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池田 直史 院長の独自取材記事

さやま腎クリニック

(狭山市/狭山市駅)

最終更新日:2021/10/12

池田直史院長 さやま腎クリニック main

透析施設であるとともに、腎臓内科をはじめとする専門外来も備える「さやま腎クリニック」は、あらゆる腎臓の病気に対応したクリニック。2008年に「埼玉石心会病院」の外来「さやま総合クリニック」から外来透析部門を分離独立して開設。両院や一次診療を担う地域のかかりつけ医と密な連携を取りながら、施設での血液透析はもちろん、腹膜透析、在宅血液透析や日本腎臓学会腎臓専門医による診療・診断、慢性腎疾患の進行予防まで広く対応している。「腎臓で心配なことがあれば、いつでも来てほしい」と話す院長・池田直史先生に、医院の特徴や今後の展望を聞いた。

(取材日2017年11月24日)

透析から専門の外来まで、あらゆる腎臓疾患に対応

最初に、クリニックの特徴について教えてください。

池田直史院長 さやま腎クリニック1

透析施設としては、現在280人弱ぐらいの患者さんが血液透析にいらっしゃっています。ただ単なる透析施設というだけではなく、学校や職場の検尿で異常が指摘された方からいわゆる生活習慣病から慢性腎臓病になった方など、多種多様な腎臓が悪くなった方々を対象にした腎臓内科の外来も併設しており、近隣の開業医の先生からの紹介を含めて診察・診断を行っています。家族性の病気で末期腎不全に至ってしまう多発性嚢胞腎の専門外来もありますし、先駆的な治療を含めてあらゆる腎臓病に対応していることが、当院の一番の特徴ですね。加えて、腎代替療法が必要になったときに血液透析、腹膜透析、在宅血液透析と腎移植以外のすべての透析療法に対応できることです。特に在宅血液透析は、数ある透析方法の中でも体の毒素が抜けやすい方法といわれているため力を入れており、現在5名の方が行っております。

透析液や透析食にも特徴があるそうですね。

当院では、透析用水の水質管理専門室「水質管理室」で水質検査を行い、清浄な透析液を供給しています。また透析の患者さんについては、血液透析で使用するシャント内の狭くなった部分をバルーンで膨らませる「ブラッドアクセス」の専門外来もあります。透析食については、これは法人全体で共通なんですが「透析の患者さんへの食事は治療の一環」だと考えているので、無料で提供しています。内容についても、以前に民間の透析食レシピ・コンテストに出場し優勝したり、レシピ本も出させていただいたりしており、おいしくかつ栄養価が高いものになっています。おうちで作る際の参考にしてもらえますし、当院で出たメニューのレシピをそのまま持って帰る方もいらっしゃいますよ。

診療の際に一番気をつけていることは何ですか?

池田直史院長 さやま腎クリニック2

情報を正確に伝えることですね。病状や治療法はわれわれ医療者がちゃんと理解していればいいだけではなく、ご本人にもきちんとご理解いただくことが重要です。けれど患者さんの性格や年代、社会背景は千差万別で、同じように伝えてもものすごく強く受け止める人もいれば、逆に全然危機感を持ってもらえない人もいるので、その振れ幅をできる限り小さくすることにはかなり気をつけています。診療というわずかな時間にすべてをご理解いただくのは無理なので、具体的なポイントとなるのは、その人にとって鍵となる内容を、どういう言い方で伝えるのが一番いいのかを考えながら、優先順位をつけてお話しすること。現在の状況と守っていただきたいことを、できる限りシンプルに、わかりやすく伝えることですね。また、信頼を勝ち取るという点では、患者さんに寄り添う気持ちを持つばかりでなく、しっかり伝えて、わかってもらうことも大事にしています。

かかりつけ医との併診で糖尿病の進行を防ぐ

埼玉石心会病院をはじめ、近隣の病院や医院との連携についても教えてください。

池田直史院長 さやま腎クリニック3

埼玉石心会病院とは同じ電子カルテで統一されていますし、僕自身向こうの腎臓内科も担当しており、密な連携があります。病院には心臓血管外科、脳神経外科、循環器内科などもそろっており、そこでいろいろな先駆的な治療にも対応できますので、そういった環境をそろえている総合病院がバックにあるという安心感は、われわれを選んでいただける理由の一つになっていると思います。透析施設に通いながら、循環器内科や心臓血管外科にも通っている人はたくさんいらっしゃいますから、同法人の中で専門家の診察まで対応できるのは患者さんにとってもメリットが大きいかなと思います。今、透析導入になる患者さんの3分の1は後期高齢者で、その原因は腎硬化、つまり加齢による動脈硬化が最多です。後期高齢者の方の透析導入をいかに減らすか、少しでも先に延ばすかが非常に大事になってくるので、地元の開業医の先生ともご相談しながら対応させていただいています。

糖尿病の予防や啓発にも力を入れておられるそうですが。

糖尿病そのものの予防というよりは、糖尿病が進行して透析が必要になる糖尿病性腎症もしくは糖尿病性腎臓病といわれる病態の進展予防という点において、狭山市、入間市、所沢市の各医師会の先生方とも連携をとりながら、患者さんの紹介、また併診を行っています。主軸で診るのはかかりつけ医の先生でも、腎臓については、なるべく早期から月1回当院で併診していく。そうすることで重症化を防ぎ、透析が必要になる段階まで進展させないことに力を入れています。

重症化を予防するには、どんなことに気をつければよいのでしょうか?

池田直史院長 さやま腎クリニック4

いわゆる慢性腎臓病の治療なので、血圧や血糖値、尿酸値、コレステロール値の改善や食事療法などが大事になります。それぞれの要素をいかに管理目標の中に入れていくかということに加えて、後は禁煙や減量など、一般的な生活習慣の見直しをしていくことになりますね。ただ腎臓は排泄臓器なので、例えば腎臓以外の疾患で薬を服用している場合、医師が処方したものであってもサプリメントであっても、腎臓にとっては負担になることもあります。腎臓を患っているなら、口に入れるものはなんでも腎臓専門の医師に相談したほうがよいでしょう。腎臓病の治療に特効薬は存在しませんから、本人を中心に、かかりつけ医に専門の医師、薬剤師、栄養士、おうちの環境や医療経済の相談も含めればソーシャルワーカーや事務の方を含む全員が一つのチームとして携わっていくことが重要です。

腎臓で気になることがあれば、気軽に来てほしい

先生は、どんなきっかけで腎臓内科を選ばれたのですか?

池田直史院長 さやま腎クリニック5

僕はもともと循環器志望だったんです。研修医だった当時、埼玉医大にいらっしゃった腎臓内科教授の鈴木洋通先生に医局へ呼ばれ、行ってみると、同じように呼ばれた研修医たちもいて、そこにカツ丼が各人の前に置いてあったんですね。「今日はどういったお話ですか?」と教授に聞くと、「とりあえずそれを食べなさい」と。食べたら、「まあよろしく」と言われ、何ですかと聞いたら「入局の契りだ」と言われたんですよ。ただ僕は腎臓には興味がなかったので、正直に循環器をやりたいんですとお伝えしたら、「じゃあ腎臓内科で循環器をやればいい」と言われて、結果として、「心腎連関」について研究することになりました。その日カツ丼を食べた人間は、結局全員入局しましたね。それだけカリスマ性のある先生でした。

ご自身のリフレッシュのためになさっていることはありますか?

正直、あまりコレというものはなく、毎日子どもと必ず一緒に短時間でも遊ぶことですかね。

最後に、今後の展望についてお願いします。

池田直史院長 さやま腎クリニック6

われわれ腎臓内科は「針に始まって針に終わる」というか、蛋白尿などの検尿異常時に行う腎生検の「針」から血液透析を行う際に使用する「針」まで、腎臓病に関することならどの病期であってもすべてに対応しております。また先駆的な診療は大学病院に限ったものではなく、われわれのところでも常に新しい取り組みを行っており、今後も先駆的な治療に対応できる環境をつくっていきたいと考えていますし、今後、例えば高血圧症治療の一つである腎デナベーション(カテーテルによる腎交感神経除神経術 )のような他科との連携を必要とする先駆的な治療についても、埼玉石心会病院も含めたわれわれの病院ですべて治療を完結できるように、大学病院でしか治療できないということのないようにしたいと考えています。いわゆる腎臓病で心配なことがあれば、別段紹介も必要ないので、程度によらずいつでも来ていただければと思います。

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