山崎 憲治 院長の独自取材記事
やまさき歯科医院
(西宮市/西宮駅)
最終更新日:2025/06/13

JR神戸線・西宮駅、阪神本線・西宮駅から徒歩5分。「やまさき歯科医院」は、西宮育ちの山崎憲治院長が2004年に開業したクリニック。患者の健康を第一に考えた医療を提供するため、精密な診査・診断に基づいた適切な治療に重きを置いている。「歯を長持ちさせること」を徹底的に考え、患者と二人三脚で治療を行うという院長。丁寧な説明をすることで患者の安心感と意識向上につなげ、「お互いが信頼し合えるクリニック」をめざす。「家族そろって来ていただけたらうれしい」と語る山崎院長。そんな院長に、治療のこだわりや、患者との接し方、現在の診療方針に至った背景などについて教えてもらった。
(取材日2024年12月12日)
誠実な姿勢と客観的な視点で、患者に最適な治療を
今年で開業20周年を迎えられたそうですね。まず、開業までの経緯をお聞かせください。

大阪歯科大学を卒業後、関西にある歯科医院で経験を積んでから2004年に開業し、今年で20年になりました。この地を選んだ理由は、利便性の良さですね。市役所の目の前ということで、地域の皆さんと近隣にお勤めの方の双方がアクセスしやすいと考えたからです。患者さんは世代で言うと30~40代、ご家族や職場の仲間、友人の紹介で来られる方が多いですね。中には北は福島、南は宮崎から来られる方もいらっしゃいます。また、ほとんどがメンテナンスに通われているので、20年のお付き合いになる患者さんも増えてきました。20年前には小さかった子が、今ではご自身のお子さんを連れてきてくれたり。その成長を見守れることが、やりがいの一つにもなっています。
先生がモットーとしていることは何でしょうか?

「うそをつかないこと」と「客観的に事実をお伝えすること」です。例えば、患者さんが歯を残したいと思うのは自然なことですが、それによって周りの歯が悪くなってはいけないですよね。大切なのは、患者さん一人ひとりにとって最適な選択をすること。そのためには、あらゆる検査結果を踏まえ、多角的な視点を持って判断することが欠かせません。その上で、仮に抜歯が必要と判断したら、客観的なデータを用いて、お口の状態や今後起こり得るリスク、治療の選択肢などについて、専門家としての見解をお伝えするようにしています。そうして、最終的な治療の判断は患者さんの意思を尊重するというのが僕の考えです。
患者さんに説明する上で意識していることはありますか?
「わかりやすさ」と「納得感」を大切にしています。例えば、虫歯治療の場合、手鏡でお口の中を見ただけではわかりにくいこともありますよね。「穴が開いていないのに、なぜ削らなければならないの?」と疑問に思う方もいらっしゃいます。ですから、「虫歯だから削って治療しました」ではなく、治療の過程を口腔内写真に撮り、それを使って説明することで、患者さんご自身の目で変化を把握し、安心していただけたらと思うんです。可視化することで、自分の状態をより深く理解できるようにもなります。お口の中は患者さんにとっては見えづらい部分だけに、隠すことなく事実をしっかりとお見せすることで、私たちを信頼し、お任せいただけているのではないかなと感じています。
歯を長持ちさせるためには手間を惜しまないこと
一人ひとりに合った治療を提供する上で、検査を重視されているのですね。

そうですね。一人ひとりに合わせた治療計画を立てることで、痛みのある歯の応急処置だけでなく、今ある歯をできるだけ長く使っていただけるようなアプローチにつなげたいと考えています。そのためには、精度の高い診査・診断を行った上で、現在のお口の状態を患者さん自身にしっかり知ってもらうことが大切です。検査は定期的に行うことに大きな意味があるので、当院では1年に1回は必ずエックス線写真と口腔内写真を撮影しています。「痛みもないのに検査は必要なの?」と思われる方がいるかもしれませんが、経年変化を追うことで「良い状態を維持できている」という確認ができますし、定期的に診ていれば、ちょっとした変化にも気づきやすくなるんです。悪くなる前に対策を立てられるということですから、継続的な検査は、患者さんにとって最適の計画を立てるためには欠かせないプロセスだと考えています。
歯を長持ちさせるために、どのような工夫をされていますか?
やり直しの必要がない、質の高い治療のためには丁寧かつ慎重に治療を行うことが欠かせません。そのためのツールとして、当院ではマイクロスコープを使っています。これは繊細な手技が求められる脳外科などでも使用される機器を歯科用に改良したもので、肉眼では捉えづらい範囲まで拡大して診られるのが特徴です。複雑な歯の形を確認できるので、根管治療の際に取り残しを防ぐのに役立つほか、健康な歯を必要以上に削らずに済むというメリットもあります。こうした精密な治療をすることで、患者さんの負担を軽減し、歯を長持ちさせることにつなげられたらと考えています。なお、当院では必要に応じて保険診療内で使用することも。最近は導入する歯科医院が増えてきたとはいえ、使いこなせるようになるまでに最低でも3~5年の経験が必要なので、日常的に使用している歯科医師はまだ少ないのが現状ではないでしょうか。
検査から治療まで患者さんと真摯に向き合っておられるのですね。かなり労力が必要ではないですか?

実は、開業当初は「患者さんが痛いところを治したいのであれば、希望の箇所だけを治療する」という考えでした。ですが、15年前から参加しているスタディーグループの先生に「患者さんのために力を尽くすことが、歯を長持ちさせることにつながる」「やれば良くなるのになぜやらないのか」と言われてハッとしたんです。目先のことに気を取られ効率を重視してばかりていては、せっかく行った治療が長持ちしないケースが増えてしまうんじゃないかと。口腔内写真などのデータを定期的に記録するようになったのもそこからです。振り返ると、大きな転機となりましたね。患者さんと真摯に向き合い手間もかけることで、治療の良し悪しを客観的に判断できるので、患者さんにもフィードバックしやすくなりました。今後も、本当に患者さんのためになることを追求していきたいと思っています。
患者のために成長し続け、信頼し合える関係でありたい
お子さんも来院するということですが、小児歯科治療で気をつけていることは?

特別なことはしていないんですよ。ただ、お子さんの場合は、いきなり「治療をするから口を開けて」というのは難しいですよね。ですから、まずは歯科医院という場所に慣れてもらうことを大切にしています。小さいうちから定期的に来院し、虫歯のチェックや予防のためのフッ素塗布を行う中で院内の雰囲気に慣れていくと、いざ必要になった時にしっかりとお口を開けて治療を受けられるようになるんです。患者さんの中には、ご自身の治療が終わると次にお子さんを連れて来られる方も多いので、家族ぐるみで通っていただけるのはすごくうれしいですね。
院内設備や感染症対策についても教えてください。
実は、診療ユニットの色をすべて変えているんです。というのも、今お話ししたように、お子さんは歯科医院に来るだけでも不安になることがありますよね。そんな時に「今日は赤い席に座ろうね」「今日は何色の気分?」というように、会話のきっかけになればいいなと思ったんです。感染症対策に関しては、診療室をすべて個室にして、治療後はすぐに次の患者さんを呼ばずに飛沫が落ちる時間を確保するなど、開業当初から気を配ってきました。こうした工夫を通じて、患者さんに安心して通っていただけたらと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

引き続き患者さんに信頼していただけるよう、十分な知識と技術を持って治療にあたっていければと思います。「継続は力なり」なので、患者さんお一人お一人に合わせた診療の実現のために、知識・技術・設備などすべての面をブラッシュアップしながら、より良い治療を提供し続けていきたいですね。患者さんと歯科医師がお互いの貴重な時間を共有するわけですから、専門家として最大限の力を発揮したいですし、患者さんにもご自身の健康に向き合っていただけたらと思います。ご自宅でのケアはもちろん、定期的なメンテナンス、予約どおりの通院といった患者さんの協力があってこそ、より良い治療につながると考えています。お互いが歩み寄り、信頼し合える関係でありたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/25万円~、セラミック治療(かぶせ物)15万円~