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宇藤 悠 院長の独自取材記事

宇藤内科医院

(川崎市中原区/元住吉駅)

最終更新日:2024/09/11

宇藤悠院長 宇藤内科医院 main

最寄りは元住吉駅と平間駅、武蔵小杉駅からもバスで10分ほどの住宅街にたたずむ「宇藤内科医院」。1950年代に開業し、地域に貢献し続けてきた。そして2024年春、このクリニックを継承したのが3代目にあたる宇藤悠院長だ。あくまでも地域のホームドクターとしてのスタンスは変えないまま、新たに院長の専門分野である消化器内科診療に対応できるようになった。「当院は地元に密着した、いわゆる昔ながらのクリニックです。祖父と両親が築いてきた良い点はしっかり残し、これまで以上に患者さんの利便性を上げていければと考えています」と語る宇藤院長。適切な言葉を選びながら落ち着いて語る口調から誠実な人柄がにじみ出る。そんな院長に、診療へのこだわりや自身の代でめざすところについて話を聞いた。

(取材日2024年8月5日)

地域に70年根づくクリニックを3代目が継承

2024年春にこのクリニックを継承されるまではどのようなキャリアを積まれてきたのですか?

宇藤悠院長 宇藤内科医院1

昭和大学を卒業し、同大学横浜市北部病院に臨床研修で入りまして、そのまま内科の消化器・化学療法チームに入局しました。腎臓内科疾患から神経内科疾患まで幅広く診ることのできる科で7年ほど経験を積み、その後、済生会神奈川県病院に移って、一般内科・消化器内科の診療を行った後に、2021年に横浜市青葉区にあるファミリークリニックあざみ野に常勤医として移りました。そのタイミングからこの宇藤内科医院でも週2回程度、非常勤で診察を行って、2024年から院長に就任しました。医師になって以降、いずれはこのクリニックを継承すると考えていましたので、前職のクリニックに入ったのも、いわゆる「病院」と「診療所」の違いをしっかり身につけようと考えてのことでした。来られる患者さんはもちろん診療の仕方も違いますし、自分のクリニックの場合、いかに皆さんに認知していただいて定着していただくかという点も学びたいなと考えたんです。

実際に違いを感じられたのはどのような点でしたか?

大学病院とは違って紹介状なくどなたでも来院いただけますので、何かあればすぐ来ていただけますし、まさに「何でも相談しに来られる」というのが、町のクリニックのいい点だなと実感していますね。内科の中でも自分は消化器が専門ですが、それとは関係なく、当院には幅広い主訴の患者さんがいらっしゃいます。いわゆる普通の風邪をはじめ何かしらの体調不良、メンタル面でのお悩み、皮膚のかぶれ症状など、日常的なトラブルやお悩みに幅広く対応しています。医師側としてもそうした多様な患者さんに向き合うには幅広い知識が必要だと痛感しています。

これまで大規模病院で研鑽されたことで、今役立っていることは何でしょうか?

宇藤悠院長 宇藤内科医院2

大規模病院の大きな特徴は、それぞれの症状に関しての専門家がいるという点です。より専門的で高度な医療を提供することが大きな病院の役割だと思います。僕自身、消化器内科を専門に診察してきましたし、一方で幅広い診察も経験していますので、このクリニックに来られる患者さんに関しても症状に応じた迅速な振り分けができるという自負があります。当院で治療できるレベルの症状と、しかるべき適切な医療機関にお任せすべき症状の見極めを精度高く素早く行うことができるのが、当院の強みです。もちろん、宇藤内科医院として昔から連携を図っている病院もありますので、気になる点がありましたら、まずご相談いただければと思っています。

消化器内科の診察を開始。内視鏡検査にも力を注ぐ

消化器内科の診察はどのようなことを行っているのでしょうか。

宇藤悠院長 宇藤内科医院3

一般的な診察に加えて胃カメラ(胃内視鏡検査)などにも対応しています。今後はさらに内視鏡検査にも力を入れようと考えています。内視鏡検査は内科の中でも技術を要するもので、私も大学病院や市中病院では研鑽を積んできました。内視鏡検査は、普段見ることのできない患者さんの体の中の様子を外からリアルタイムにモニタリングできるのが、医師にとっての最大のメリットです。患者さんにとっては、体への負担が比較的小さく検査を受けることができ、重大な疾病の早期発見にもつながるのがいい点だと考えています。当院では今後、大腸カメラ(大腸内視鏡検査)も取り入れることを検討しようと思っています。現状、診察して、内視鏡検査をしたほうがいいと判断した場合、胃カメラであれば当院で迅速に検査できますし、仮に大腸カメラが必要だと判断すれば、近くの関東労災病院などに紹介状を書いて行っていただくかたちになります。

院長になられて、クリニックを変えていきたいという思いなどはおありですか?

私が院長になったことで、変えていきたいと考えている部分もあるのですが、これまで70年もこの町で患者さんに向き合ってきましたし、父が院長の時代から副院長として診察してきた母も今バリバリ現役で勤務しています。私も以前から非常勤で診察していましたので、当院の雰囲気はよくわかっています。ですので、変化のアクションに関しても、急激に行うのは当院にはそぐわないのでないかと考えています。

なるほど、先生ご自身、こちらが地元でいらっしゃるんですものね。

宇藤悠院長 宇藤内科医院4

ええ、今の当院の建物は僕が中学時代にできたもので、ここからずっと学校にも通っていました。僕自身、患者さんとご近所さんですし、患者さんのご家族とも距離が近いのが当院の長所だと考えています。当院が親子2代、3代で診療を行っているのと同様に、2代、3代にわたって来院いただいている患者さんもいらっしゃって、父や母が対応してきた患者さんを今僕が受け持っていることも。患者さん同士がお知り合いというケースもたくさんあります。そうした和やかで良い部分は変えることなく、でも、例えばこれまでお支払いが現金のみだった点やホームページすら作っていなかった点などに関しては、アップデートしています。患者さんの利便性を高めるために変化を加えていこうと考えていますので、世代交代しても皆さんを戸惑わせることはないのではと思っています。

患者が共感し、継続できる治療をめざす

来院される患者さんの主訴はどのようなものが多いですか?

宇藤悠院長 宇藤内科医院5

初診の方は風邪や健康診断で引っかかったため、など主訴はさまざまです。定期的に来院される患者さんは、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症を中心とした生活習慣病の方が圧倒的に多いです。患者さんとは長いお付き合いになることが多いので、常に気を配っているのは、「患者さんの意思を尊重する」という点です。生活習慣病の多くは、具体的に症状がないのが特徴です。ただ放置しておくと将来的に弊害が出る。大切なのは、いかに患者さんに共感してもらえるか。ご自身で納得して、「治そう」という意志がないと、治療途中でドロップアウトしてしまいやすいんです。ですから僕たちは現状と将来のリスクをきちんと説明し、薬を飲むのか、まずは生活習慣の改善を試みるのか、いくつか選択肢を提示した上で、最終的にはご本人に決断してもらうという方針を取っています。もちろん、すぐに治療が必要な場合は、治療の必要性を強く訴えることもあります。

必ずしも薬に頼るわけではないのですね。

「生活習慣病」はまさにその名のとおり、日常生活の積み重ねの中で少しずつ悪化していくものです。ですからまずは患者さんの話をしっかり聞いて、そこに原因がないかを見極めます。祖父の代から、「むやみに薬に頼らない」というのが当院のポリシーなんです。生活の中で改善すべき点を見つけて、そこを正していくことをお勧めしています。ただでさえ、今、複数の薬を併用するポリファーマシーが問題視されていますし、なるべく薬を使わないほうが、患者さん自身の「治ろうとする力」も高まっていくと僕は考えています。

最後に今後のビジョンと地元の皆さんへのメッセージをお願いします。

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今後ウェブ予約なども導入していければと思っていますが、当院は現状、予約制ではないので、直接来院される患者さんは受け入れ続けます。ですので、思い立ったら来てください。若い方でも普段からの健康管理は大切ですので、ちょっとでも気になる点がありましたら、目立った症状がなくても来ていただけるといいですね。今後も地域のかかりつけ医の立場を維持しつつ、さらに、消化器内科としての専門性も発揮しながら地域貢献していければと思います。

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