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鴨井 隆一 院長の独自取材記事

かもいクリニック

(尼崎市/出屋敷駅)

最終更新日:2025/11/06

鴨井隆一院長 かもいクリニック main

「かもいクリニック」へは阪神本線の出屋敷駅から北へ徒歩約10分。阪神バス・尼崎市営バスの昭和通8丁目停留所からはすぐの距離だ。クリニックに隣接して専用の駐車場も用意されている。内科、食道・胃腸内科のクリニックで、院長の鴨井隆一先生は、長年にわたって病院で内視鏡検査を担当してきた経歴を持つ。地域でも「おなかのお医者さん」として知られ、胃腸の悩みを抱えた患者が多く来院するという。また、生活習慣病の診療にも力を入れ、血管年齢を測定できる機械を導入するなど、治療に対する患者のモチベーションアップに役立てている。鴨井先生にクリニックの診療ポリシーや内視鏡検査について話を聞いた。

(取材日2019年2月15日)

医師である父親の姿に憧れを抱き、医師の道へ

医師をめざすようになった理由を教えてください。

鴨井隆一院長 かもいクリニック1

父が外科の医師で、このクリニックがある場所で入院施設のある診療所を開業していました。僕の生家は診療所のすぐ隣だったので、幼い頃から父の仕事ぶりを見ており、医師の仕事に興味や憧れを持っていました。父から面と向かって「医師になりなさい」と言われたことはないのですが、男4人兄弟で僕は一番上、3番目は循環器内科の医師、末っ子は歯科医師になっているので、医師になるのが自然な環境で育ったということでしょうね。

消化器内科を専攻されたのはなぜですか?

現在では、研修医として2年間いろいろな診療科を経験するという制度が定着しています。僕の母校はこのローテーションの研修医制度を早くから取り入れていて、各診療科の先生や医局の雰囲気をしっかり把握できました。最初から消化器内科を志望していたわけではなかったものの、先生の人柄や医局の雰囲気に惹かれて消化器内科を選びましたね。

卒業後も関西に戻らず母校の病院で勤務されましたね。

診療科の横のつながりがしっかりしていて、じっくりと診療に取り組める母校の環境に惹かれて残ることにしたのです。僕らの時代の内視鏡は現在のようなモニターに接続するタイプではなく、本体の窓からのぞく仕組みになっていました。ティーチングスコープという補助の窓がありましたが、見させてもらえる機会は少なく、研修でも後ろから見ていると何もわからない状態でした。ところが内視鏡を実際にやり始めると非常に面白く、目で見て直感的に判断するというところが自分の性格に合っていたのだと思います。学生時代は軽音楽部に所属して、ロックバンドでギターを演奏していたのですが、左手で細かい操作をして右手で挿入していくという内視鏡の操作は、ギター演奏にも通じているように思います。

画像診断の面白みはどのような点にあるのでしょう。

鴨井隆一院長 かもいクリニック2

病変部を見て、異常があるかどうか、深刻な疾患かどうかを判断できるという点です。もちろん組織を採取して検査は行いますが、経験を積むことで見ただけである程度判断できるようになります。また、内視鏡で見た部分が、全体の状態を診る手がかりにもなります。以前、十二指腸が白くなっている患者さんがおられました。こういう場合、中性脂肪や血糖値が高い可能性があります。肥満ではなく普通の体型の女性でしたが、糖尿病を指摘されたことはないですかと尋ねると、以前に予備軍と言われたということなので、血液検査をすると糖尿病がかなり悪化した状態だった、ということがありました。

患者の負担を考慮しながら、スムーズな検査に努める

開業には何かきっかけがあったのですか?

鴨井隆一院長 かもいクリニック3

僕が関西に帰ってきた頃は父もまだ元気で開業していましたが、間もなく体調を崩してしまいました。その頃僕は、地元の基幹病院の内視鏡センターの立ち上げに携わっており、すぐに父の後を継げる状態ではなく、数年間は診療所を閉めた状態が続きました。勤務先の病院では若い人を指導する立場にあり、かなりのハードワークでした。また、内視鏡治療は急速に進化しており、内視鏡を使った手術ではより広範囲を切除するという考え方で、手術時間も長くなっていました。こうしたさまざまな条件を考えると、後進の指導はもっと若い先生に引き継いでもらったほうがいいと考え、閉院していた父の診療所を建て直して開業することにしました。

内視鏡治療についてのポリシーを聞かせてください。

当院では経口の内視鏡を使用しています。画像が大きく見えるし、スピーディーに診ることができるので検査が早く終わります。また、特殊な青い光を当てることで、食道がんや良性のポリープなどを見極めやすい機能もついています。経鼻の内視鏡では、見たい部分にかなり近づけて観察する必要がありますが、経口の内視鏡はある程度離れていても鮮明に見ることができるんですよ。また、経鼻の場合はしっかりと鼻の麻酔をしておかないと、痛みを感じる恐れがあり、麻酔に時間がかかります。現在では経鼻のほうが楽という考え方も広まってきていますが、経口で検査時間を短くすることは負担の軽減になると思います。経口の場合は喉の麻酔は行いますが、鎮静剤の静脈注射はどうしても苦手という方のみです。鎮静剤を投与すると、車の運転や作業などが制限されます。また、検査後1時間はクリニックで静養するなどの条件つきで実施しています。

経口の内視鏡は嘔吐反射が起きやすいというイメージがあります。

一般的になで肩で首の長い女性的な体型の人のほうが、内視鏡を入れても嘔吐反射が起きにくい傾向があります。口の中が広い方が多いので、丁寧に挿入すると舌にも触れずに、すっと胃の中に入りやすいんですよ。一方、怒り肩で体格が良く、首が短い男性的な体型の方は、嘔吐反射が起きやすいですね。こういった方で、初めて経口内視鏡を経験されるという場合は、ご希望に応じて鎮静剤を使用します。

大腸内視鏡についてはいかがですか。

鴨井隆一院長 かもいクリニック4

大腸の場合は、挿入時にできるだけ腸を伸ばさないようにすることが大切です。これは、医師の技術によるところが大きいと思います。同じ消化器でも胃はほとんど誰もが同じ形をしているのに対して、大腸というのは形のバリエーションがあります。ほとんどの方は腸を伸ばすことなく最短距離で挿入できますが、中には痛みを感じない方向に腸を伸ばしながら挿入しないと、入らない人もいます。内視鏡を入れながら、早い段階で大腸の形を見極めて、挿入方法を切り替える必要があるのです。

患者の意向をくんだ治療を

血管年齢を測定できる機器も導入されていますね。

鴨井隆一院長 かもいクリニック5

当院は生活習慣病で通院されている患者さんも多くいらっしゃいます。消化器疾患よりむしろ生活習慣病の患者さんが多いくらいです。コレステロールや中性脂肪、血圧値が高いなどさまざまな要因が重なることで動脈硬化が進んでしまうと、狭心症や脳梗塞といった深刻な病気につながりかねません。このため、動脈硬化の進み具合を知ることは非常に重要で、患者さんにとっても治療に対するモチベーションアップに役立ちます。動脈硬化は頸動脈エコーを用いても測定できますが、測定する人によって測定値にばらつきが出ることがあるので、当院では血圧脈波測定装置を導入しています。治療を継続しないと良い結果が期待できない生活習慣病の場合、血管年齢という具体的な数値を見せることはインパクトがあって、患者さんの理解を得られやすく、治療も進めやすくなるんですよ。

患者さんと接する際にどんなことを心がけておられますか?

大事なのは、患者さんが何を求めておられるか、意向をくむことだと思います。例えば、胃腸の不調が2週間続いているという患者さんがおられるとして、検査を望んでおられるのか、薬で様子を見たいのかで、当然、診療内容は異なります。高血圧の治療についても、薬で治療したい方としばらく様子を見たい方がおられます。医師として患者さんの希望どおりの診療を提供できないこともありますが、意思を尊重することが円滑なコミュニケーションを取るためにも大切です。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

鴨井隆一院長 かもいクリニック6

過去に痛い思いをしたことで内視鏡検査を避けておられたり、恥ずかしいという理由で大腸内視鏡検査を躊躇されたりしている方がおられます。しかし、近年では機械が進化して負担が大きく軽減され、ハードルはかなり下がっています。また、女性の間で大腸がんが増えていますが、早期に発見すれば対処できる病気です。出血などがあった場合、痔などと自己判断せずに、早めに検査を受けることをお勧めします。

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