平林 律 院長の独自取材記事
りつ歯科医院
(米子市/弓ケ浜駅)
最終更新日:2022/06/14
外浜線・JR境線弓ヶ浜駅近く、市内外からのアクセスも良好な「りつ歯科医院」は、大学卒業後、東京の歯科医院で約10年経験を積んできた、院長の平林律先生が2004年に開業した歯科医院。赤い壁と大きな窓が印象的な建物で、院内には治療や歯の健康についての情報を伝えるデジタルサイネージやポスター、冊子などが数多くあり、患者がさまざまな情報を得られるよう工夫されている。歯科・小児歯科・歯科口腔外科・矯正歯科を標榜し患者の幅広い相談に応じる同院では、「時代に即した医療を提供し続けること」をモットーに、CAD/CAMシステムなどの先進の医療設備の導入をはじめとした、新しい治療の提供に注力する。小手先ではなく、真摯に「質の高い医療」に向き合い続ける平林院長に、診療方針や力を入れている治療について詳しく聞いた。
(取材日2022年5月12日)
信頼関係を大切に、一人ひとりとしっかり向き合う
クリニックの特徴や診療方針について教えていただけますか?
医療は日進月歩なので、患者さんのお役に立てるよう、常に時代に合わせて新しい治療や技術、設備機器などを取り入れる努力を続けていくことを大切にしています。日々の診療では、お困りのところをしっかり正確に治すことが第一と考えていますね。また、患者さんから求められる「当たり前のこと」を守るように努めているのも一つの特徴でしょうか。例えば、「患者さんの診療時間をきちんと確保し一人ひとりと向き合う」「時間をしっかり守る」「患者さんの訴えによく耳を傾けご要望を正確にくみ取る」「専門用語を極力使わず丁寧にわかりやすく説明する」「より専門的な歯科医療が必要と思ったときは、信頼できる専門家をご紹介する」といった、当たり前のことを真摯に行うことで、患者さんとの信頼関係を築くことを一番大事にしています。
感染症対策も以前から気を配られているそうですね?
医療機関は安全・清潔であることが大切。当院では新型コロナウイルス感染症が流行する以前から、医療器具の滅菌器や紫外線で室内を殺菌する清浄機など、先進のものを導入し、徹底した感染症対策を行ってきました。
建物、設備などで工夫されたことはありますか?
オールバリアフリー設計で、車いすの方も無理なく受診していただけます。技工室を備え、歯科技工士が常駐しているので、細かい色や形の調整も院内で完結できるのは大きな特徴ですね。入れ歯の調整や不具合も、1時間ほどお待ちいただければ、その日のうちに解決を図れます。待合室、治療スペースについては、患者さんに少しでもリラックスしていただける空間であることを大切にしました。インテリアや装飾は家内に任せており、私自身、特にこだわりはありませんが、雰囲気をがらっと大きく変えないようにはしています。少しずつ進化していても、ベースはいつも同じ。そのほうが患者さんも落ち着けるのではないかと思っています。
どのような年代の患者さんや主訴が多いですか?
お子さんからご高齢の方、外国人の方まで幅広い患者さんが来院されます。歯痛や歯が抜けてしまったといった一般的な症状のほか、入れ歯の作製を希望される患者さんも多いですね。おかげさまで、当院に来られる患者さんは紹介やクチコミが多いのですが、予約時間をきちんと守られるのはもちろん、来院した方は院内で歯磨きを済ませてから入室されるなど、意識が高い方が多く、診療する立場としてうれしく思っております。開業した当初は虫歯の数の多さや歯の残存数の少なさに課題を感じていましたが、他の先生とともに予防歯科に注力してきた結果、今は地域全体でケアの大切さが浸透してきたと手応えを感じています。
CAD/CAMシステムで歯の修復物を設計・製作
注力している治療について教えてください。
セラミック素材の精密な詰め物やかぶせ物を作製するCAD/CAMシステムを2016年に導入しました。このシステムを用いると、3Dカメラで口腔内をスキャンできるので従来の粘土のような材料で歯の型採りをする必要もなく、さらに精密な修復物が短時間でできあがるのでその日のうちに治療を終えることもできるなど、さまざまなメリットがあります。また、金属は溶けたりさびたりしますし、歯茎が黒ずんでしまうことも。その点、セラミックは材質は一定のため、金属アレルギーの心配もなく、天然の歯に近い色・つやの再現を図れ、審美性にも優れていると考えています。当院では美しく作ることはもちろん、体への負担も考え、セラミックによる修復治療をお勧めしています。また、当院ではこのCAD/CAMシステムの汎用性や将来性に着目し2016年の導入後、研鑽を積み、今ではマウスピース型装置を用いた矯正、インプラント手術にも活用しております。
診療全般で、ほかに特徴や注力していることなどあればお聞かせください。
一般診療では、保険診療をベースに、患者さんのご希望を伺いながら自費診療にも柔軟に対応しています。難しいケースの入れ歯やかぶせ物を製作する場合などは東京や大阪、姫路などから専門の先生や歯科技工士の方に来てもらうことも可能で、鳥取に居ながら、全国の質の高い医療が受けられるというのも当院の特徴といえるかもしれません。あと、先ほどもお話ししたように当院では予防歯科も重視しており、目安として3~6ヵ月に1回、口腔内の状態をしっかりチェックしています。お子さんの場合は、歯磨き指導、フッ素塗布、食事のアドバイスや歯並びのことなど、年齢により内容が変わってきますね。
小児の歯科や矯正について教えてください。
当院はすべての患者さんに痛みの少ない治療を心がけていますが、小さなお子さんは先入観があるので、怖がらないよう、まず慣れてもらうことが大切と考えています。決して急がず、無理強いせず、行うことをしっかり伝えて守ってあげれば大丈夫。意外にすぐ慣れて治療に入れることが多いものです。最近では、親御さんがお子さんのお口の健康にしっかり気を配っていることもあって、虫歯にかかるお子さんは減っているんですよ。ただ、その反面、食の欧米化でやわらかいものを多く食べるようになったことで、顎に刺激を与えていないことと関連して顎が小さく発育していないお子さんが増えてきています。なので、当院でも月に1回矯正専門の先生をお招きし、矯正のご相談に対応しています。大学病院で研鑽を積まれてきた東京の開業医の先生で、安心してお任せしています。
東京で10年間勤務医として研鑽後、満を持して開業
先生が歯科医師をめざしたのはなぜですか?
父が歯科医師だったというのが大きいですね。自宅で開業していたのでとても身近な職業でしたし、いずれ自分もその道に進むのだろうと漠然と思っていました。患者さんに「ありがとう」と言われている父を見て、人に感謝される素晴らしい仕事だなと。もちろん感謝してもらえる仕事はほかにもいろいろありますが、小さな口の中で自分の技術を生かしていくスタイルが、魅力的に映ったんです。医療の中でも、歯科は特に手を動かす分野です。診療の入り口から出口まで、自分の両手、技術だけが頼り。とてもやりがいがあると思いましたし、実際そうでしたね。歯科医師になって本当に良かったと感じています。
大学や勤務医時代についても教えていただけますか?
大学時代はクラブの先輩方を始めとしたつながりからさまざまな刺激を受けました。在学中より実際に歯科医院でアルバイトをさせていただいたこともあり、そこで「歯科医師はずっと勉強を続ける必要がある大変な仕事だ」と再認識し、一層勉強に打ち込むきっかけにもなりました。卒業後は東京都内の歯科医院に勤務しました。技術を磨き、経験を積むことに必死でしたが、努力するといろいろなものが見えてきて、手応えも感じるようになりました。別のクリニックでは運営も任され、経営についても学べて、充実した10年間だったと思います。そろそろ開業しようかとなった時に、思い浮かんだのが家内の故郷、鳥取でした。とても過ごしやすいこの町で開業することを選びました。
今後の展望をお願いします。
同じ治療費でも、新しい治療を受けられたり、安心して受診できる環境を整えたりといった付加価値をこれからも追求していきたいです。超高齢社会で歯科医師のニーズは今後も増えていくでしょう。ご高齢の方が健康で長生きするためのお役に立ちたいですね。当院はインターネット予約も可能ですし、予約時間をしっかり守って診療することを心がけています、お口に関するお悩みにもしっかりお応えしていきますので、気軽に来ていただけたらと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはオールセラミック冠/前歯 6万円~・奥歯 5万円~、自由診療の入れ歯/20万円~(歯の本数により変動)、小児矯正/一期矯正(永久歯に生え替わる前)30万円・二期矯正(永久歯に生え替わってから)30万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/40万~80万円、インプラント治療/40万~50万円