犬塚 敬子 院長の独自取材記事
けいこ歯科医院
(神戸市東灘区/御影駅)
最終更新日:2025/02/26

神戸市東灘区鴨子ケ原の閑静な住宅街で、桃色の看板が目を惹く「けいこ歯科医院」。地域のかかりつけ歯科医院として根づいていた「ふじ歯科医院」を、2022年に犬塚敬子院長が継承、2024年にクリニック名を変更した。院内は大きな窓が設けられ、温かい日光が待合室と治療室に降り注ぐ。20年以上続くクリニックとしての役割を大切にしながらも、レーザーや口腔内スキャナーなど先進機器を積極的に活用。年齢を重ねても健康な歯を維持するため、0歳からの小児歯科にも力を注いでいる。「セミナーで新しい治療法を学ぶのが楽しく、それを患者さまに還元できるのがうれしい」と笑顔で語る犬塚院長に、治療で大切にしていることや今後の展望について話を聞いた。
(取材日2025年1月16日)
水や滅菌システムにこだわり感染症リスクの低減を図る
クリニックを継承されるまでの経緯を教えてください。

実家が祖父母の代から歯科医院を経営していたため、小さい頃から自然と歯科医師になるものだと思っていました。アットホームなクリニックだったので、私も診察室で治療の様子を見たり、技工室で歯科技工士さんの作業を眺めたりしていました。もともと細かい作業が好きだったこともあり、小さな歯を治療していく歯科医師の仕事に心が踊っていましたね。歯科の勉強は福岡歯科大学で学び、卒業後は福岡県や長崎県の開業歯科医院で子育てをしながら勤務していました。その後ご縁があってふじ歯科医院に勤務することになり、前院長がしばらく歯科の仕事から離れられるということで2022年に私がクリニックを継承しました。
地域に長く根づいたクリニックだからこそ、クリニック名の変更も継承の2年後に行ったのですね。
前院長の人柄が慕われていたのはもちろん、このエリアは歯科医院が少ないので、頼りにしている患者さまが多いんです。前院長の代から通われている患者さまもいらっしゃり、長く信頼されているクリニックだと感じています。幼稚園の頃から通っていたという患者さまが、今は自分のお子さまを連れていらっしゃることもありますね。クリニック名変更の時期には、前院長がゆっくりと診療の日数を調整され、「このクリニックは敬子先生がメインになった」と患者さまに浸透したところで行い
ました。クリニック名を変更する際も、院内に貼り紙を設置したり、患者さまに「歯科医師もスタッフも変わらないから安心してくださいね」とお声がけし、安心して来院いただけるよう心がけていました。
器具やユニットから出てくる水も、患者さんの健康を守るために衛生管理を徹底しているとお聞きしました。

患者さまの健康を守るために歯科医院は水にこだわるべきだと考えています。そこで、当院ではうがいに使用する水やユニットを流れる水には、残留塩素濃度を高めた水を使用し、感染症リスクの低減に努めています。院内に流れる水の水質を保つため、定期的に第三者機関で水質を検査し、結果を患者さまにも提示しています。タービンなどの治療器具も必ず滅菌消毒していますので、安心して受診してくださいね。当院では、水質を保つことで患部の状態悪化を防いだり、新たな症状を引き起こす可能性を低減させたいと考えており、より質の高い診療を提供できるよう衛生管理を徹底するようにしています。
できるだけ削らない・抜かない治療で歯を守る
クリニックの治療方針を教えてください。

当院では、少しでも長く自分の歯でかめるように、できるだけ削らない・抜かない治療を心がけています。歯は一度削ってしまうと、どこかのタイミングで再治療が必要になるサイクルに入ってしまいます。もちろん症状には個人差はありますが、銀歯や詰め物等の寿命は平均5年程度といわれています。5年ごとに詰め直しやかぶせ直しを繰り返せば、歯はどんどん削られ神経も取ることになりついには歯を失ってしまいます。やはり、自分の歯はかけがえのないものですし、できる限り健康な歯を残したいという想いがあります。天然の歯に勝るものはないと考えているので、割れてしまった歯でも、保存可能な場合にはできるだけ残すよう心がけます。自分の歯でしっかりかめる健康な口腔を保つことは、いくつになっても元気で過ごすための秘訣だと思います。
できるだけ削らない治療について、患者さんにどのようにお伝えされていますか。
治療に入る前に、患者さまがどのような治療をご希望かお聞きした上で削らない治療のメリットや歯を削るリスクについて、時には、資料やタブレットを使用しながらご説明し、納得していただいた上で患者さまと相談しながら一緒に治療方針を決めていきます。また、当院では、Nd:YAGレーザー、Er:YAGレーザーを導入しています。これらのレーザー機器を応用することで歯にかかる負担や治療による侵襲を軽減することができます。診療においては、できるだけ「削らない・抜かない」ことを心がけながらも、患者さまのニーズにも寄り添えるように治療していきたいと思います。
お子さんが安心して治療が受けられるような取り組みも行われているとか。

保護者の方が治療中の時、お子さんが楽しく待っていられるよう、治療室のすぐそばに半個室のプレールームがあります。治療を頑張った子にはご褒美を用意しており、治療中におりこうさんにして待っていてくれたごきょうだいにもご褒美をあげています。保護者やきょうだいの付き添いで来てくれたときに「ここは楽しい場所」とポジティブな印象を持つと、いざ自分の番になったときにスムーズに進められる子が多いんです。「これをしたら喜ぶかな」と思ったことはなるべく取り入れていきたいと思っているので、お子さんとも積極的にコミュニケーションを取るようにしています。
生涯健康な口腔のために乳幼児からの受診を推進
質の高い治療を提供するために、積極的にセミナーへ参加されているとお聞きしました。

以前は診療と育児で手いっぱいで勉強時間が持てなかったので、今はセミナーで新しい知識を増やせるのがとても楽しく、毎日がアップデートでとても充実しています。特に最近は、かぶせ物やブリッジなどの型採りで使用する口腔内スキャナーについて勉強中です。一般的に、型採りをして作る詰め物やかぶせ物は、完成までに日数を要します。しかし、口腔内スキャナーは、口腔内を小型カメラでスキャンしてパソコン内で加工するため、型採りの不快感も少なく、その日のうちに治療が終了します。型を採ってから歯の表面に汚れがつく前にセットできるので感染リスクも下がります。患者さまにとってメリットの大きい治療法です。当院でもすでに導入しているのですが、これからさらに技術を磨いていきたいと思っています。
休日はどのようにリフレッシュされていますか?
最近は休日になるとセミナーに行くことが多いですが、ケーキ作りやお菓子作りがリフレッシュになっています。時間があるときにはパンも焼いていましたね。お菓子作り以外では、友人とドライブしてパワースポットに行ったり、神社巡りすることが休日の息抜きになっています。
今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

今まで以上に、お子さまの健やかな成長のサポートにも力を入れていきたいと考えています。近年特にお子さまのお口の成長不足が気になります。お口の成長不足は、歯並びなどの見た目の問題だけではなく、生涯にわたる全身の健康にも大きく関係してきます。小さい頃に適切なアプローチを行うのと成長とともにゆがみが大きくなってから行うのとでは、治療にかかる身体的・経済的負担もかなり違ってきます。気になる症状があってもなくても、赤ちゃんの頃から歯科医院に通って適切なアドバイスを受けることが大切です。0歳でも、歯が生えていなくても、その時期だからこそお伝えしたいことがたくさんあります。0歳からの歯医者さん、ご来院お待ちしております。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。