中田 貴康 院長の独自取材記事
中田歯科医院
(米子市/伯耆大山駅)
最終更新日:2021/12/01

美しい伯耆大山を望む、田畑に囲まれた自然豊かなエリア・米子市尾高。「中田歯科医院」は山陰道の米子東ICにほど近い場所にあり、大通りから看板もすぐに確認できアクセスしやすい。1998年に開業し、“歯のかかりつけ医”としてこの地域で診療を続けている。落ち着いた雰囲気の院内では受付スタッフが柔和な笑顔で迎えてくれるのが印象的だ。「患者さんとのコミュニケーションを特に大切にしています」と話す中田貴康(なかだ・たかやす)院長は、近隣の小学校や幼稚園で学校歯科医・園医も務め、自院では子どもから高齢者まで幅広い年齢の患者をケアしている。「予防歯科」を診療の軸としており、同院では「定期的な通院を通して口腔環境を整えることで、全身の健康を維持し、QOLを保ってほしい」と呼びかけている。
(取材日2021年4月28日)
幅広い知識と技術を得て、ふるさと米子で開業
歯科医師になろうと決めたのはいつ頃ですか?

医療の世界に携わりたいとは何となく考えていましたが、歯科医師を志すようになったのは高校生の頃ですね。大学は広島大学の歯学部に進みました。「開業するなら故郷の米子で」という思いはずっと抱いてはいましたが、卒業後は大学時代の先輩が勤務する広島の歯科医院で経験を積みました。一般的な歯科の診療だけでなく、自由診療にも対応しているクリニックだったため、先生方に指導してもらいながら幅広い治療の知識を学ぶことができました。またそのクリニックは、いくつかの歯科医院を展開する医療法人でしたので、経営的な知識も自然と吸収できたのではないかと思います。
クリニックのコンセプトを教えてください。
当院のメインコンセプトは「予防歯科」です。虫歯や歯周病進行の予防の必要性をしっかり説明し、患者さんに合った定期的なメンテナンスを提案しています。また、治療の中では、できるだけ健康な歯を残す「抜かない治療」を心がけていますね。例えば、残念ながら歯を失ってしまった方には、健康な歯をさらに削ったり抜いたりことなく、歯を補えるようにインプラント治療を提案しています。また、歯列矯正治療についても、審美的な目標だけでなく機能改善のための治療を行っています。
特に、小児の予防矯正に注力されているそうですね。

はい。例えば、せっかく幼児の頃から虫歯や歯周病のメンテナンスなどで定期的に歯や口腔内の状態を診せてもらっていたとしても、歯並びが悪い状態をそのまま放置していると、虫歯や歯周病のリスクが高くなってしまい、同時に歯を失うリスクも高くなってしまいます。なので、当院では呼吸や姿勢のほか、舌や口の周りの筋肉の発達の状態も正常に近づけるようにと、生活習慣のアドバイスをしています。
予防歯科に注力し、気軽に通える環境をめざす
具体的にはどのような生活習慣のアドバイスをされていますか?

まず、食事の時の姿勢ですね。よくあるケースとして、お子さんが大人と同じ椅子を使用している場合、足が床につかずにしっかり踏ん張れないことから噛む力が非常に弱くなってしまう可能性があります。歯を支えている歯槽骨の発達にも悪影響となるので、踏み台をつけてもらうようアドバイスしています。また、食材の大きさも重要なポイントです。例えばサンドイッチを作る時に「子どもが食べやすいように」と、パンの耳を切って出されることも多いと思いますが、当院では「食事の中でしっかり噛んで食べてほしい」という想いから、できるだけ耳をつけたままで出してもらうようにお話ししています。ほか、意外と盲点なのが飲み物のこと。食事の時はよく噛むことで口内にしっかり唾液を出して飲み込むことが重要ですが、お茶や水を一緒に出すと流し込むような食事になる可能性もあります。「食材をしっかり噛むためにお茶や水は最後に飲む」と意識してほしいです。
食事の時以外にも気をつけたほうがいいことはありますか?
口呼吸には気をつけてほしいです。昨今の情勢柄、仕方ない面もありますが、鼻が悪かったり、アデノイド(咽頭扁桃)があったりすることでマスクでの呼吸がしづらく、口呼吸になってしまう方も多いです。また、猫背だったり、いつも頬づえをしたり、唇を噛んだりといった普段の何げなくしている癖が顎の発達を阻害したり、噛み合わせを悪くしたり、歯並びを歪めてしまったりすることがありますので、一緒に直していくお手伝いをしています。
先生が予防歯科に力を入れ始めたきっかけは何だったのでしょう。

開業を考えるタイミングでこちらに戻りましたが、開業準備期間の1年間ほどですが、松江の歯科医院でお世話になりまして、その時の先生が、予防歯科を大切にされていたことも理由の一つですね。歯周病や虫歯なども予防していくためには、低年齢の頃からしっかり見ていくのが大切です。できればお母さんが妊娠中の頃から歯科衛生について丁寧に助言できるのが理想ですので、しっかりお話をさせていただいています。
クリニックで心がけている共通の想いはありますか?
当院では「みんなが幸せ、笑顔になれる治療」をモットーにしています。小さいお子さんからご年配の方まで幅広い年代に対応し、お口の健康を通した全身の健康維持をめざしています。「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という「8020運動」が日本で推進されるようになってもう何年もたちますが、最近ではこの目標を達成している方や意識の高まりに手応えも感じているところです。鳥取県も高齢者の人口は増えていますが、当院でも定期的にメンテナンスに通われているご年配の方も多いですよ。健康寿命を延ばしQOL(クオリティー・オブ・ライフ)を高めるためには、口腔内を清潔に保ち、しっかり自分の歯で噛める状態を維持することが重要だと考えていますので、当院もそのお手伝いをすることで皆さんの笑顔に少しでも貢献できればと思っています。
全身の健康維持は口腔環境から。小さな悩みも相談を
最近気になる症状があれば教えてください。

「口腔機能発達不全症」を注視しています。当院は「口腔機能発達不全症」が保険導入される前より小児の予防矯正のスタディーグループに参加しスタッフ一丸となって日々研鑽しております。このグループでは一般的な矯正装置を用いての治療と、悪い癖や習慣を改め発達不全となっている機能の改善を図り正しく成長することで自分の力で治す生物学的機能療法を治療の両輪に据えています。
具体的に装置を用いてどのように矯正していくのでしょうか?
乳歯から永久歯の生え替わり時期のお子さんの場合、歯並びや噛み合わせについては虫歯になりにくい取り外し式の「床矯正装置」や、透明で目立たない着脱可能な「マウスピース型装置を用いた矯正」などを用いて、不正咬合がこれ以上悪くなるリスクを減らしながら矯正を進められるようにしています。早い段階から矯正を開始することで、永久歯に生えそろった時の仕上げの矯正治療の必要がなくなったり、簡単な矯正で終われるようにしています。大人の方の矯正の場合も、見た目の違和感が少なく、取り外しができて衛生的に行える透明なマウスピース型装置をお勧めしています。マウスピース型装置を用いた矯正は3D光学印象器を使用し診断、シミュレーションし短時間でマウスピース型装置を作製します。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

新型コロナウイルス感染症の影響で、歯科から足が遠のく方が増えています。当院も定期的に通われていた方の通院が止まったこともありましたが、徐々に来院数が戻ってきました。中には通院していなかった期間で口腔内の状態が悪くなってしまった患者さんもいらっしゃいます。特に状態が悪化してから治療を始めた患者さんは、少しでもメンテナンスを怠るとすぐに悪くなってしまいます。当院では、治療中の飛沫を吸い取る口腔外バキュームやフェイスシールドなどで感染症を防ぐ対策をとっています。感染拡大状況は今後どうなっていくのかわかりませんので通院をためらう気持ちも理解できますが、定期的なメンテナンスは全身の健康維持にとても大切だということを知っておいてもらいたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正治療・7万円~、インプラント治療・35万円~、床矯正・7万円~、マウスピース型装置を用いた矯正・30万円~