産前から産後までを支える助産師
妊産婦の心強い伴走者に
北村医院
(川崎市中原区/元住吉駅)
最終更新日:2025/07/15
- 保険診療
人生で何回も経験できるわけではないお産。だからこそ、いろいろな夢を持っている人もいるだろう。しかし、一番大切なのは母子の安全ということを見失ってはいけない。あふれる情報に迷ったら、助産師に相談してみてはいかがだろうか。心のこもった診療で数多くの妊産婦を支えてきた「北村医院」。助産師の小笠原絢子(おがさわら・あやこ)さんも、そのホスピタリティーあふれる医療を実践するメンバーの一人だ。助産師の外来で、日々さまざまな悩みを持つ妊産婦と向き合っている。助産師とは妊産婦の心身をどのようにサポートしていくのか。「大切にしているのは正しい情報の提供です」と語る助産師の小笠原さんと北村修一院長に話を聞いた。
(取材日2025年6月18日)
目次
インターネットに情報があふれる時代だからこそ、出産も育児も助産師から正しい知識を得て準備してほしい
- Q助産師というとお産の介助のイメージが強いのですが。
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A
▲多職種が一丸となり、チームで患者をサポートする
【小笠原さん】助産師にはお産以外にもたくさんの仕事があります。初診時から妊婦さんに体調について話を伺い、今後の流れを説明します。2回目以降の妊婦健診でも悩みを聞き取り、体調など心配事があれば改善に向けたアドバイスをします。医師の説明だけでは理解が深まらなかった方へのフォローを行うこともあります。産後の授乳指導や沐浴指導も欠かせません。退院指導では、退院後の生活をイメージできるよう声かけをします。それでも実際に赤ちゃんとの生活が始まると、さまざまな不安が生じるものです。そのため当院では助産師による夜間の電話相談にも対応しています。
- Qこちらでは産前から産後までいろいろな学びの場があるとか。
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A
▲「毎日がお祝い膳」がコンセプト
【小笠原さん】例えば、初産婦さん対象のマタニティーセミナーでは助産師が必要な情報を提供していますが、ママ友づくりなどにも役立っているようです。ペアレンツセミナーでは赤ちゃんの着替え、ミルクの作り方などを両親そろって体験しながら学び、パパの心の準備も促します。そのほか、マタニティーヨガ、産後の親子ヨガ、ベビーマッサージ、2〜3ヵ月の親子が対象の赤ちゃん同窓会などもあります。また、当院では管理栄養士が在籍しており、妊娠中の栄養相談や産後の離乳食教室も開催しています。授乳に関する悩みを相談できる母乳の外来を利用する方もいらっしゃいます。
- Qバースプランはどのように決めていくのでしょうか?
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A
▲産前・産後をゆったりと過ごすことができる空間
【小笠原さん】助産師の外来では、妊婦さんの希望に沿ったバーズプランを構築しています。「自然分娩をしたい」「無痛分娩をしたい」「立ち会い出産をしたい」「早めに退院したい」「できるだけ長く入院したい」など、それぞれの思いはできるだけ尊重したいです。母子同室に関しては、初日から翌朝までの母子同室は大変なので、「退院後の生活をイメージしながら徐々に母子同室に慣れていきましょう」というお声がけをしています。育児ストレス軽減のためにも「こんなはずではなかった」という状況をつくらないのはとても大事です。
- Q妊産婦さんと接する際、何を大切にしていますか?
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A
▲スタッフと連携して患者に寄り添い、女性の心強い味方となる
【小笠原さん】優しく寄り添うだけではなく正しい情報を提供すること、すなわち保健指導を大切にしています。保健指導は助産師の重要な役割であり、その上に信頼関係を構築し、初めて寄り添いの段階に至ると考えています。最近はインターネット上のたくさんの情報に惑わされてしまう方も少なくありません。だからこそ、保健指導の重要性は増しているとも感じています。妊婦さんと丁寧にコミュニケ―ションを取ることを大切にしながら「ここで産んで良かった」「またここで産みたい」と思っていただけるよう尽力しています。
- Qこちらは小児科があるのも心強いですね。
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A
▲子どもたち一人ひとりの健康と成長を支える
【小笠原さん】小児科を専門とする医師たちが診療を行っているのも当院の強みです。大きな病院では助産師が出産に立ち会ったお子さんのその後を知る機会はほとんどありません。しかし、当院はコンパクトな空間に小児科もあるので、1ヵ月健診で顔を合わせることもあります。その後は予防接種や乳幼児健診で成長を見届けることができるのがうれしいです。小学校高学年までインフルエンザの予防接種を受けに来てくれるお子さんもいます。お会いしたときは「大きくなったな」と感慨深いです。

