三嶋 まり子 副院長の独自取材記事
むらつ歯科クリニック
(福岡市博多区/博多駅)
最終更新日:2021/10/12

博多駅より徒歩5分という利便性に富んだ場所にあるビル一棟まるごと自由診療専門歯科医院の「むらつ歯科クリニック」。1993年に開院し、2016年より、村津大地先生が2代目理事長として幅広い診療を展開している。同院では「歯は大切な体の一部であり、命とつながる大切な臓器である」という視座に立った「歯臓(はぞう)治療」を実践。患者は九州のみならず、全国さらには海外からも訪れるそうで、多種多様なニーズに応えるべく治療台を28台設置、こまやかで充実した治療をめざし提供している。かみ合わせ治療も得意としており、数多くのスポーツ選手のサポートもしている。そんな同院で副院長として先進治療を行う三嶋まり子先生に、クリニックの特徴やこだわりについて語ってもらった。
(取材日2020年8月17日)
審美歯科とマイクロスコープを用いた治療に力を注ぐ
先進治療をご担当とのことですが、先生のことや診療について教えてください。

私は現理事長の姉で、先代は父になります。幼少期から「歯は臓器」という言葉とともに成長し、父の背中を追って歯科医師となりました。もともと、大学病院の小児歯科の勤務医でしたが、当時忙しくなっていた父を助けるため2008年に就職しました。当院を頼って来られる患者さんに満足していただける治療を提供するため、必死でトレーニングしました。そのため、今でも新しい治療への興味が強く、勉強会に通い続けています。担当は、審美歯科やマイクロスコープを用いた精密治療、歯周病の歯周組織再生療法などです。もちろん一般治療も行っていますが、他にも複数歯科医師が在籍しており、各得意分野を連携しながらチーム医療を体現しています。何よりも私自身が受けたいと思える治療を患者さんに提供できるため、日々やりがいを感じています。
全国から患者が来られる理由はどんなところでしょうか。
その理由は「歯は臓器」という言葉に集約されています。「歯は単にかむための道具ではなく、体の大切な一部であり、重要な器官である」先代理事長がこの言葉を提唱し出したのは30年以上昔のことです。開業当時から多くのこだわりを持っていますので代表的なものを紹介します。まずは歯科材料。口は消化器の入り口で、飲み込んだものを体に吸収します。治療で使う材料は安全と思えるものを選別し、さらに患者さんごとに使い分けます。また、ユニットが28台あるのでチェアタイムを気にせず、納得いくまで相談や、丁寧な治療を提供できます。そして、かみ合わせ治療。歯の当たり方を全身のバランスを考慮しながら調整していきます。スポーツ選手も多数サポートしています。
審美歯科とマイクロスコープを用いた治療についてお聞かせください。

一般的に審美歯科診療とは歯を美しい色と形にするための診療ですが、当院は自由診療専門ということもあり、基本的にすべての患者さんに提供しています。必ずしも白い歯を入れるわけではなく、その方に合わせた最良のものを提供できるよう衛生士、歯科技工士とともに連携して行っております。場合によっては、矯正治療や歯周外科処置も合わせて、全体をきれいにすることもあります。マイクロスコープを用いた治療は、肉眼では確認できない歯の根管や亀裂などを、拡大して直接診ることができます。当院で再治療を行ったことで痛みに対処できたケースや、原因不明の痛みでずっと悩まれていた歯をマイクロスコープで拡大すると、歯に亀裂が入っていたのがわかったケースなど、治療の質がマイクロスコープを使うことで格段に上がることを感じています。
歯だけではなく、体全体を視野に入れた治療を
自由診療でも治療を受けたいというのは、患者さんの歯に対する関心の高さが感じられます。

ありがたいことに当院は、長年多くの患者さんにお越しいただいております。保険診療が決して悪いわけではないですが、ルールがたくさん定められており、「歯は臓器」であるという観点から歯科治療を行う際に保険診療では限界がありました。本当に必要な治療を提供するために、オーダーメイドの治療計画を作成し、来院回数を少なく、かつ質の高い診療を行うことを心がけています。朝から夕方まで集中治療する方も多くおられますし、来院される患者さんは歯に対する意識が非常に高く、口の中に入れるものは体に良いものをとお考えの方が多いのを感じます。歯も臓器の一部だと思えば当たり前のことなのかもしれません。そのことをもっと多くの方々に知ってもらいたいと思っています。
子育てがお忙しい中勉強会にも熱心に参加されているとか。
2児の母としても毎日慌ただしく走り回っています。週末は県内外での勉強会への参加が多いですが、子どもも理解してくれていて、「勉強頑張ってね」と笑顔で送り出してくれるんです。子どもたちには寂しい思いもさせていますが、親の一生懸命な姿を見せることで、今後にもつながるとうれしいです。ありがたいことに、周りには尊敬する先生が多くおり、そういう先生方と接していると歯科医師にとって勉強に終わりはない、とつくづく感じますし、歯科界も日々技術や材料が進化しており、私自身も置いてかれないように必死についていこうとしています。その活力は、患者さんに喜んでもらえる治療をしたいという思いです。
県外や海外から来院される患者さんも多いと聞きしました。

患者さんの半数以上が県外からの方です。全国から患者さんが来院され、海外はアメリカやヨーロッパ、中国などから治療のために訪日する方もいらっしゃいます。遠方の方は基本的に宿泊され、まとめて治療をされる方が多いです。当院には技工用の機械も完備していますので、短期集中治療にも対応しています。限られた時間で治療をしたいという希望にお応えするため、一人の患者さんに朝からお昼休憩を挟んで夕方まで治療をする場合もあります。このように一人の患者さんに同じ歯科医師とスタッフがつきっきりになることが多いため、スタッフは総勢40人、診療ユニットも28台完備し、充実の体制で患者さんの治療にあたっています。
健康な体であることが人生の豊かさにつながる
1日かけて、短期集中治療が可能になるわけですね。

そうです。連泊の集中治療で来られた際は、初日に歯の型採り、技工士がすぐに作製し、翌日にできあがったかぶせ物をつけます。その間、他の歯の治療も可能です。一日がかりで治療を行いますので、費用はかかりますが凝縮して行えるので喜んでいただいています。時間がない中で、より良い治療を求めている方には特にお勧めです。集中治療でも患者さんと相談し色や形を決め、満足いくものを作らせていただきます。新しい補綴物を入れたら当たり方の調整を行い、常にベストなかみ合わせを維持するように心がけています。これもすべて、歯科医師、衛生士、技工士との連携の他、当院の設備力やシステムがあってこそ可能となります。
初診の患者さんはどのようなきっかけで来院されますか?
来院されるきっかけは、ご紹介が非常に多いです。もちろんホームページを見て来院される方もおられますが、遠方から飛行機や鉄道に乗って、治療を受けに行くというのは、どうしてもホームページだけでは決められませんよね。私自身そうですが、家族や知り合い、信頼している方から紹介されると、「この人が勧めるのなら間違いない、行ってみよう!」という気になります。多くの患者さんがご満足くださり、特徴やこだわりに共感してくださっているからこそのご紹介だと思ってます。これからも、「むらつ歯科クリニックなら安心して治療を受けられる」と言っていただけるよう、来られた方の期待にお応えできるよう、当院にしかできないオンリーワンの質の高い治療を提供し続けるべく日々取り組んでいます。
最後に今後の展望についてお聞かせください。

「歯は臓器、歯があるのが当たり前の社会をつくりたい」というのが父の口癖でした。昔に比べると虫歯は減り、高齢者の残存歯数も増えました。歯があるのが当たり前の社会が目前となり、歯科医師として今後どのような形でお役に立てるのか、考え直す岐路が迫っていると思います。全国から来院される方全員が歯の悩みを主訴としているわけではありません。俗に言う不定愁訴と呼ばれる悩みを抱える方もおられます。当院ではこのような問題も歯科医療を通してサポートしてきました。これからも、ご来院くださる患者さんに対して、治療を通して「いつまでも健康で若々しく」人生に喜びを感じていただけるような、患者さんから本当に必要とされるクリニックであり続けたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/前歯部52万8000円、臼歯部49万5000円
セラミック治療/インレー6万500円~、かぶせ物9万9000円~
矯正歯科/ブラケット矯正94万6000円、マウスピース型の装置を用いた矯正105万6000円、小児矯正55万円
噛み合わせ治療/小児6万6000円、成人9万2950円
マイクロスコープを用いた精密根管治療/5万5000円
歯周組織再生療法/7万1500円
ホワイトニング/1回1万6500円