加塩 大輔 院長の独自取材記事
かしお歯科医院
(北九州市門司区/門司港駅)
最終更新日:2024/01/10

JR鹿児島本線・門司港駅から車で5分ほどの場所にある「かしお歯科院」は、2004年開業。門司区出身の加塩大輔院長が、虫歯や歯周病といった一般歯科治療のほか、補綴物の作製・修理や、ホワイトニング、セラミック治療などの審美歯科に対応している。開業当時から、高齢者を中心に幅広い世代のかかりつけ医として診療を続けてきた同院。加塩院長が大切にしているのは、丁寧な診察と迅速な処置で生活への負担を少しでも減らすことだ。常に患者の希望に耳を傾け、本当に必要とする治療を提案するというスタイルを貫いている。外来診療に加えて訪問診療も行いながら地域住民の歯の健康を守る加塩院長に、クリニックの診療方針や地域に対する思いなどじっくり話を聞いた。
(取材日2023年11月30日)
地域の家族3世代が通う歯のかかりつけ医
歯科医師をめざしたきっかけや、開業までの経歴について教えてください。

実は、初めから歯科医師になりたかったわけではないんです。高校時代の成績から自分の進める道を探した結果、歯科医師にたどり着いたという形です。そんな始まりではありましたが、九州歯科大学で学ぶ中で患者さんの痛みや腫れといった症状に対して、すぐに治療で改善を試みられる部分にやりがいを感じ、本気で歯科医師をめざすようになりました。大学卒業後は、南区のクリニックで5年半、代診として働きながらいろいろな経験をさせてもらいました。患者さんの主訴を第一に取り除くことに重きを置いたクリニックで、患者さんとの上手なコミュニケーション方法や、本当に望んでいることを引き出す方法などを院長や先輩の先生方から学ぶことができました。このスタイルは、当院の診療方針にも共通する部分になります。
どのような患者さんがいらっしゃっていますか?
子どもから働き世代、高齢の方まで、この周辺にお住まいの方に通っていただいています。開業して20年近くになりますので、親子や家族3世代でかかりつけ医としてくださっている患者さんも少なくありません。地域柄、高齢の方が中心で全体の7割から8割を占めています。そのため、入れ歯に関する相談や、歯が動く、歯茎が腫れるといった歯周病に伴う症状での受診が多い傾向にあります。特に歯周病に関しては、新型コロナウイルスが流行した影響でこの2~3年受診を控えていたという方からのご相談が多くなっている印象です。また、高齢の方に比べるとお子さんの数は少なめですが、虫歯の治療目的で来院される患者さんや2ヵ月に1回の定期検診で来院される患者さんが多いです。歯が生え替わる中学生くらいの時期までは、なるべく虫歯ができないようケアすることに力を入れています。
訪問歯科診療にも取り組んでいるそうですね。

年齢やご病気でクリニックに通えなくなった方にも、引き続き治療を受けてもらいたいという思いで10年ほど前から訪問診療を始めました。きっかけは、「入院していて、移動が難しい方の処置をお願いできますか?」と相談を受けたのが最初でした。今は歯科医師会や地域の介護士を通じて紹介された病院や施設、個人のご自宅へ伺っています。毎週木曜日が訪問診療の日となっていて、そのほか昼休みなどの時間も使いクリニックから車で行ける範囲であればできるだけ伺うようにしています。訪問診療においても、できるだけ少ない回数で治療するというのは心がけていることです。歯のかかりつけ医として、患者さんの一生を通じて診ていけたらと考えています。
痛みを素早く取り除き、患者の負担を減らすことに尽力
こちらの歯科診療の特徴を教えてください。

歯に関する幅広い悩みに対応しており、来院目的である患者さんの主訴への処置をできるだけ早く終わらせられるよう努めているところです。歯が痛くて何が困るかって、食事が思ったようにできなかったり、仕事に集中できなかったりとやっぱり日常生活への影響なんですよね。素早い処置のためには、いかに早く原因を突き止めるかが重要になってきます。原因がはっきりすれば、自然とアプローチ方法も決まってきます。診察とエックス線による画像診断で原因を探り、1回目から2回目の治療で症状を落ち着けてあげられるのが理想です。治療中に他の問題や気になる箇所が見つかった場合には、どこまで治療を行うかを患者さんと話し合って決めていきます。
入れ歯については、どのような相談が多いのでしょうか?
入れ歯が合わずに痛い、緩んですぐ外れてしまう、壊れてしまったなどさまざまな相談が寄せられます。初めはぴったりはまっていても、年齢を重ねるにつれて歯や歯茎も変化しますから、緩んだり変に力がかかって壊れたりというのはよくあることです。こうした場合、修理や作り替えという形で対応します。これに関してはこれまでいろいろなお口の入れ歯を作って来たので、診療内容の中でも得意とする部分です。入れ歯は食事をはじめ生活に直結する重要な器具ですから、希望に応じて仮歯を作って一時的な処置をするなど、やはり患者さんができるだけ生活一般に不便を感じないようにすることが大切だと考えています。また、作り替えとなった際には、なぜ作り替える必要があるのかを丁寧に説明するようにしています。
診療の際、大切にしているのはどのようなことですか?

患者さんの話をじっくり聞くということ、そして、こちら側が口の中から得た情報をいかにわかりやすくお伝えするかということです。お互いの考えをきちんとすり合わせをした上で治療方針をお伝えし、ご本人が納得した上で治療をスタートしたいと思っています。それから、治療にあたって患者さんの生活に寄り添うことを心がけています。特に中学生や高校生が来ると、まずは学校の行事や部活動について話を聞くようにしています。せっかく治療を始めても、途中で1ヵ月以上期間が空いてしまっては状況がさらに悪くなってしまいますので、そうした事態はできるだけ避けたいと考えています。忙しくなりそうなのであれば、とりあえずその時にできる処置をして、時間がある時に来てもらったほうが患者さんのモチベーションにもなりますからね。働き世代の方も同様で、お仕事やプライべートの予定に配慮しながら無理のない治療計画を提案するようにしています。
地域の子どもたちに、歯の健康の重要性を発信していく
今後、力を入れたいことはありますか?

所属する北九州市歯科医師会では子どもや学校に関する分野を担当しており、幼稚園や小学校低学年の頃からクリニックに通う習慣や、正しいブラッシングを身につけてもらうことも歯科医師の重要な役割だと思っています。ただ、どんなに小さな時からクリニックに通っていても、中学校に上がると部活や勉強でどうしても足が遠のきがちになってしまうんですよね。小学校での歯科検診に行くと子どもの虫歯は減ってきてはいるものの、中には虫歯になりやすい子もいると思うので、良い状態のお子さんも引き続き健康な口でいられるよう、半年に1回でもいいので定期的にクリニックを受診する大切さを伝えていければと考えています。
趣味やリフレッシュ方法があれば教えてください。
診療後のランニングが日課です。もともとラグビーをしていましたが、仕事を始めてからというものなかなか運動する機会がなくなってしまって。40歳くらいから健康のために始めたのですが、とてもいいリフレッシュになっています。距離としては、毎日5キロくらい。過去には北九州マラソンや門司港レトロマラソンにも参加しました。個人的には門司港レトロから和布刈(めかり)方面へ、景色を楽しみながら走るコースがお勧めです。
最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

当院は、歯に関する悩みを気軽に相談できるクリニックをめざして、立ち寄りやすい雰囲気を大切にしています。当院での治療を通して、クリニックに対する「痛い」や「怖い」といったイメージを払拭してもらい、ご自身の歯への関心を高めてもらうのが私たちの目標です。特に痛みに関しては、丁寧な麻酔と抜歯の際など傷痕を小さくすることをめざし、患者さんの痛みを少しでも抑えられるよう努めています。門司区でクリニックを探している方や、歯に関して困っている方がいましたら、電話でも構いませんのでいつでも相談してください。
自由診療費用の目安
自由診療とはホームホワイトニング(上下)/2万円~、ホームホワイトニング(片側)/1万円~、セラミック治療/7万円~