加藤 秀治 理事長の独自取材記事
加藤歯科
(池田市/石橋阪大前駅)
最終更新日:2025/05/15

石橋阪大前駅西口から徒歩5分の複合ビル3階にある「医療法人昭成会 加藤歯科」。加藤秀治理事長が1997年に開業してから28年間にわたり、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の患者に寄り添い、地域医療を支えてきた。一般歯科・小児歯科の診療を中心に据え、中でも予防歯科に力を入れる。矯正歯科は専門の歯科医師が担当し予約制で対応している。4年前に石橋商店街から現在の場所に移転し、院内の雰囲気も一新。診療ユニットのスペースも広く取り、天井も高く開放感のある空間となっている。院内BGMは、加藤院長が好きな80年代の洋楽からセレクトしているそう。「コミュニケーションを大切に、納得してもらった上で診療に進むようがけています」と穏やかに話す加藤理事長に、同院の特徴や今後の展望について聞いた。
(取材日2025年4月17日)
開業から28年、地域に根差し地域住民の歯を守る
開業から数年前に移転されるまでの経緯についてお聞かせください。

1997年に開業し、もとは石橋商店街の中にクリニックを構えていたのですが、4年前に今の場所に移転してきました。距離でいえば、200mちょっとだけ移動したことになりますね。出身は大阪市内で、小さい頃は淀川の河川敷で遊んだりしていました。大学は福岡だったので、卒業後大阪に戻ってきてから豊中に住むようになって、開業するなら北大阪が良いなと思っていたんです。探していく中で、石橋の商店街を良いなと感じて、ご縁もあって開業を決めました。地元が千林だったので、商店街に魅力を感じたんですよね。移転する前は階段しかない2階だったので、年配の患者さんから「つらい」という声をいただくようになって、商店街の1階でテナントを探していたんです。3年くらい探したんですが、なかなか見つからなくて。もう少しエリアを広げて探してみて、ここは3階ですけど、エレベーターもあるので良いかなと思って、移転することにしました。
診療内容とどんな患者さんが通われているのかを教えてください。
一般の歯科診療と小児歯科がメインです。矯正は矯正専門の先生がいるので、その先生にすべてお任せしています。診療は地元の人に受け入れてもらいやすいように、保険診療を基本としています。子どもから年配の方まで幅広く診療していますが、ご高齢の方が増えてきていますね。力を入れているのは、口腔ケア、予防歯科です。歯をケアしながら、いつまでもご自身の歯で食べてもらうことを目標としています。定期的にメンテナンスを目的に来られる方が多いです。痛くないと来ないという方にも、定期的にメンテナンスしたほうが良いですよとお伝えすることで、来ていただけるように努めています。そのあたりは僕だけでなく、スタッフも上手に伝えてくれますね。
心強いスタッフさんなんですね。

そうです。歯科衛生士、助手も長いこと続けてくれていますね。開業時のオープニングスタッフが今も受付、助手をしてくれているんです。ただ彼女も今はフルでの勤務は難しい状況なので、主に午後に働いてくれています。いまだにオープニングからのスタッフがいるから、そのスタッフ目当てで来てくださっている患者さんもいらっしゃいます。やはり安心感があるみたいですね。歯科衛生士も同じくです。歯科衛生士は2人在籍し、歯のクリーニング、歯石取り、ブラッシングや清掃の仕方のレクチャーなどまでしっかりやってくれています。助手も2人でシフトを組んでいます。
コミュニケーションを大切に、訪問診療にも尽力
小児歯科にも対応されているとのことですが、気をつけていることはありますか?

子どもの時から来てくれて、今高校・大学生になっても来てくれている子もいますね。フッ素塗布、虫歯チェックなどで来られる小さいお子さんもいます。やはり最初は歯科医院を嫌がる子も多いんですよ。「痛いことはしないから」というところから始めて、慣れてきたら「頑張ってここまでやってみよう」と、コミュニケーションを取りながら進めるように気をつけています。親御さんにもその都度確認と相談をしながら、診療にあたるようにしていますね。怖がってしまう場合は、まずは歯科衛生士が対応します。まずは歯ブラシから口に中に入れて、鏡を持ってもらうなど工夫しながら進めていきます。当院の歯科衛生士は子育ても終わっているようなベテランなので、子どもと接するのも上手なんですよ。
訪問診療にも力を入れているそうですね。
患者さんが高齢になってきて来院が難しくなるケースが増えてきました。ご高齢になると、足腰が悪いだけでなく、どこかに病気がある方も多いんですよね。かかりつけのお医者さんや薬剤師さん、ホームヘルパーさんにも聞きながら、どこまで進めていったら良いのかを見極めて治療にあたることを心がけています。体が不自由だと、歯ブラシが自分でうまいことできずに、汚れが取れていないことも多いです。そのため、歯科衛生士を連れていったり、歯科衛生士だけで行ってもらったりと状況に応じて対応します。噛めなくて歯がぐらぐらになってしまっている場合は抜歯をすることもできますし、入れ歯が合わなくなったら、削って合わせるなど一人ひとりに合わせて対応しています。
診療する上で大切にしていることを教えてください。

治療前に説明してきちんと納得してもらえるように心がけているつもりです。治療のやり方は選択肢がある場合が多いので、それを提示した上で、納得して選んでもらえるように心を配っています。エックス線画像を見ながら、必要であればイラスト・写真などを使ってわかりやすく伝えるようにしていますね。詰め物もあまり高額なものは勧めませんし、保険診療内でできる選択肢を提示するようにはしています。今は条件によっては白い詰め物も保険適用されるようになっているので、そのあたりも説明をします。ただ、噛み合わせが強い方などは場所によっては銀歯が適しているケースも。見た目を気にされる方は、白い詰め物のほうが良いと思います。そのあたりは患者さんとコミュニケーションを取りながら、提案させてもらっています。
自分の歯で過ごせるよう抜かない治療をめざす
歯科医師への道を決めたきっかけなどはあるのでしょうか?

手に職をつけたいと考えていたんです。その上で、国家試験を受けて、免許や資格がもらえる仕事が良いなと思ったんですよね。父親が医療系の仕事をして、何か資格を持っておいたほうが良いよと言われたのも影響しています。いろいろ考えた結果、大学を決める時に歯科の道へ進むことにしました。福岡歯科大学を卒業し、梅田のオクノ歯科での勤務を経て開業してから10年ちょっとたった頃に、縁があって大阪歯科大学細菌学講座の教授を紹介してもらったんです。うちで学位を取らないか、開業しながらできるからというお誘いをいただいたので、籍を置かせてもらって一時通っていました。細菌学には最初苦手意識があったんですけど、勉強しだしたら面白くなってきましたね。今に生かされている部分もありますし、学んで良かったです。
今後の展望を教えてください。
現状、地域にある程度根づいているとは思っています。今来ていただいている患者さんに引き続き来院してもらえるよう大切にしながら、もうちょっと広げていけたらなと考えています。また、施設に訪問したりもして、新しく関係性を築いていけたらうれしいですよね。診療外でいうと、2025年4月から池田市歯科医師会の会長を務めることになったんです。池田市長や保健所の所長さん、健康増進課の課長、教育長さんなどとお会いしたり、歯科医師会の各地区の代表の集まりなど、昼からクリニックを閉めて行かなくてはいけないこともあり、ご迷惑をおかけすることも出てくるかもしれません。時間的な制約も出てくる半面、新たに吸収したものを患者さんに還元できるよう、努力していきたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

28年ほどやってみて、噛むことの大切さを痛感しています。自分の歯が残っていることが健康寿命につながっていますからね。自分の歯で食事ができる方には、健康な方が多いです。日々のお口の中の掃除、メンテナンスは大切です。治療では、患者さんの希望がない限り、歯を残す努力をしています。やはり自分の歯のほうが良いですからね。どうやったら残せるかというところから、治療の幅を広げていっています。お口の中でお困りのことがありましたら、気軽にお声がけいただけたら幸いです。
自由診療費用の目安
自由診療とは成人矯正/63万8000円~