富田 慎 副院長の独自取材記事
名駅ナディア歯科
(名古屋市中村区/名鉄名古屋駅)
最終更新日:2025/06/04

名古屋駅、スパイラルタワー内にある「名駅ナディア歯科」。ビルの地下2階にありながら、天井が高く開放感のある設計になっている。栄にある「ナディアパークデンタルクリニック」の分院で、どちらの歯科医院でも同じクオリティーの治療を受けられる。院内はまばゆいほどの白で統一され先進的な雰囲気だ。席ごとにパーティションで区切られ、プライベート感が守られた診療室の他、カウンセリングルームやパウダールームなども整えられている。今回は副院長である富田慎先生に、診療にかける思いや今後の展望など、たっぷりと話を聞いた。
(取材日2016年4月25日)
お互いに違う道をたどったからこそ、組めたタッグ
こちらに開院されたきっかけと、本院である栄の歯科医院と違う点を教えてください。

診療内容については、違いはほとんどありません。歯科医師やスタッフも、本院に女性の歯科医師が1人固定でいる他は両院でローテーションをしています。ただ、こちらは新しい分、内装も幾分今どきでしょうか。パウダールームなどもありますので、おかげさまで女性の患者さんなどにはご好評いただいています。開院したきっかけは、本院だけでは少々手狭になったのと、患者さんにもっと便利に通ってもらいたかったからですね。
先生は医学博士でもいらっしゃるそうですが?
ええ。岡山大学を卒業した後、何か研究というものを一度してみたいと思い、名古屋大学口腔外科の大学院に入学し、3年半ほどT細胞やリンパ球などについて免疫の研究をしていました。その後は歯科医師のアルバイトをしつつ、出向で名古屋第一赤十字病院の麻酔科医として勤務したりもしていたんですよ。歯科医学とは違う医学の世界に実際に身を置いていろいろなことが学べ、とてもいい経験になりました。
歯科医師になろうと思われたのはなぜでしょうか?

私の実家は商売をしていまして、子どもの頃から店の手伝いをしていたんです。私はお客さんにあいさつをしたり「ありがとう」と言ってもらえることが大好きだったんですよ。近所の方たちにもとてもかわいがっていただいてましたね。幼い頃から人と関わることが日常的だったこともあり、人と交流ができるような仕事がしたいと思うきっかけにもなっているのかもしれません。歯科医師になろうと思った理由としては、人と関わる機会が多いですし、手先も器用だったという点からも歯科医師になって将来開業するというのが良いのではと思ったんです。
世界基準で一つの歯科医院ですべてを診たい
理事長である飯田吉郎先生と一緒に開業することになったきっかけは?

飯田とは大学のサッカー部で一緒だったんです。2人とも名古屋出身ということもあって馬が合い、それ以来の長い付き合いになりますね。私は麻酔科での勤務経験後、また大学へ戻ったのですが、患者さん一人ひとりのQOL(クオリティーオブライフ)を考えた時、組織の中でそれを追求するのは難しいと感じていまして。自分がやりたいことと大学病院の環境は少し違うなと悩んでいたんです。そうしたら、ちょうど飯田が「一緒に歯科医院をやらないか?」と誘ってくれましてね。私は歯科医師専門でやってきた人間ではないけれど、それでも良いのかと聞いたところ、むしろそのほうが良いと言ってくれたので。彼は歯科医師一筋で来た人間ですから、診る分野も何となく住み分けができていて良い関係ですね。
こちらの歯科医院のコンセプトや先生のモットーを教えてください。
「患者さんの“こうしてほしい”を実現させる」ということと「常に世界に目を向けて、世界基準を維持し続ける」というのが当院としての大きなコンセプトです。私自身のモットーはもっとシンプルで、「治す」ということですね。歯科治療はやはり保険診療の制限があるので、その範囲内だとどうしても治療しきれないところがあります。費用の問題もありますし、時間もかかってくるので患者さんの協力なしには成り立ちませんが、可能な限り完璧に治したいと思っています。まずは治療をするにあたり、私たちが必要だと思う金額や時間に納得していただけないことには始まりませんから、カウンセリングは入念に行い、なるべく専門的な用語は使わず、わかりやすく説明するように心がけています。
マタニティー歯科など、他では珍しい外来診療を始められたきっかけは?

昔のデパートのキャッチフレーズじゃないですが「ゆりかごから墓場まで」というふうに、すべてのことを一つの歯科医院で診たいという理想をもともと描いていました。私は口腔外科や麻酔科の経験があるので、この歯科医院を小さな大学病院のようにしていこうとやりたいことを膨らませていったんです。そうしたら、骨折や口腔がんのような本当に大きな病院でしか治療でできないもの以外は対応できるまでに整ったので、次は他の若い先生たちやスタッフにも自分のやりたいことを提案してもらい、新しいことをどんどん始めてみようという流れになりまして。マタニティー歯科も、当院で勤務している女性歯科医師が妊娠したことを期に、彼女が主体で始めたものなんですよ。スタッフそれぞれが自分の経験を生かしてスペシャリストになり、ここに居場所をつくっていってほしいですね。もちろん、その分勉強することも設備投資も増えますから、大変ではありますけど。
患者、スタッフ、すべての人が笑顔であふれる場所に
先生が大事にしていきたい「チーム“ワーク”医療」とは?

みんなで気持ちを一つにして歯科医院をつくっていきたいと考えていて、私だけが頑張るのではなく、スタッフや患者さんも巻き込んで当院をより良いものにしていきたいですね。現在スタッフが40人ほどいるのですが、数ヵ月に1度は栄、名駅ともに両院とも閉めて、全員でコンセプトや院内の改革についてみっちり話し合う日をつくっています。他には、診療的にこういうことをしたい、個人的にはこういう人間になっていきたいというような目標シートを書いて提出してもらったり、1本の映画を観て感想を言い合ったりしていますね。私は以前、10年間ほど女子サッカーの監督をしていたのですが、チームを辞めていく子がいた時、もっと自分に何かできたのではないかと、とても後悔したんです。小さいことでも意見の行き違いや不満を見過ごしたくないので、できる限りスタッフの声には耳を傾けて、やりがいを持って明るく仕事ができる環境を整えていきたいですね。
開業をして、良かったと感じる時はどんな時ですか?
それはもちろん、患者さんに「ありがとう」を言ってもらえた時です。私は本質的に子どもの頃とあまり変わっていないのかもしれません(笑)。お年寄りの患者さんなどに「先生のおかげ」と言ってもらえたりすると、本当にやりがいを感じます。あとは、先ほどの話と少し重なりますがスタッフが生き生きと主体的に働いていてくれているのを見るとうれしくなりますね。「三方良し」という近江商人の心意気を表した言葉がありますが、当院に三方を当てはめるのなら、患者さん、スタッフ、私と飯田の経営陣。患者さんとスタッフが幸せだと私も幸せですね。当院に関わるすべての方がハッピーになれるよう努めてまいります。
今後取り組んでいきたいことなどはありますか?

やはり、先ほどから何度も述べているように、患者さんも巻き込んだ“チームワーク医療”に取り組んでいきたいですね。チーム医療が推進されて久しいですが、私はそこに患者さんももっと積極的に加わって協力してほしいと思っています。当院では、「ナディア新聞」という手作り新聞のようなものを作っているのですが、そういったものをきっかけに患者さんに私たちのことを知ってもらって、好きになってもらい、足を運んでいただけるといいなと思っています。私たちは来てくれた方しか助けることができませんから、まずはしっかり通っていただくようにするのが目標ですね。お子さんからお年寄りまで、虫歯の方から審美目的の方まで、すべてのニーズにお応えできて、笑顔があふれる歯科医院にしていきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/90万円~、歯列矯正/110万円~
セラミックを用いた補綴治療/5万5000円~