正しい噛み合わせへの意識が
歯科疾患の予防にもつながる
小寺歯科
(中央区/馬喰横山駅)
最終更新日:2025/02/14


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東京メトロ日比谷線・小伝馬町駅やJR総武本線・馬喰町駅、都営新宿線・馬喰横山駅、都営浅草線・東日本橋駅から徒歩圏内にある「小寺歯科」。同院は2025年に開業38年を迎える地域に根差した歯科医院だ。小寺健之(たけゆき)院長は、これまでに積み重ねてきた経験と技術で一般歯科から審美歯科、インプラント治療まで、幅広い診療を1人でこなす。小寺院長は、噛み合わせの悪さがさまざまな歯科疾患・症状の原因になり得ると警鐘を鳴らす。「噛み合わせのずれが、歯周病の原因になるケースもあるんですよ」と語る小寺院長に、噛み合わせによって起こる歯科疾患・症状や、日々の生活で注意すべきポイントを聞いた。
(取材日2025年1月15日)
目次
噛み合わせのずれによる歯根膜へのダメージによって、歯周病や知覚過敏が起こるケースも
- Q歯科の三大疾患の一つとされる歯周病について教えてください。
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A
▲一人ひとりに合わせた診療を心がける
歯周病は、炎症によって歯を支えている骨、つまり歯槽骨が溶けてしまう病気です。通常、「歯根」と呼ばれる歯の根は1cmほどの長さがありますが、歯周病になると徐々に骨が溶けてしまいます。歯根が7mmくらいの長さまで溶けると歯が揺れ始め、そこで初めて症状に気づくという患者さんも多いです。6mmまで短くなってしまうとそこからの進行は早く、放置し悪化した場合、最終的には歯が抜けてしまうといったケースもあります。特に虫歯などで神経を抜いてしまった歯は、進行のスピードが早くなりがちです。また、歯周病菌の好物は血液とタンパク質で、酸素には弱い特徴があるのでそれらを理解して治療しています。
- Q歯周病の原因は何が考えられますか?
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A
▲噛み合わせの悪さがさまざまな歯科疾患・症状の原因になり得る
歯周病の主な原因として、プラーク(歯垢)と噛み合わせの悪さが挙げられます。また、歯に食べかすが詰まった状態が続くと、それも歯周病の原因になります。歯周病は「歯周ポケット」と呼ばれる歯と歯茎の隙間部分に歯垢がたまり、歯根膜がダメージを受けて、炎症が起こります。歯根膜には歯を骨に密着させるバネの役割があり、歯根膜にダメージが蓄積されるとそのバネがゆるみ、歯がぐらついてしまうという仕組みです。さらに、噛み合わせが悪いと歯にかかる力が不均等になり、これも歯根膜へのダメージにつながります。歯根膜の破壊から歯周病は始まっていくため、日々の生活でいかに歯根膜をダメージから守るかという点が重要になります。
- Q噛み合わせの影響が大きく関わってくるんですね。
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A
▲幅広い診療を1人でこなす小寺院長
そうですね。歯は垂直よりも横の動きに弱いため、歯ぎしりも歯を傷める大きな原因となります。また、噛み合わせが悪い状態が続き、顎関節症になってしまうケースもしばしば見られます。正しい噛み合わせとは、物を噛む時にそれぞれの歯に均等に力がかかる状態を指します。歯が欠けたり、詰め物をしたりすると、悪くなった歯をかばいながら物を噛もうとしてしまいがちで、どうしても噛み合わせがずれていってしまうことがあるんですね。そうすると、少しずつ全体の歯にダメージがたまっていき、さまざまな疾患や症状を引き起こす原因となってしまいます。正しい噛み合わせを意識することが、歯科疾患の予防にもつながります。
- Q噛み合わせは知覚過敏にも影響するんだとか。
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A
▲審美面・機能面ともに質の高い治療に注力している
噛み合わせの悪さから知覚過敏になる方は多いですね。噛み合わせが悪いと歯茎が下がりやすくなり、歯の根の部分である「象牙質」が露出してしまいます。間違ったブラッシングも象牙質の露出につながり、知覚過敏の原因となります。一度知覚過敏になると自然治癒は難しいです。長期間放置すると感覚が鈍り気にならなくなるため治ったと感じる方もいらっしゃいますが、根本的な解決にはなっていません。知覚過敏に対する主な対処法は、象牙質が露出している部分をプラスチックで覆うか、知覚過敏用のコーティング材で歯の根元を覆うかの2種類です。少しでも痛みを感じたら、なるべく早めに歯科医院に行きましょう。
- Qご自宅や普段の生活で気をつけるべきポイントはありますか?
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A
▲歯科疾患・症状は「早期の対応」が鍵
噛み合わせでいうと、固い食べ物を控える、ストレスをためないなど、生活習慣の意識が大切です。ストレスがたまると人は無意識に歯を食いしばってしまうため、歯根膜のダメージにつながります。歯周病の予防では、毎日のお手入れに歯間ブラシを加えると、歯茎の中の汚れまで落としやすくなるのでお勧めです。歯間ブラシには4S~LLなど多様なサイズがあるので、ご自身の歯と歯茎の隙間に合わせて選びましょう。30代になったら、日々の歯磨きに歯間ブラシを取り入れてほしいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/25万円~、セラミックを用いた補綴治療/8万5000円~