小島 一紀 院長、小島 陽子 副院長の独自取材記事
クラーク歯科医院
(富山市/上堀駅)
最終更新日:2022/04/06

富山地鉄不二越・上滝線の上堀駅から徒歩4分の場所にある「クラーク歯科医院」。木の素材感を生かした院内に温かい印象を受ける。同院では、小島一紀院長と副院長の小島陽子先生が夫婦で診療にあたっている。最大の特徴は、幼い子を持つ子育て世代でも通院しやすいように、完全予約制の託児サービスを提供していること。どんなライフステージの人にも安心して口のケアや治療を受けてもらい、長期的なスパンで口の健康を保つことをサポートできる歯科医院をめざしているのだそう。治療設備の導入にも積極的で、歯科用CTスキャンやデジタルインプラントシステムの活用を進めている。やわらかな口調で話をしてくれる院長と陽子先生。互いに歯科医師として尊重し合う2人に、診療のこだわりや診療体制について語ってもらった。
(取材日2022年3月2日)
かかりつけ歯科医院としての役割
貴院の特徴を教えてください。

【院長】当院は、「お口の健康を通じて生きる喜びを提供する」という理念のもと、子育て世代に向けた託児サービスや、高齢者や障がいのある方への訪問診療も行っており、幅広い世代を診療室だけでなく在宅でも見ることができる「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」として厚生労働省に届け出ています。何かあったときにいつでも頼れる「かかりつけ医」であるだけでなく、何もお困り事がないように定期検診を通じてお口の健康を維持する「予防管理型」の歯科医院として体制を整えています。
託児サービスのある歯科医院は珍しいですね。
【陽子先生】そうですね。幼い子を持つお母さん、お父さんは、どうしても自分のことを後まわしにしてしまいがちになると思うんです。でも、本当は「時間があれば歯科医院に行きたい」と思う方も多いのではないでしょうか。当院では、そんな方々が気兼ねなく自分ケアの時間をつくって治療を受けていただけるよう応援したいと考えています。子どものむし歯予防に大切なことの一つは、子を育てる親にむし歯がないことです。託児サービスを通じて、次の世代のお口の健康にも貢献したいと思っています。
開業までの経緯をお伺いします。

【院長】もともと理系志向で進路選択のときに歯科医師の道に進むと決めました。私は千葉県の出身で、妻との出会いは北海道大学でした。卒業後は北海道大学病院に勤務し、地方への出張を通じて、いろいろな診療スタイルの歯科医院でたくさんの患者さんに対応してきました。妻の地元であるこの地で開業し、診療を始めてみて思ったのが、この地域の患者さんは健康意識が高いということ。富山で開業できて本当によかったです。
【陽子先生】小さい頃から母の知り合いが診療する歯科医院に通っていて、歯科医院は私にとって身近な存在でした。先生や歯科衛生士の方に優しく対応してもらったことや、歯科医院の匂い、麻酔などに興味を持っていたことが印象に残っています。歯科医師としては研究者よりも患者さんに接しながら診療を行っていきたいという思いがあり、院長とともに私の出身の富山で開業することを決めました。
治療が終わったときが予防歯科のスタート
予防のために管理していく予防歯科にこだわりがあるそうですね。

【院長】当院では、むし歯やかぶせ物などの治療が終わった時はゴールではなく、これから病気にならないための予防管理のスタートと考えています。いわゆる「治療」が終わって予防管理に移行できるかどうかは、歯科医師としての腕の見せどころですね。患者さんは、自分が気になるところの治療を優先的に進めてほしい、と考えていらっしゃると思いますが、治療が終わったときに初めて予防管理についてお話しするのでは遅すぎるのです。治療を開始するときから、長期的に予防管理をすることを前提とした治療計画を立案すること。そして、結果を出し、予防の価値を実感してもらい、患者さんと信頼関係を築いていくことが大切だと考えています。
お二人それぞれが診療に対して重視していることを教えてください。
【陽子先生】私は、インプラント治療や審美面に配慮した治療などの先端的な専門治療を提供できるように研鑽に努めていますが、それらの専門的治療は健康なお口の中でのみ成功すると考えています。当院は、気軽に来院できる地域の歯科医院でありたいと思いますが、痛みなどの不調がある時だけ受診する「行きつけの歯科医院」ではなく、定期検診を通じて長く健康を提供できる「かかりつけの歯科医院」でありたいと思っています。それぞれの患者さんの事情や生活に応じた予防歯科を提供する実力を伸ばし、これからも予防をもっと身近なものにしていきたいですね。
【院長】患者さんの負担を減らすことを目的として、痛みに配慮した治療を意識しています。麻酔の注射針は極細のものを活用して、少しでも患者さんの痛みの軽減につながるよう心がけています。
医療設備としてCTを導入して活用されているとか。

【院長】2022年4月に、新しいCTの機械の導入を予定しています。新しい機械では、立体的な画像分析から、より精密な診断・治療も可能になるだけでなく、立体的な画像表示ができることで、患者さんへの説明が理解しやすいものになることが期待されます。また、画像データは、歯科衛生士が行う担当患者さんへのサポートにも生かすことができると考えています。
【陽子先生】当院では、インプラント治療にCTを活用するデジタルインプラントシステムを導入しています。具体的には、CTでスキャンした画像データ上で事前に手術のシミュレーションを行い、手術の際にはシミュレーションした場所に適切にインプラント体を埋入するためのサージカルガイドを用います。神経や血管を避け、安全に配慮しながらインプラントを埋入できるだけでなく、データ上で仮歯を作っておけるなど、患者さんの通院期間短縮にもつながる手法ですね。
クリニック一丸となって技術向上を図っていく
歯科医師として、仕事の醍醐味はどのようなところにあるとお考えですか。

【院長】やはり、治療を通じて患者さんに喜んでいただけることでしょう。治療の後にお口の中の様子をお見せしてご説明差し上げた際に喜んでいただけると、うれしく思いますね。また、予防管理型歯科医院として、たくさんの方が定期検診に長く通ってくださっていただければ、とてもうれしいですね。
【陽子先生】失敗を糧にしながらも成長し続けられることが、歯科医師の醍醐味だと思っています。患者さんの悩みや症状は千差万別で、新しい機器や技術の発展があり、いつも治療が滞りなく進むとは限りません。私が予定どおりの結果を出せなかったとき、患者さんが受ける苦痛や残念な気持ちを想像すると、改善点を次の治療に生かすまでが、歯科医師として誠意ある対応だと思っています。当院にはたくさんの患者さんが通院してくださっていますが、そこに甘えずに常に成長し続けていきたいです。
スタッフへの教育について教えてください。
【陽子先生】毎月1、2回の院内講習、年4回の院外講習を基本とし、必要に応じてさまざまな講習会に参加することも奨励しています。すべては、患者さんに安全でより良い治療を提供するためであり、「患者さんに予防管理の重要性を納得してもらう」という課題に、クリニック全体で取り組んでいます。技術的な研鑽だけでなく、予防管理型歯科医院としての方向性や想いについて共有することも大切です。また、患者さんの定期管理には歯科衛生士の担当制を導入して、毎回同じ歯科衛生士が対応しています。患者さんのライフステージに合わせたアドバイスや処置に加え、顔なじみのスタッフが対応してくれるという安心感を提供したいですね。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

【院長】さまざまなライフステージにいらっしゃる方に、どんなタイミングでも途切れない予防管理や治療を提供できる歯科医院として、これからも成長していきたいです。子を持つ親の一人として、子育ての大変さや多忙さはよくわかります。当院には託児サービスがありますから、安心してお子さんと一緒にお越しください。
【陽子先生】予防管理は緊急性が低いため、どうしても通院を先延ばしにしてしまいがちです。しかし、妊娠や育児で定期検診を中断してしまうと、せっかく今まで大切にしてきたお口の健康が失われるリスクが高まります。次の世代の健康にもつながる、ご自分のお口の健康を大切にしてください。私たちは長く家族ぐるみのお付き合いができることを期待しております。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/29万円~