北村 修一 院長、北村 卓也 先生、村田 俊輔 先生の独自取材記事
北村医院
(川崎市中原区/元住吉駅)
最終更新日:2025/06/17

川崎の地で出産を見守り続け、約70年。「北村医院」は東急東横線元住吉駅から徒歩約5分の好立地にある。2代目院長の北村修一先生と3代目となる北村卓也先生は産婦人科、村田俊輔先生は小児科の常勤医師として、すべての世代の女性と子どもたちの健康を支えている。院内の広々としたエントランスやシックなカラーで統一された待合室などはホテルのラウンジのよう。ポップで明るい雰囲気のキッズルームやショップ、カフェもあり、医院全体がまるでテーマパークのようだ。「情報に振り回されず、おおらかな気持ちで妊娠期間を過ごしてほしいです」と語る修一院長をはじめ、卓也先生、村田先生にクリニックの特徴について詳しく話を聞いた。
(取材日2025年5月29日)
患者の希望に合わせたバースプランを作成
クリニックの歴史と、特徴を教えてください。

【修一院長】父が産婦人科を川崎市中原区で開業したのが、今から70年ほど前になります。それから私の代になり、個室や食堂などを備えた建物に建て替えました。そちらが手狭になり、13年前に元住吉駅近くに移り、現在に至ります。息子の卓也も産婦人科医になり、3代にわたってこの地域のお産に関わることになりました。当院では出産方法や入院期間について、できる限り患者さんの希望を受け入れる方針を取っています。例えば、出産後の育児や精神的な不安がある場合は延泊できますし指導を受けることもできます。もちろんご家族と一緒に泊まることも可能です。また、助産師や管理栄養士の外来を設けていますので、一人ひとりのご希望や状態に合わせてこまやかな対応ができる点が特徴です。
出産方法は選べるのですか?
【修一院長】当院では自然分娩、帝王切開、無痛分娩が可能です。自然分娩では、計画分娩も行っており、ご家族の都合に合わせて分娩を計画的にすることができます。無痛分娩は現状、経産婦さんの計画無痛分娩のみとなっています。患者さんご本人の希望に合わせた分娩方法を含めて一緒にバースプランを考えていきます。
【卓也先生】麻酔科医の管理のもと無痛分娩を行っていることも、当院の大きな特徴です。無痛分娩では、痛みを感じ始めたタイミングで麻酔を使用するのですが、痛みを感じなくなるほど麻酔を使ってしまうといきむことができず、時間が余計にかかってしまうこともあります。ですから麻酔科医の管理のもとで適切な調整を行っています。もちろん院内での緊急帝王切開にも対応しています。
産婦人科では、どんな治療が受けられますか?

【修一院長】産科では、妊娠初期・中期・後期など各ステージに合わせた診療、体調管理を行っております。遺伝カウンセラーによるカウンセリング、出生前検査なども行っておりますし、臨床検査技師による4Dエコーなどももちろん対応しております。平日の午後であればご主人やご家族と一緒にエコー画像を見ていただけます。また、婦人科は3人の女性医師が診察にあたっていますので、男性医師に相談しにくいという方も安心して来院いただければと思います。生理に関わるトラブル、不妊、更年期症状、子宮脱など年齢に関わらない幅広いお悩みに対応できますので、お気軽にご相談ください。加えて、当院には生殖医療や腫瘍の診断・治療に精通した医師が在籍しておりますので、その点も安心して受診していただけるポイントかと思います。さらに専門的な診療が必要な場合は、提携大学病院などへ紹介させていただくことも可能です。
産まれたときからの頼れるかかりつけ小児科医
産婦人科と小児科、内科の連携についてお聞かせください。

【村田先生】お母さんの体に糖尿病や感染症などの疾患がある場合には、赤ちゃんの採血検査が必要か、何かフォローが必要かなどの指示をします。産婦人科医院の中に小児科がある大きなメリットは、生後0日から赤ちゃんを見ているため変化に気づきやすく、その変化をお母さんにすぐに伝え、対応できるところです。また、帝王切開は自然分娩より呼吸トラブルが起きやすいので、小児科医が常駐していることは大切だと思います。
【卓也先生】妊娠中および産後の糖尿病や高血圧、消化器系のトラブルなども当院の内科医師が対応しています。お薬は全科とも院内処方を実践しているので、そのまま待合室でお待ちいただき薬を受け取れます。
小児科医として心がけていることを教えてください。
【村田先生】症状が出てからの来院ではなく、不安があればすぐに頼れる小児科医でありたいと思っています。新生児の頃から定期健診でずっと成長を見守ることができるので、必要があればすぐに提携している病院などに紹介し検査をするなど、スピーディーな対応ができます。特に赤ちゃんについては、体重の変化や母乳を飲めているかなどわからないことが多いと思うので、気楽に相談できる雰囲気づくりをめざしています。不安は早く解決してあげたいので、診療はもちろんですが、受診のハードルを低くするというのも医師の一つの役割であり責任だと考えています。
たくさんの医師とスタッフがいらっしゃいますね。近隣病院との連携についてもお聞かせください。

【修一院長】当院の医師は、産婦人科は昭和医科大学・聖マリアンナ医科大学から、小児科は村田先生をはじめとした、聖マリアンナ医科大学から来ていただいています。また、近隣の日本医科大学武蔵小杉病院とも産婦人科・小児科ともに連携を取っています。当院独自のバックアップ体制を取っているため、緊急時にも即時対応が可能です。さまざまな専門分野を持っている産婦人科医がそろっているので、患者さんの状態に合った医師が担当し、そのまま主治医となるため安心して頼っていただければと思います。
安心した出産を迎えるためのバックアップが充実
出産をサポートしてくださる助産師さんについても教えてください。

【修一院長】当院の助産師は、分娩介助だけではなく妊娠中のお母さん方の揺らぎやすいメンタル面のフォローやご家族とのスケジュール調整なども行っています。患者さんと医師の橋渡し的存在で、日々本当に助けられています。患者さんに「何か気になることはありますか?」と医師が聞いても、なかなか言いづらいこともあると思いますので、そんな時に助産師を頼ってほしいのです。当院ではマタニティーライフを安心して過ごしていただくために、出産を予定している妊娠22週~26週目の方向けの助産師の外来をはじめ、バースプランのすり合わせや体調の確認、入院の書類の準備などの相談にも助産師が対応しています。また、さまざまなイベントや指導も行ってくれていますので私たち医師にとっても妊婦さんにとっても重要な存在です。
今後の展望をお聞かせください。
【卓也先生】2025年の7月以降に、川崎市委託の産後ケアを開始する予定です。産後ケアは、お母さんが院内に宿泊して、ゆっくりと体調を整えていただくことが目的です。必要であればお母さんも赤ちゃんも外来診療を受けていただけます。さらに、赤ちゃんのための英語教室も開催したいと考えています。また、ご夫婦で参加していただくペアレンツセミナーなども引き続き力を入れていきたい取り組みの一つです。
最後に、出産を控えていらっしゃる方へのメッセージをお願いします。

【修一院長】インターネットで何でも調べられる社会になったせいか、食事や日常生活に関して誤った情報を信じて窮屈な妊娠生活を送っている患者さんも多く見られます。特に食事について制限されている方も多いです。当院ではバラエティーに富んだおいしいメニューを用意していますので、楽しみにしていただければと思います。また、音楽ライブに行ってもいいのかなどとお尋ねいただく方もいますが、体調に問題がなければ今までの日常生活の7割程度の活動でしたら構いません。あれもこれも駄目などと考えてあまり神経質になりすぎず、おおらかな気持ちで妊娠生活を送ってほしいです。患者さんが妊娠生活を楽しく送るためのバックアップにスタッフ一同努めておりますので、安心して出産に備えていただきたいです。