頑張ってきたかいがあるというものです。インプラントなどの体に大きな影響を与える外科処置においても全身管理の知識は非常に有用ですし、日常の診療の中でも、ちょっと気分が悪くなった方への対処や、全身状態が悪い場合の治療中止の判断など、さまざまな場面で私の強みになっています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
日本人の歯周病罹患率は高く、歯を長く健康な状態で維持していくには、この歯周病の改善が大きな鍵となります。当院では、重度歯周病をターゲットとした非外科的治療法として行うための歯周病治療器など、新たな設備の導入を考えています。それと同時に、患者さんにとって当院が居心地の良い場所になるよう環境づくりに努め、十分な知識、技術、コミュニケーションによって患者さんが自ら通いたいと思っていただけるようなクリニックでありたいと思っています。地域の皆さんの期待に応えられるようこれからも努めてまいりますので、末永くよろしくお願いします。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/44万5000円~、ダイレクトボンディング/2万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/44万円、スウェーデン式予防コース/8000円