白石 龍太郎 副院長の独自取材記事
小倉ステーション歯科
(北九州市小倉北区/小倉駅)
最終更新日:2024/08/20

小倉駅に直結する商業施設7階にある「小倉ステーション歯科」。利便性の良い立地に加え、平日と土曜日は午後9時まで、祝日は午後5時までという診療時間の長さで、特に会社勤めの人や学生が多く受診する歯科医院だ。ここで2011年から副院長を務めているのが、白石龍太郎先生。虫歯や歯周病、親知らずの抜歯など一般歯科の保険診療をベースとして、インプラント治療や審美面に配慮した診療などの自由診療にも取り組んでいる。「お仕事帰りや買い物ついでに定期的にメンテナンスに通っていただき、患者さんの歯に対する意識を高められるようなクリニックでありたい」と予防歯科にも注力する。安易に断定した言い方はしない真摯な受け答えが印象的な白石先生に、これまでの経歴から診療ポリシーまでさまざまな話を聞いた。
(取材日2021年12月1日)
平日と土曜は午後9時まで診療を行い、予防歯科に注力
どのような患者さんが多く来られていますか。

20~60代の方がメインで、お仕事の行き帰りに寄って行かれる方がほとんどですね。なので夜の時間帯のほうが忙しいです。最初は虫歯などで痛みを訴えて来られて、その後定期的にメンテナンスに通われる方も多いですが、治療が終わったらもう来なくなってしまう方も。そして数年後にまた大きな虫歯ができて、痛い痛いと言って来院されるケースもあります。皆さん痛いのは嫌いでしょうし、歯医者に来るのも面倒だというのもよくわかります。しかしこれまでいろんな患者さんを見てきましたが、どこも痛くなくても定期的に歯科でチェックやメンテナンスを受けているほうが、結果的に負担が少なくてお金も余計にかからないんですよ。虫歯でも歯周病でも早め早めに対処しておけば、痛みが強く出たり、何度も治療に通ったり、難しい治療をしたり、歯を失ったりといった大事になるのを防いでいけますからね。
治療が終わったら来なくなる、そんな患者さんにはどういう対応を心がけていますか。
人の心をつかむのは難しいと、いつも思います。治療が終わったらぱったり通院をやめて、また痛くなったら治療して……これを繰り返す方が多いですね。私たち歯科医師は根気よく、年月をかけて、メンテナンスの重要性をお話ししていくしかないと思っています。特に45歳では過半数の方が歯周に何かしらの問題を抱えているといわれ、歯周病の自覚症状が出てから治療を始めたのでは遅いというのが正直なところなんです。メンテナンスを受け続けているのといないのとでは、将来大きな差が出ます。口の中の状態によって、1ヵ月に1回から半年に1回まで通院頻度はさまざまですが、歯科医院での虫歯や歯周病のチェック、歯石取りなどのクリーニングを定期的に受け、自宅で適切な歯磨きを続けることはとても大切。患者さんのモチベーションを上げて、歯に対する意識を高めていただけるような診療に努めたいと思います。
診療において一番大事にしていることは何ですか。

レントゲンや説明ツールを使ったりしながらわかりやすく現状をご説明し、治療方法に選択肢があれば、保険診療であれ自由診療であれ同じ熱量で、メリットとデメリットをしっかり提示することです。重点を置くポイントは人それぞれですから、患者さんが納得された上で治療をスタートすることを何より大事にしています。最近は、ご自分の症状をインターネットで調べてから来られる方も多いですが、うのみにしてはいけない情報が混じっていることも。歯のことをもっと正確に知っていただくために、私たちも説明を尽くしたいと思います。
全身管理やインプラント治療など幅広く研鑽
先生の、これまでの経歴を聞かせてください。

私は北九州市の出身です。歯科医師になったのは、やはり歯科医師である父の影響が大きかったと思います。今でもよく覚えているのが、私が5歳くらいの頃のこと。幼稚園の水道の蛇口で口を強く打ってしまって、痛いし、血は出るし、腫れてくるしで早退したんです。すぐに父に診てもらうと、不安でたまらなかった気持ちが一気に安心感に変わりました。歯科医師ってすごい仕事だなと強烈に思ったこの出来事が、私のその後を決めたような気がします。日本歯科大学に進学し、卒業後は東京医科大学歯科口腔外科の医局に4年間勤務。難しい抜歯をしたり手術に立ち会ったり、口腔がん患者の術後管理にあたったり、医師に混じって救命救急に入ったりと、多くの経験を積んできました。
医局で研鑽を積もうと考えたのには、何か理由があったのですか。
全身管理について学びたかったのが一番大きな理由です。大学を卒業した当時は、人の体を触るのがとても不安で。歯については散々学びましたが、そもそも人の体ってどうなっているのか、もっと全体を把握した上で実際の診療にあたりたいと考えました。歯科診療の場でアナフィラキシーショックが起こることはとてもまれですが、ゼロではありません。医局でそういう現場を経験し、初動の重要性を知ることができたのは大きかったですね。診療の場でもし何かあった時でも、患者さんの状態を冷静に判断することができるという自信を得て、楽な気持ちで診療に臨めるようになりました。その後さらに九州歯科大学の院生として口腔再建リハビリテーション学分野というインプラントを行うところで研鑽を積んだ後、2011年から当院で診療に携わっています。
インプラントの腕も磨かれたのですね。

大学院ではインプラント治療が専門だったので、当院でも積極的に組んでいこうと思っていたのですが、この10年、そんなに簡単な話ではないことを学んだ気がします。インプラントは歯を失った時の対処法としてメリットの大きい良いものですが、人工物なので天然歯には勝てないんです。インプラントは入れたら終わりなのではなく、その後のメンテナンスが必須。高額だから良いものだと思って治療後のメンテナンスを重視しない方もいらっしゃるのですが、それではすぐに駄目になってしまいます。歯に対する意識の高い、それこそ自分の歯以上に手間をかけて大事にしてくれる方に、インプラントは向いていると思うんです。最近はある意味、こちら側も患者さんを選んでいるような気がします。口の中をご自分でしっかり管理できる方にはもちろん、インプラントをご提案していきたいですね。
定期的なメンテナンスの重要性を根気よく伝え続けたい
診療の特色、得意分野を教えてください。

当院では虫歯や歯周病治療、歯の中の神経を治療する根管治療、予防歯科、入れ歯や義歯などの保険診療のほか、インプラント治療やセラミック治療などの自由診療にも取り組んでいます。マイクロスコープという歯科用顕微鏡やルーペを使いながら、より精密な治療を追求。特に、とても狭く複雑に入り組んだ形をしている根管の治療ではマイクロスコープの使用は必須だと考えています。また私は口腔外科出身ということもあって、親知らずを抜くのも得意なんですよ。事前にCTを撮影し、骨や神経などの位置を3次元で確認。下の歯を抜く場合は特に骨の中の神経の位置を確認するのは大事なことですし、歯の形態がはっきりわかるので抜くイメージもしやすいんです。
スタッフさんとはどういった連携を取られていますか?
スタッフ間でよく話しているのは、患者さんがほっと落ち着けるような明るい雰囲気を大切にしようということ。日頃からコミュニケーションをしっかり取っていくことはもちろん、月1回は全体ミーティングを行って、情報共有しています。診療は予約制です。特に夜間は予約が取りづらくなっていますので、早めにご連絡ください。
最後に、読者へメッセージをいただけますか。

虫歯や歯周病などで歯を失ったシニア世代の方が、若い頃からもっと歯を大事にすればよかったと後悔される姿をたくさん見てきました。当院の患者さんには、そんな思いをさせたくない。自分の歯で生涯食事ができるように、患者さんの歯に対する意識を上げていきたいというのが私の願いです。まだまだ説明が足りず、思いがうまく伝わらないこともあるかもしれませんが、何度でも、根気よく、お話ししていきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/44万円~、セラミックのかぶせ物/4万4000円~