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石井 禎暢 院長の独自取材記事

石井クリニック

(生駒市/一分駅)

最終更新日:2024/03/05

石井禎暢院長 石井クリニック main

奈良県北西部、生駒市にある「石井クリニック」は2005年に開業。以来、20年近く地元の高齢者から若い世代まで幅広い層の患者を支えてきた。大和郡山市出身の石井禎暢(いしい・よしのぶ)院長は、物腰のやわらかい穏やかな感じのドクター。勤務医として献身的に働く父親の背中を見て育ち、医師を志し医学部に進学するが、在学中に父が急逝。「父のこともあり、とにかく微力でも病気が進行する前に患者さんを助けたいと、医師になる思いを強くしました」と語る石井院長。専門は消化器内科だが、過疎地での医療経験もあり、奈良県天川村の診療所では産婦人科以外の総合的な医療を実践してきた。そんな石井院長に、クリニックの診療内容や地域医療への思いについて話を聞いた。

(取材日2024年2月6日)

QOLを維持するための医療をめざす

医師をめざしたきっかけを教えてください。

石井禎暢院長 石井クリニック1

父が医師だったんです。地域の中核病院に勤めていましたが、とにかく休みはないですし、帰りはいつも遅いんですね。子どもの頃の夏休みに、友達は家族で旅行に行ったりしている中、僕の記憶では家族で旅行したのは幼稚園の時に1回あったぐらい。うちはそういう家なんだと思っていたんですが、成長してくると、「うちの父はそれだけ大変な仕事をしているんだ」と誇らしくも思うようになり、もし、自分が父の立場だったらそこまで献身的にできるだろうかと、尊敬する部分もありました。その思いは、高校1年、2年、3年となるにつれて、父への憧れになって、ああいうふうになれたらいいなと。それまではパイロットになりたいと思っていたんですが、次第に医師へと希望が変わっていきました。

自分を目標に医師になられたことで、お父さまも喜ばれたのでは?

ところが父は、僕が医学部在学中に病で急逝したのです。医師になるまで生きていてほしかったんですけど、父は検査も全然受けていなかったので、病気が見つかった時はもうかなり進行した状態でした。そういうことがあって、医師になったら、とにかく微力でも患者さんを助けたいという思いがあり、生死に関わることの多い消化器系のがんを専門にしようと思いました。進行してからがんを見つけるのではなく、できるだけ何も症状のない早期の段階で見つけて治療したい。そうすれば、不幸な思いをする患者さんを少しでも減らすことができますから。なので、医師になってみてまず痛感したのは、この仕事の責任の重さとやりがいの大きさでした。

先生がめざしている医療とは、どういったものですか?

石井禎暢院長 石井クリニック2

医師になってまだ間もない頃、尊敬する内科の先生に言われたんです。「他の医師にかかっていたら助かっていたかもしれないということは、あってはならないこと。君がその患者さんを診たからこの患者さんは助かった、そういう医師にならないといけない」と。当時の僕には強烈で、その言葉は今もずっと頭にあります。僕らの仕事は、目の前の患者さんが何事もなくずっと元気でいられるように努めること。僕の中での理想の医師というのはそういう医師ですね。そして今はもう、命さえ助かったらいいという時代ではなく、いかにその患者さんが自分の思いどおりの人生を全うしながら治療を受けることができるかという、QOLの追求も、今の時代の医療には求められているのだと思います。

専門の消化器内科を軸とし、総合的な医療を経験

この地に開業されたのはなぜですか?

石井禎暢院長 石井クリニック3

僕は、生まれは大和郡山市ですが、結婚してからはずっと生駒市に住んでいます。開業前は天川村の診療所にいたので、開業するなら地元がいいなと生駒で開業することにしました。天川村の診療所では、過疎化で医療機関が不足していたこともあって、産婦人科以外ほとんどの科に対応し、足のけがから、血管の縫合まで全部やっていました。その経験があったから、開業してもある程度のことは対応できると考えていたんです。ところが開業当初、天川村の時と同じように、幅広く対応しようと思っていたら「内科でそこまでするの? 過剰診療では?」と言われてしまいまして。「医師一人に対して標榜科目は原則2つまでにとどめることが望ましい」という厚生労働省の通達が出されたこともあり、天川村と違い、標榜科目にないことを行うのは控えたほうが良いなと感じました。以来「餅は餅屋」ということで内科疾患を中心に診るようにしています。

患者さんの主訴は、どういったものでしょうか。

消化管の食道疾患、胃の疾患、大腸疾患がメインです。あと、奈良医科大学の第3内科に在籍していた当時、肝臓病にすごく力を入れていまして、そこで学んだ肝臓疾患の治療は当院でもかなり専門的に対応できていると思います。中でも原発性胆汁性胆管炎(PBC)というのは、特定疾患で、国から難病指定を受けている疾患なんですけれども、当院は開業医としてはこの疾患の治療にかなり力を入れているほうだと思いますね。原発性胆汁性胆管炎の他、現在は潰瘍性大腸炎といった指定難病の患者さんも数多く通っていらっしゃいます。

医師として経験を積んでこられた中で、印象に残っていることはありますか?

石井禎暢院長 石井クリニック4

勤務医時代、「もう何年も原因不明の体調不良が続いている」という患者さんを担当しました。検査を行ったところ、肝臓疾患であることが判明。肝臓疾患でも、先ほどお話しした原発性胆汁性胆管炎などは、採血してデータを見たらだいたい予想がつくんです。ところが、患者さんに診断結果を伝えると、何年も原因がわからなかったのにすんなり診断がついたので、「本当かな?」という面持ちでした。それでその方は、前に診察してもらった先生に、私の診断書を見せに行き「やっぱりそうでした」と戻って来られました。やはり診断というのは、指定難病のような珍しい病気であればなおさら、その病気を多く診ていることが診断の精度につながるのです。専門性を持つことの重要性をあらためて感じた出来事でした。

スタッフも患者の相談相手になる

診療で心がけていることは何ですか?

石井禎暢院長 石井クリニック5

丁寧な診療を心がけています。忙しい時でも、時間を気にして焦ってしまわないようにしています。焦ってしまうと、見落としなどミスを起こしかねません。先にお話しした先輩医師の「他の医師にかかっていたら助かっていたかもしれないということは、あってはならない」という言葉が、常に頭をよぎるんですね。なので、焦ってしまうくらいなら予定をずらすようにしています。

今後の展望をお聞かせください。

当院は幸いスタッフに恵まれていて、今、来てくださっている患者さんを大事にして、いかに安心して通院していただけるか、いつもみんなで気を配ってくれています。僕がなかなか聞けないことがあっても、看護師が話しかけて、患者さんの悩みを聞いたりしてくれているんですね。そういうかたちで、患者さんが癒やされて帰っていただけたらいいなと思いますね。新しい患者さんに関しても、「石井クリニックになら体を預けられるな」と、信頼していただけるようになりたいと思っています。今、訪問診療を行っていますが、世の中の流れから、ますます重要になってくると思いますので、もっと在宅医療に関して重きを置いてやっていきたいと考えています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

石井禎暢院長 石井クリニック6

開業して20年近く診療を続けてきましたが、数ある医療機関の中から当院を選んで来ていただいて、本当に感謝しております。石井クリニックに来て良かったと言っていただけるように、これからも精いっぱい患者さんに寄り添って診療していきたいと思っています。

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