小寺 健之 院長の独自取材記事
小寺歯科
(中央区/馬喰横山駅)
最終更新日:2024/12/04

小伝馬町駅、馬喰町駅、馬喰横山駅、東日本橋駅などから徒歩圏内の好立地にある「小寺歯科」は、2024年で開業37年になる歴史ある歯科医院だ。院長の小寺健之(こでら・たけゆき)先生は、一般歯科や歯周病治療はもちろんのこと、インプラント治療や審美歯科、レーザー装置を使った治療までをすべて一人でこなす。クリニック内は静かな木目が印象的で落ち着きがあり、歯科医院でありながらリラックスできる雰囲気が特徴。遠方から訪れる患者や、長く通う患者も多いという。包容力があり柔和な印象の小寺院長に、開業までの経緯や大切にしていることなど、話を聞いた。
(取材日2024年11月1日)
「社会の役に立ちたい」と歯科医師を志す
歯科医師を志したきっかけについて教えてください。

人助けをしたい、社会の役に立つことをしたい、という思いがあったからです。自分自身のやりがいも求めながら将来を考えた結果、高校2年生の時に「歯科医師になる」と決めました。歯学部で学び、国家試験にも合格し、晴れて歯科医師となったわけですが、実際に患者さんを治療してすぐに、やっていけるか不安になってしまいました。治療する以前に、患者さんの歯を見るところから壁にぶつかってしまったんです。口の中って小さいなと思いました。奥歯や上の歯を見ることすら思ったようにできず「どうしたらいいんだろう……」と不安になりました。これまで大学で勉強してきたものとは全然違う、別世界に放り出されたような感覚で、怖くなりました。今思えば、いわゆる五月病だったのではと思います。
そこからどうされたのですか?
私があまりにも暗かったことを心配したのか、勤めていた歯科医院の院長が食事に誘ってくれたんです。その時に先生から「治療って難しいでしょう」と言われて。「こんなに大変だと思いませんでした」と正直に伝えると、「僕も君くらいの時期はそうだったよ」という答えが返ってきたんです。自分だけが駄目だと思っていたので、一回りも上の先生からそう言われて、気が楽になりました。そこからですね、自信を持って前向きに治療できるようになったのは。あの一言がなかったら、私は今、歯科医師を続けていたかどうかもわかりません。その先生は、激痛を訴えている患者さんの原因がわからず私が途方に暮れていた時もスッと隣に来て分析してくれるなど、たくさん助けてくれました。
開業されてから37年と伺いました。

そうですね。20代で開業したかったので、歯科医師となって最初の歯科医院で4年ほどお世話になった後、29歳で開業しました。勤務していた時とはまったく違う責任感や、すべて自分で判断しなければならないプレッシャーなどもあり大変でしたが、おかげさまで今日まで続けられています。当初は他の歯科医師も在籍していたのですが、26年前からは私1人で診療しています。これまでで印象に残っているのは、1995年前後でレーザー治療を導入したことです。歯茎の腫れや膿みなどの痛みに適応しています。歯周病で歯がグラグラしている症状に対して、レーザーを当てることで軽減がめざせるので、それまでと比べてより迅速で精密な治療ができるようになりました。
「できるだけ抜かない、削らない」治療をめざす
患者さんはどのような年齢層、どのようなご相談が多いのですか?

年齢層も相談内容もさまざまですが、40〜60代の方が多いかもしれません。午前の診療時間は地域の方が多く、午後、特に夕方以降はお勤めの方が増えてきます。交通アクセスが良く、平日は19時まで診療しているので、会社帰りなどでも通いやすいと思います。もともと近くにお勤めだった方が、その後転勤や結婚などを経てもなお継続して来てくれるというパターンも多く、たいへんありがたいです。広島県や京都府、新潟県などから来る方もいますので、可能な限り通院回数が少なくなるように考えて治療しています。ご家族や知人に当院の話をしてくださる患者さんが多いようで、ご夫婦やご家族、知人同士で通っている、なんてことも多いんです。
診療において大切にされていることを教えてください。
「できるだけ抜かない、削らない」をモットーにしています。治療をすれば改善がめざせることは当たり前だと思いますが、最小限の治療でより良い治療後をめざすことが重要だと考えています。そのため、神経を取る治療も可能な限り避けています。神経がなくなると歯が脆くなり、結果的に歯の寿命が短くなってしまうからです。それでも、状態によっては歯を抜いたり神経を取ったりする選択肢しかないケースも考えられます。「もっと早く来てくれれば」と、こちらが悔しくなってしまうような状態にならないよう、患者さんにも早めの受診をお願いできたらと思います。
治療するだけでなく、歯の寿命を伸ばすことにも注力されているのですね。

歯の健康は、体の健康や心の健康につながると考えています。人生100年時代、自分の歯で食べられることは大事です。同時に、自信を持って笑えることも、とても大事ですよね。ホワイトニングや審美歯科はもちろんのこと、一般歯科の治療後でも、患者さんの表情が生き生きするような歯科医院が目標です。当院では、カメラで口の中を撮影し、患者さんにも治療前・後の状態を確認してもらいます。ご自身の口腔内の状態がわかりますし、治療が必要な部分が視覚的に認識できますので、より納得して治療に進んでいただけるのではないでしょうか。私自身も、画像を記録しておくことで経過も把握でき、勉強になります。
地域の健康維持をサポートしたい
パニック障害や歯科恐怖症の方には、どのように対応されていますか?

患者さんが嫌がることや、怖いと思っていることは無理強いしないようにしています。例えば麻酔の注射をする時も、恐怖感の強い方には、一度にすべて注入するのではなく、少し注入したら数十秒から1、2分の間をおいて、患者さんの様子をうかがってから、残りを注入するなどの工夫をしています。特にパニック障害や歯科恐怖症などをお持ちの患者さんの対応について専門的に学んだわけではないのですが、相手の立場に立って不安のないような治療を続けてきました。「小寺先生なら大丈夫」と信頼していただけていたらうれしいですね。
お忙しい中、余暇はどのように過ごされていますか?
当院には基本的に休日がないため、余暇時間というのがあまりないのですが、土日の午後などは仲間と将棋を指していることが多いですね。将棋は小学校2年生の頃に始めて、38歳くらいから本格的に学び始めました。将棋って、現段階までの過程を分析しながら先を読むなど、歯科治療と共通している部分も多いんですよ。もともとそうやって考えることが好きなんでしょうね、最高のリフレッシュになります。コツコツと続けてきて、現在は五段を取得しています。医師や歯科医師を中心とした大会で優勝したこともあるんですよ。歯科治療は安全第一で、患者さんの不安がないよう慎重に進めますが、将棋では強気で大胆な手を使うとよく言われます。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

「虫歯がひどくなって、痛くなったら歯科医院に行く」という人が多いと思いますが、歯の健康のためには、早期発見・早期治療が大事です。自覚症状がなくても定期的に検診に来ていただくのはもちろん、症状を自覚した場合は、できるだけ早く口腔内の状況をチェックすることが早期発見・早期治療につながります。早くに気づいたほうが少しの処置で済むと考えられますので、「ちょっとしみる気がする」「なんだか違和感がある」といった段階で相談に来ていただけたらと思います。他にも「食べ物が以前より詰まりやすくやった」といった状態なども、歯周病が原因の可能性があるため、注意が必要です。地域の皆さんに信頼していただき、歯の健康と体・心の健康を、できるだけ長く維持できるよう、お手伝いができたらと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(1歯)/32万円~、ホワイトニング/3万円~、セラミックを用いた補綴治療/11万円~