長野 和幸 院長の独自取材記事
長野歯科医院
(西宮市/鳴尾・武庫川女子大前駅)
最終更新日:2024/11/15

阪神本線・鳴尾・武庫川女子大前駅から徒歩10分、県道沿いのビルの2階にある「長野歯科医院」。外観はガラス張りで自然光が入るため院内は明るい。待合室ではクラシック音楽が流れ、ダークブラウンを基調としたシックな内装が居心地の良い雰囲気だ。受付のそばには、美しい熱帯魚が泳ぐ水槽があり、思わず目を惹かれる。院長の長野和幸先生は、大学卒業後、1991年の開業まで大阪けいさつ病院にて研鑽を積み、歯科口腔外科の領域で豊富な診療経験を積む。診療では一人ひとりの患者の意向をくみ取ることを大切にしているという。時にはユーモアも交え、笑顔で取材に応じてくれた長野院長。インタビューでは、同院の特徴や日々の診療で心がけていることなど、さまざまな話を聞いた。
(取材日2024年10月17日)
幅広い悩みに対し、噛み合わせを大前提とした治療を
この場所に開業されたきっかけや、患者層について教えてください。

大学を卒業後、大阪けいさつ病院の歯科口腔外科にて幅広い経験を積み、そろそろ開業しようと考えていた時、知り合いの内科の先生からこの場所を紹介されたのです。いろいろと教えてくださった信頼していた先生だったので、これもご縁だと考えて、こちらに開業することになりました。実際に開業してみて、周辺は住宅街なので、主婦さんや定年退職された高齢の患者さんが多いですね。現在、通院してくれている患者さんの多くは、紹介やクチコミで来てくださっており、支えられていただきながら今日まで診療してきました。近隣住民の方々は人柄が良い方が多く、私自身は波長が合うなと思っています。
院内がシックな雰囲気で、とてもすてきですね。
患者さんに喜んでもらいたい、それだけを考えましたね。歯科医院に行く時というのは、「痛いかな」「注意されるのかな」などと不安を抱えて来られる方が多いと思います。そうした患者さんが、当院に居る間はできるだけ気分良く過ごしてもらって、笑顔で帰ってもらえたら……そんな思いで考えました。内装のデザインも私が決めましたが、個人的な好みというより「おしゃれな雰囲気だったら患者さんも気分いいかな」という思いで(笑)、受付の横の熱帯魚の水槽も、患者さんが待っている間に見て喜んでくれるので、置いて良かったなと思いますね。CAD/CAM冠システムという、歯科技工所に依頼することなく歯科医院で修復物を作製できる設備も受付近くに置いているのですが、これも治療の紹介という意味だけでなく、患者さんが珍しがって喜んでくれるので目立つ場所に置いています。
どんなお悩みで来院される患者さんが多いですか?

虫歯や歯周病、歯の欠損、噛みにくい、入れ歯が合わないなど、幅広いお悩みをお持ちの方が来院されます。それ以外にも、当院の患者さんは口の中のことでお悩みがあれば、まずこちらに相談に来てくださいますね。例えば、口内炎ができたとき、皮膚科や内科にかかる方も多いと思うのですが、口の中の病気ですから、本来でしたら歯科医院にかかっていただきたいんですね。お口のお困り事はまず私たちが診させていただくためにも、まずは当院へ、というお話を常日頃からしています。歯科治療は、「咬合(こうごう)に始まり咬合に終わる」と考えています。咬合とは、簡単にいうと噛み合わせのことですが、そこがすべての基本となると考えています。
「縁」を大切に、患者の将来まで見据えた治療を提案
先生の診療方針をお聞かせください。

一人ひとりの患者さんに寄り添うことを何よりも重視しています。しっかりとした医療技術を提供することは当然なのですが、歯科医師と患者さんも、人間同士の関わり合いです。人それぞれ考え方も違いますし、自分の希望をはっきり言う方もいれば遠慮してしまう方もいます。そうした患者さんのタイプを見極めて、接し方を考えて、絶対にやらなければいけない最低限の治療と、できればやったほうがいい治療と、その線引きをどう伝えるかは試行錯誤しています。私は歯科医師として長期的な視点から考えた治療方針を立てますが、目の前の悩みだけ解決できたらそれ以上の治療は望まないという患者さんもおられます。長年の経験から、今のお口の状態を見れば、その患者さんが先々どうなるのか見通しはつくので、「この治療をしないと〇年後にはこうなりますよ」という念押しはさせてもらいます。せっかく来ていただいたご縁ですから、伝える責任がありますからね。
全身の状態を考慮して歯科治療をされると伺いました。
お口は体の一部です。頭から目、口から足の先まで、離れた臓器であっても全身はつながっているので、歯科治療も体全体のことを考えて行います。例えば、血を固まりにくくする薬を服用されている方ならPT-INRを確認したり。ただ最近は後発の薬も多く、すべての薬を知っているわけではありませんので、患者さんのお薬手帳を確認して、全身状態を把握し、会話をしながら健康状態を考えて治療を進めます。遠慮してうまく話せない方もいるので、できるだけ患者さんが受付に入って来られるところから様子を見るようにしていて、立ち姿などから「どこに不調があるのか」をある程度見立てをつけて、治療にあたるようにしています。患者さんに満足いく治療を行うためにも、丁寧に目をかけることが重要です。
先生のこれまでのご経歴をお聞かせください。

大学を卒業後、大阪けいさつ病院の歯科口腔外科で研鑽し、外科的な手術も多く担当してきました。病院の外来には、町のクリニックでは対応できない患者さんが紹介でいらっしゃるので、手術しなくてはいけないケースや、精神的な状況により治療ができないケースなど、さまざまな方がおいででしたね。病院では舌がんの症例も多く経験してきましたので、口内炎と腫瘍の見極めはある程度、精度の高い診断ができると思います。虫歯で死ぬことはありませんが、がんは命に関わります。開業してからも、これまでの経験を生かして、しっかりと診させていただき、適切な医療機関へ紹介させてもらいます。
「ありがとう」と笑顔で帰ってもらえる治療をめざす
クリニックの今後の方針は、どのように考えていますか?

開業してから、「咬合に注力する」「インプラント治療に力を入れる」など、10年ごとに目標を決めて一つ一つ技術を磨いてきました。エビデンスの確立していない最先端の治療法を次々と取り入れて、というよりも「体全体のことを考え、生涯にわたってしっかり噛めるような治療を行う」という基本的な方針は変わらないので、そこに着実に取り組んでいきたいと考えています。扱う素材・材料・機械のアップデートは、クオリティーの高い治療につながりますから、必要です。医療に携わる者として、医療の進歩はちゃんと知っていることが当たり前ですし、今でも勉強は欠かせません。
日々の診療で心がけていることはありますか?
当院に来てくれる患者さんに喜んでもらえる治療をしたいんです。治療を終えて帰られる時に、「ありがとう」と言ってもらえたら、喜びにつながりますね。患者さんの表情を見たら、本当にそう思ってくれているって伝わりますからね。悩みや困っていることがあれば、遠慮なく言っていただきたいです。できるだけ患者さんの希望をくみ取りたいと努めていますが、やはり言葉にして言ってもらわないと伝わらないこともあります。例えば、「入れ歯だけど、もっとしっかり噛めるようになりたい」といった要望を伝えるのに、遠慮したり恥ずかしがったりする必要は、まったくありません。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

遠慮なくお悩みや要望を言っていただければ、こちらもできないことは素直にできないとお伝えしますし、解決できるお手伝いがあるならしっかりさせてもらいます。希望をかなえるためにどんな方法があって、そのメリットやリスクもきちんとお話しさせてもらいます。そして大事なことですが、悩みや治療に対する要望は、治療が始まる前に言ってくださいね(笑)。先に言っていただくことで、その日の1回の治療が、患者さんにとってより良い内容になります。「あの時こうすれば良かった」と、後悔しないように、会話しながら一緒に治療していきましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/36万円~、セラミックの詰め物/5万5000円~、セラミックのかぶせ物/5万8000円~