三谷 貴一郎 院長の独自取材記事
みたに眼科クリニック
(海老名市/さがみ野駅)
最終更新日:2025/07/14

「みたに眼科クリニック」は、町のクリニックでありながら、大学病院の眼科にも引けを取らない技術と設備を備えた眼科医院だ。院長の三谷貴一郎先生は、基幹病院や白内障手術の専門クリニックで、手術の腕を磨いてきた眼科手術のスペシャリスト。技術や設備はもちろん、接遇面でも質にこだわる三谷院長がめざすのは、進化する手術技術によって、手術プラスアルファの喜びを患者に提供することだという。さまざまな日帰り眼科手術に加え、2025年6月からは「有水晶体眼内レンズ」を用いた近視・遠視・乱視の手術を開始する。常に患者の生活の質向上をめざす三谷院長に、技術力進化の追求と、その裏にある患者への想いをじっくりと聞いた。
(取材日2025年5月9日)
豊富な手術経験を生かし、さまざまな日帰り手術に対応
こちらのクリニックの特徴を教えてください。

当院は一般眼科診療と日帰り眼科手術を専門にするクリニックです。私は順天堂大学の眼科に入局してから、北海道や静岡県、山梨県などの公的総合病院の眼科に14年間勤務した後、白内障手術に特化した横浜市の稲村眼科クリニックで副院長を務め、2002年6月に開業しました。一貫して眼科手術の研鑽に努めてきましたので、白内障はもちろん、緑内障、糖尿病網膜症をはじめとする網膜硝子体手術、眼瞼下垂などの手術をすべて日帰りで行っています。白内障手術では、白内障とともに近視や老眼の治療にも期待できる多焦点眼内内レンズを用いた手術も行っています。緑内障は術後の合併症の可能性が少ない線維柱帯切開術(トラベクロトミー)が得意です。点眼薬による治療では改善が難しい緑内障は、視野が悪くなる前に安全性に配慮しながら、早めに手術をするケースもあります。
他にも特色のある手術はありますか?
一つは糖尿病網膜症や、網膜剥離などの重症例も、日帰り手術で対応していることです。網膜硝子体手術は、横浜市立大学眼科の門之園一明教授の協力を得て、先進的な手術を行っていますし、眼瞼下垂や逆さまつげ、翼状片などの外眼手術も行っています。また、眼窩脂肪ヘルニアの手術を行っている点も特徴の一つです。眼球の奥の脂肪が前方へ移動してくる病気ですが、白目の耳側に黄白色でナメクジ状のふくらみができるので整容的に問題となります。手術時間は20分程度で、保険が適用されます。この病気の手術を行っている病院は全国でも少なく、医師に相談しても「治療の必要はない」とされる場合が多く、インターネット検索をして遠方から当院へ来られる方もいらっしゃいます。
設備面や診療で、先生がこだわっていることは何ですか?

手術のレベルはもちろん、手術室の設備や機器も大学病院のレベル以上のものをそろえるようにしています。多くの患者さんが来院されますので、外来診察は土曜日を含め、順天堂大学病院、横浜市立大学横浜市民総合医療センター病院からの医師、慶應義塾大学眼科特任講師等との二診制を整備し、待ち時間の短縮に努めています。特に希望の多い白内障手術に関しては「すぐに手術をしたい」というニーズに対応するため、早ければ1ヵ月以内、遅くとも6週間以内に、両眼の手術が完了できるようシステムを改善しました。目の手術に不安を抱えていらっしゃる方は多いと思いますので、術前の説明も術後のアフターフォローもしっかり行います。手術当日は麻酔科専門の医師が全身状態の管理を行い、笑気麻酔も併用。術後にご自宅で何か困ったことがあった際に、医師や看護師、スタッフのいずれかと24時間いつでも連絡が取れるよう、携帯電話番号をお伝えしています。
技術、設備、接遇と3拍子そろった質の高い医療を追究
緑内障を早期発見するために、大事なことは何ですか?

40歳以上の日本人の20人に1人が緑内障だといわれますが、最近では15人に1人と増加しています。このうち眼科でかかり治療を受けている人は少数で、大多数は自分が緑内障であることに気づいていません。緑内障は日本人の失明原因第1位の疾患である一方、早期発見し、点眼治療などを継続することで失明を回避することもめざせます。なにより早期発見が重要なので、40歳以上の方、40歳未満でも強度近視、血縁者に緑内障の方がいる場合は一度眼科で検査を受けてください。特殊な緑内障として、特に重要なのが閉塞隅角緑内障です。白内障の進行などに伴って発症しますが、視力の低下や自覚症状もほとんどないまま突然発作を起こし失明することも。若い頃、裸眼視力が良かった遠視の方に多く、眼科医も閉塞隅角を見落とすこともあります。「白内障だけれどまだ手術は大丈夫」と言われている方も、前房深度、隅角の状態をよく診てもらうことが大切です。
入院手術が必要となるケースもあるのでしょうか?
一般的に、高齢者は入院が安心と思われがちですが、必ずしもそうとはいえません。入院によって生活環境が激変し、その変化が強いストレスとなって、一時的にせん妄状態に陥ることがあるからです。勤務医時代には、入院後に夜間院内を徘徊して転倒骨折した患者さんや、幻覚を見てパニックを起こす患者さんをたくさん見てきました。せっかく白内障の手術を受けるために入院したのに、手術は中止となり、そのまま退院された方もいらっしゃいます。高齢者にとっては術後、自宅に戻って過ごせるメリットも実は大きいのです。入院か日帰り手術かを迷った際は、私たちにご相談ください。
スタッフの皆さんの接遇もこまやかですね。

ありがとうございます。実は、数年前は診察や手術は良かったけれど、スタッフの対応については、患者さんから不満の声も上がっていた時期もありました。院内で接遇面の改善に徹底して取り組んだところ、新たに採用した2人のスタッフがやる気いっぱいで、彼女たちの患者さんへの温かいホスピタリティーが他のスタッフにも自然に伝わって、全体の雰囲気も非常に良くなりました。今は患者さんからのクレームは一切なくなり、むしろお褒めの言葉をいただいています。クリニックの開業から24年目に入りますが、ベストメンバーで診療できており、私もスタッフをとても信頼しています。
患者一人ひとりの見え方の質を追求
子どもも診てもらえるのでしょうか。

もちろんです。私は手術がメインですが、女性の眼科医師も複数在籍していますので、お子さんの目のお悩みにもしっかりと対応します。特に斜視や弱視などを扱う小児眼科は、医師と視能訓練士がチームを組んで、良質な診療を行うべく体制を整えています。常勤4人の視能訓練士の他、東京大学医学部附属病院の主任と元主任視能訓練士2人が非常勤でチームを組んでいます。斜視など全身麻酔の手術が必要な場合は、東京大学医学部附属病院、順天堂大学病院へご紹介させていただきます。
新しい取り組みがあればご紹介ください。
2025年6月から、目の中にレンズを埋め込む有水晶体眼内レンズを用いた近視・遠視・乱視の治療を開始します。眼鏡やコンタクトレンズのように毎日の装着の手間がかからないため、生活の質の向上が大いに期待できます。ただし、この治療は手術前の検査が肝で、埋め込むレンズの度数も時間をかけてしっかりと精密検査をする必要があります。当院は検査精度を上げる特訓を実施した上で提供を開始します。手術適応にはいくつか条件があり、目の状況によっては手術を受けられない場合もありますので、まずはご相談ください。
技術を高め続けるための心がけを教えてください。

眼科の技術は日進月歩です。勉強会などに参加したり、先端の手術を見学したり、勉強熱心な先生方と情報交換をして、最新の知見を学ぶように努めています。勉強会の後に先生たちと一緒に食事やお酒を楽しむ時間も楽しみで、全国各地にいつでも相談できる仲間がいることが私の強みです。今後は“見え方の質”に一層こだわっていきたいと考えています。例えば、白内障手術では、多焦点眼内レンズを用いることで屈折異常の悩みの改善も同時に図ったり、緑内障の手術を同時に行ったりするなど、プラスアルファの喜びを患者さんに提供できるクリニックでありたいと思います。
読者にメッセージをお願いします。
手術を受けた患者さんが、よく見えるようになったと喜んでくださることが、眼科の医師としての私の目標であり、やりがいにもつながっています。白内障手術をすぐに受けたいけれど、半年待ちと言われたなど、手術でお困りの方はぜひ、一度当院にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは多焦点眼内レンズを用いた白内障手術/片眼58万円程度