中田 博也 院長の独自取材記事
なかた消化器・内科クリニック
(和歌山市/宮前駅)
最終更新日:2021/10/12

宮前駅から歩いて5分の場所にある「なかた消化器・内科クリニック」。高い天井が特徴的な院内は、ゆったりとした吹き抜けの構造になっており、週ごとに違った生け花を飾るなど、患者がリラックスして過ごせる空間が広がっている。中田博也院長こだわりのオーディオ機器も充実していて、BGMは毎月厳選した音楽を流しているそうだ。そんな同院の強みは、胃・大腸の内視鏡検査やピロリ菌除去に対応していること。日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医であり、これまでに多くの臨床経験を重ねてきた中田院長が、専門性の高い診療を提供している。今回は同院の診療や中田院長の想いについて、たっぷりと話を聞いた。
(取材日2021年7月28日)
苦痛の少ない胃・大腸内視鏡検査で病気の早期発見を
始めに、クリニックの特徴をお聞かせください。

当院の最大の特徴は2つあります。1つ目は胃・大腸の内視鏡検査と治療を日帰りで行っていること、2つ目は専門性の高いピロリ菌除去に対応していることです。内視鏡検査に関しては、2005年の開業当初は実施しているクリニックが周辺に少なく、対応している施設は珍しいものでした。それ以来、経鼻内視鏡や鎮静剤も取り入れ、苦痛に配慮しながら内視鏡検査を多く行っています。ピロリ菌除去については、保険適用となるのは一次除菌・二次除菌のみですが、当院では自由診療での三次除菌・四次除菌にも対応しています。どちらにしても、待ち時間の軽減や担当医が変わらない安心感につなげたいと思い、開業してクリニックで実施するに至りました。
クリニックで内視鏡検査を行うメリットは何ですか?
検査を受けたその日のうちに自宅に帰ることができるのはもちろんですが、病気の早期発見につなげられることが一番のメリットではないでしょうか。規模の大きい医療機関で検査を受けるとなると、予約を取れるのが数ヵ月先ということも珍しくありません。しかし、当院のようなクリニックであれば、曜日さえ選ばなければ来院から1ヵ月以内に検査を受けていただくことができますし、その分病気を早く見つけることが可能です。検査の順番を待っている期間に病気が進行してしまっては報われませんから、そうなる前にしっかりと体の状態を調べられるのは、患者さんにとってもメリットになると思います。
内視鏡検査について詳しくお聞かせください。

当院で実施している内視鏡検査のほとんどが大腸内視鏡検査です。検査をしてみて大腸内にポリープが見つかった場合は、ある程度初期の段階で3mm以上20mm以下のものであれば切除まで行っています。というのも、大腸ポリープを放っておくと、長い年月をかけて悪性になる可能性が高いといわれているため、条件さえそろえば切除するようにしているのです。ポリープを切除したら、検査当日の夜は流動食、翌日は消化にいいおかゆなどを推奨しているので、術後の流動食を当院でお渡ししています。また、安全で苦痛の少ない検査をめざしていることもあり、検査時は鎮静剤を使うことも可能です。希望される方は、診察の際にあらかじめお伝えください。
専門性の高いピロリ菌除去や難病治療にも真摯に対応
ピロリ菌について教えてください。

ピロリ菌とは人間の胃に生息する細菌のことをいい、ピロリ菌が存在しているとわかれば除菌治療するのが一般的です。乳幼児期に感染することが多く、その後数十年の年月をかけて慢性胃炎の状態となり、加齢とともに進行すると萎縮性胃炎や胃潰瘍を引き起こします。最悪の場合、胃がんに発展することもありますが、初期のうちは症状がほとんどないので注意が必要です。そのため、がん検診やピロリ菌検査をかねて、年に一度は胃の内視鏡検査を受けていただくことを推奨しています。もしも治療するとなれば、3種類のお薬を組み合わせて行う一次除菌から始めます。医学の進歩とともに、二次除菌までに治療を終えられるケースが増えていますが、当院は自由診療での三次除菌・四次除菌に対応していて、他府県の遠方から通院されている患者さんも多くいらっしゃいます。
難病の治療にも対応されているそうですね。
潰瘍性大腸炎やクローン病などの難病は、20歳前後に発症するケースが多く、それ以降は長期にわたって治療を続けなければなりません。当院に通院してくださっている患者さんの中には、大学病院に勤務していた頃から担当させていただいている方もいて、ありがたいことに長いお付き合いが途切れずに続いています。難病治療の際に大切なのが、患者さん一人ひとりのライフスタイルに合わせた方針を立てることです。例えば、人工透析と類似したシステムを活用したキャップ療法と呼ばれる血球成分除去療法や、病変の位置によって適用となる座薬による治療、短期で行うステロイド治療など、難病の治療方法はさまざまで、それと同じように仕事や家庭の事情も人それぞれです。医師として悩む場面もありますが、治療は患者さんとの二人三脚で続けていくものですから、ライフスタイルを考慮した治療法を一緒に選択することを重視しています。
内科の診療に関してはいかがですか?

クリニック名にもあるように、当院は内科診療も行っています。開業当初は、どちらかというと高血圧などの生活習慣病をお持ちの高齢の患者さんが多く、内科がメインの時期もありました。現在も内科診療は続けていますが、外来は内視鏡検査の合間に進めているため、どうしても待ち時間が発生してしまっています。患者さんにはご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、来ていただいた方には誠心誠意対応させていただきますので、何でもご相談ください。
気軽に何でも相談できる地域のかかりつけ医をめざす
患者さんとのコミュニケーションにおいて、心がけていることは?

現在は内視鏡検査がメインの診療ですので、年に一度の検診で顔を合わせる患者さんが多いです。検査時は流れ作業的に終えるのではなく、何もなければ「今年も大丈夫でしたよ」と声をかけたり、昔から経過を見ている方だと「何も問題ありません」と安心してもらえるような言葉をかけたりするようにしています。難病治療のために通院してくださっている方の場合だと、初診から約3ヵ月ほどかけて信頼関係を構築するよう努めています。ご自身で病気に関する情報をいろいろと調べてきてくださる方もいますが、時には多すぎる情報に悩んでしまうこともあるでしょうから、消化器疾患専門のかかりつけ医として最善のアドバイスができればと思っています。
先生が医師をめざしたきっかけは何だったのでしょうか?
私はもともと「おじいちゃんっ子」だったんですが、小学3年生の時に祖父が病気で亡くなりました。祖父にとって私が初孫ということもあり、本当によくかわいがってくれていたので、当時は幼いながらにショックだったのを覚えています。高校生になって進路を決めるタイミングで悩んでいた私に、周りが医学部の受験を勧めてくれ、また祖父との思い出が頭の片隅にずっと残っていたのもあって、医学部に進学することを決めました。大好きな祖父がきっかけで、今こうして医師として診療をしているというわけです。
最後に、今後の展望とメッセージをお願いします。

難病の紹介患者さんが増えている現状もあり、今後もより多くの方のパートナーとして難病治療に対応したいと思っています。大規模な病院だと、治療の途中で担当医が変わってしまうこともあるので、かかりつけ医としてライフスタイルを考慮しながら長くお付き合いをしていきたいですね。また院内での診療のほかに、講演会に出る機会も多いため、何らかのかたちで後進の育成に携わっていきたいとも考えています。皆さんにお伝えしたいのは、気になることは遠慮せずに聞いてくださいということです。当院は診察室を出たところに「聞き忘れたことはないですか?」という貼り紙をするなど、何でも話せる関係性を大切にしています。些細なことでも打ち明けていただき、医師としての回答をお伝えすることで、不安な気持ちを少しでも解消できればと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはピロリ菌3次除菌、4次除菌(新患)お薬代のみ 6800円