井田病院

増田 純一病院長

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緑に囲まれた小高い丘の上に建つ「井田病院」は、1949年の開設以来、長きにわたって地域医療の中核的役割を果たしてきた。空気の良い穏やかな周辺環境から、もともと結核専門の療養病院だったこともうなずける。結核を専門としながら、一般診療科を徐々に増やし、病院の再編整備を行って総合病院への道を歩んできた。神奈川県内でも結核病床を有する病院は数少ないが、現在でも40床を持つ希少な同院。完治した結核患者であっても肺の機能障害が長引くことが多かったことから、在宅医療へとスムーズに繋ぐ緩和ケアを独自の形で進めてきた。その歴史が同院の特色である緩和ケア医療の充実に結びついている。地域がん診療連携拠点病院、二次救急医療など多くの機能を持つ同院に2016年の4月、院長として就任した麻酔科が専門の増田純一院長。同院の持つ温かなケアの心を象徴するような穏やかで優しい人柄が伝わってくる増田院長に、緩和ケア診療についてや今後の展望など詳しい話を聞いた。
(取材日2016年12月1日)

緩和ケア医療の先端機能を有する中核病院

―病院の歴史と特色を教えてください。

川崎市中央部に位置する当院は、1949年、50床の病床を持つ結核専門の病院として開設されました。結核という病気そのものは完治しても、肺に機能障害が残る方が非常に多く、そのような方に必要な治療を継続していくという流れの中で、緩和ケア医療の充実が図られてきました。現在も川崎市内で、40床の結核病床を有していますし、1998年には20床の緩和ケア病棟が発足し、現在では23床の全個室を完備しています。1960年代頃から徐々に診療科目を増やし、35科目383床の地域中核病院として現在に至ります。2015年には、地下1階から7階までの新棟が完成し、非常にスムーズな救急医療を行える体制が整いました。市民病院として二次救急医療を提供するほか、地域がん診療連携拠点病院としてがんの予防から診断、治療、緩和、在宅医療に至るまで、切れ目のないがん診療の充実に力を入れているなど、多様なニーズに対応しています。

―結核の療養病院であったことが緩和ケア医療の原点なのですね。

病院再編整備の際に、結核の専門病院であることを生かし呼吸器科、循環器科に特化した専門病院ではなく、現在の総合病院としての道を進みました。いわゆる一般的な総合病院になったかというと、そこはやはり結核の専門病院であったことから、1985年頃の早い時期から入院と在宅をシームレスで診るような病院の部門を設置し、在宅支援も行ってきました。当院の敷地内にある「かわさき総合ケアセンター」では、緩和ケア、高齢者ケア、在宅ケアを地域連携で行うための保健、医療、福祉のサービスを提供しているのですが、緩和ケア病棟、在宅ケア・医療相談部門、がん相談支援センターは当院が担っています。結核の療養所であったことが、がん患者の終末期ケア、在宅医療支援、緩和ケア医療の先進的な取り組みへと繋がっており、今も昔からの優しい医療、看護が当院にはあると思いますね。患者さんからの投書にも感謝を伝えてくださる内容が多いと感じています。

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