満田貴子理事長、吉村浩憲院長の独自取材記事

歯科医院オレンジ

(熊本市西区／熊本駅)

最終更新日：2022/08/22

熊本市の西の郊外、利便性の高い地域にあって、2024年に開業20周年となる「歯科医院オレンジ」。元気が出る、温かいイメージのオレンジ色が好きでその名をつけたという満田貴子（みつた・たかこ）理事長と、常に笑顔で患者を迎える吉村浩憲院長。2人がめざすのは、患者と歯科医師とスタッフが幸せを共有できる歯科医院だ。一般歯科・小児歯科・矯正歯科・予防歯科・審美歯科など幅広い分野に対応し、特に子どもの予防歯科に注力しているという同院。乳歯の頃の姿勢や生活習慣が永久歯の歯並びに大きな影響を及ぼすと満田理事長は語る。主に小児歯科を担当している満田理事長と、インプラントなど大人の歯の治療を中心に行っている吉村院長の2人に、同院の特徴や診療方針について詳しく話を聞いた。

（取材日2022年7月5日）

幅広い年齢層、主訴に対応
小児や妊婦の口腔ケアに注力
悩みを気軽に相談できるアットホームな歯科医院

幅広い年齢層、主訴に対応

開業までのいきさつを聞かせてください。

【満田理事長】子どもの頃は、傷痕をきれいにする形成外科の仕事に就きたいと思っていました。そうした夢があったので、大学の歯学部卒業後は口周りの外科である口腔外科に入局して研鑽を積み、それから故郷である熊本に戻ってきました。その後、女性の院長が1人でやっていらっしゃる歯科医院に勤務したのですが、“女性が1人で開業”という姿にかっこいいなと、刺激を受けたのが開業を決めたきっかけです。女性の患者さんで歯にコンプレックスがある場合など、女性の歯科医師を希望される方が多いですし、当時はまだ歯科医院自体が多くありませんでしたから、そうした点からも女性である私が開業することに意義を感じました。そして、実家に近いエリアで物件を探していたところ縁あってこちらを紹介していただき、2004年に開業しました。現在は私たちのほかに、矯正専門の歯科医師と、非常勤で女性の歯科医師が1人在籍しています。

どのような年齢層の患者さんが多いですか？

【吉村院長】曜日によっては20時まで診療していますので、仕事帰りの会社員の方や、近隣の方では、農家の方、ラグビー部の高校生がスポーツ用マウスガードを作りに自転車で来てくれたりもしますね。患者さんの年齢層は0歳から90歳までとたいへん幅広いです。この辺りには医療機関が多いので、患者さんの中には当院に診察券を置いてから「ちょっと整形外科に行ってくるよ」と、複数の病院を一日で回られる方もいらっしゃいます。病院によっては予約時間にちょっとでも遅れてはいけないというところがありますが、当院は多少遅れても「待ってもらえたら診ますよ」というスタンスなんです。「予約はできないけど飛び込みでなら受診できる」という患者さんに対しても、同じように対応しています。

患者さんの主訴はどのようなものでしょうか。

【吉村院長】当院は一般歯科をはじめ審美歯科まで幅広く対応していますが、一般歯科では歯周病の方が多いです。歯は土台が大切なので、たとえ虫歯があっても基本的には歯周病の治療後、虫歯の治療に入ります。最近では長時間のデスクワークや運転による「食いしばり」が原因の知覚過敏を訴える方も多くみえますね。インプラントに関しては、最初にカウンセリングをしっかりと行い、精密な術前検査をした上で治療していきます。ほかにもマウスピース型装置を用いた矯正を希望する方、耳鼻咽喉科から睡眠時無呼吸症候群改善のための装置を作りにいらっしゃる方などさまざまですが、予防でいらっしゃる方の割合も増えてきました。

小児や妊婦の口腔ケアに注力

お子さんの予防歯科に尽力されているそうですね。

【満田理事長】はい。将来矯正しないで済むように、歯が1本でも生えたら受診してほしいとお伝えしています。というのも、乳歯の時の姿勢や悪習癖が、永久歯の歯並びや親知らずの生え方を決める要因となるからなんです。外からは見えなくても永久歯の卵たちはすでに歯茎の中にあって、回転しやすい状態だと考えていただければイメージしやすいかと思います。ですので、ゲームをする時の姿勢が良くないと永久歯の歯並びが悪くなってしまいますし、テレビを見るときに口がポカンと開いたままになっている状態も良くないんですね。当院ではそうした習慣を直すための矯正器具もありますが、まずはしっかりと姿勢を正すようにお話ししています。

妊娠中からのケアも大切なのですか？

【満田理事長】そうなんです。熊本市内の産婦人科などで行っている母親教室でもお話しさせていただいていますが、お母さんに歯周病があると早産になるリスクが高くなるといわれているんです。虫歯は赤ちゃんにうつってしまいますので、未治療の虫歯がある上のお子さんときょうだいで1つのソフトクリームを食べるというのはNGですし、おじいちゃんがおせんべいを噛んで小さく割ってからお子さんに与えるというのも残念ながらだめです。哺乳瓶の種類にはいろいろありますが、赤ちゃんの吸う力を育めるようなタイプのものをお勧めしていますね。まずは、生まれてくる赤ちゃんの健康のためにも、出産前にご家族で受診していただけたらと思います。

診療における3つの理念について教えてください。

【満田理事長】1つは高度な医療を提供していくということです。歯科医師として知識をアップデートしていくことはもちろん、レーザーなどの先進医療機器を使うことで患者さんの負担が軽くなるように努めています。2つ目は、地域に根差した歯科医院として、近隣の皆さんに貢献していきたいということですね。3つ目は、患者さんだけでなくスタッフも幸せになる歯科医院でありたいと思っています。患者さんに元気になってもらって、幸せを皆で分かちあえるような雰囲気づくりを心がけています。
【吉村院長】病院やクリニックは「病気に向き合うところ」というイメージがありますが、僕は「健康になるための場所」だと思っているんです。だからこそ、いつも前向きな気持ちで診療に臨んでいますし、施術するよりもまずは笑っていただく、くらいの想いを持って患者さんをお迎えしています。

悩みを気軽に相談できるアットホームな歯科医院

患者さんとのコミュニケーションを大切にされているのですね。

【吉村院長】そうですね。「歯科医院でこんなにしゃべったのは初めて」とよく言われます。スタッフは皆明るくて患者さんとよくしゃべりますし、いつもどこかで楽しそうな声が聞こえていることが当院の特徴ではないでしょうか。
【満田理事長】私の母が趣味でバラを育てているのですが、シーズンになると敷地内の土手にそれはもうたくさん咲くんです。それで、「きれいね」と声をかけてくださった患者さんには、はさみと一緒に新聞紙もお渡しして「好きなだけ取っていってください」と（笑）。芽接ぎが成功したと聞けば「わあ、良かったですね！」と一緒に喜びますし、そうした患者さんとの対話からいつも元気をいただいている感じです。歯の悩みはもちろん、介護で忙しいといった悩みもお話ししてもらえるような信頼関係を築いていきたいです。

理事長も園芸が趣味なのですか？

【満田理事長】私の趣味は掃除と片づけなんです。雑誌の付録などはすぐに捨ててしまうタイプですね（笑）。シンプルイズベストだと思っているので、院内もできる限りシンプルにごちゃごちゃとしないようにしています。小学生の息子2人と高校生の娘がいますので、休日は娘が喜びそうなSNS映えする食事をしに出かけたり、息子たちとはバレーボールやバスケを一緒にしたりして楽しんでいますね。新型コロナウイルスの影響で最近は行けていませんが海外旅行も大好きで、20年以上前にフロリダで出会ったご夫妻と今も文通を続けています。落ち着いたら、また会いに行きたいです。

今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。

【満田理事長】今後はより新しい機器を導入していきたいと思っています。例えば、唾液から虫歯になるリスクがわかる機器を使って、虫歯にならない、入れ歯にもならないということをめざしたいですね。患者さんの中には、落ち着いた雰囲気で予約時間きっちりに受診するような歯科医院が良いという方もいらっしゃいますが、当院のようなお子さん連れの方でも安心して受診できる、アットホームで臨機応変なスタイルのほうが良いという方もいらっしゃると思うんです。ぜひご自分のライフスタイルに合った歯科医院を選んでいただきたいと思います。
【吉村院長】常に前向きな診療を心がけ、患者さんの「健康でありたい」「健康になりたい」という想いの手助けをしていきたいです。歯磨きに来るような感覚で、気軽に通っていただけたらうれしいですね。