東 伸明 院長の独自取材記事
旭歯科クリニック
(柏市/南柏駅)
最終更新日:2025/07/14

JR常磐線・南柏駅から徒歩で3分ほどの場所に位置するビルの1階に、「旭歯科クリニック」はある。2000年の開業以来、地域に根差した診療を続けてきたのが、院長の東伸明先生だ。「患者さんの要望を第一に」という考えのもと、一人ひとりと丁寧に向き合う姿勢が印象的な東院長のもとには、長年通い続ける患者も多い。人好きのする笑みを浮かべた東院長の話しぶりは温かく、取材中も自然と笑顔がこぼれる。そんな東院長に、めざしているクリニック像や診療の中で大切にしていること、地域との関わりなどについて話を聞いた。
(取材日2025年5月20日)
アットホームで親しみやすい地域のかかりつけ医
開業から25年がたちますが、歯科医院の成り立ちについて教えてください。

いずれは自分の歯科医院を持ちたいという希望はありましたが明確なタイミングを決めていたわけではなく、まさに流れの中で自然と……という感じで開業へと至りました。ここは、もともと勤務医として働いていたクリニックだったんです。院長が引退する時に声をかけていただき、クリニックを継承する形で開業しました。2000年に旭歯科クリニックとしてスタートして以来、地域のかかりつけ医的存在として日々の診療に取り組んでいます。近隣の方々にとって身近で頼れる歯科医院でありたいという姿勢は、開業当初から変わることなく続いていますね。
どんな患者さんが多く通われているのでしょうか?
基本的には、このエリアにお住まいの方が中心ですね。開業当初はサラリーマンの方が多く夜間の診療ニーズが高かったため、平日は21時、土日は18時まで開けていましたが、新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに働き方が変わったことで、現在平日は、20時までの診療となっています。また、前のクリニックの時から引き続き通い続けてくださる方も多いです。最近では、セカンドオピニオンを求めていらっしゃる方も増えていて、「もう少し話を聞きたい」「第三者の歯科医師からアドバイスをもらいたい」など、ご家族やご友人の紹介で来院されるケースも珍しくありません。地域に暮らす方々にとって、困ったときにふと思い出してもらえるような身近な存在でいられることを大切にしていますので、頼りにしていただけることをうれしく思っています。
院内にはぬいぐるみがたくさんあって、親しみやすい雰囲気ですね。

何か特別なテーマがあるわけではありませんが、院内は患者さんが構えずに過ごせるようアットホームな雰囲気を大切にしています。歯科医院というとどうしても緊張してしまう方も多いと思うので、「ちょっと寄って話していこうかな」くらいの感覚で来てもらえるような空間をめざしているんです。待合室にはぬいぐるみをたくさん置いていますし、キッズスペースもあります。お子さんが乗れるような恐竜の模型は、動いたり鳴き声を出したりする仕組みで、親しみやすさに一役買ってくれているのかもしれません(笑)。口を開けたり、目をぱちぱちさせたりする仕かけがあって、これを見て笑ってくれる子も多いんですよ。限られた空間の中でもリラックスして過ごしてもらえるよう、スタッフと工夫を重ねています。スタッフと患者さんの仲が良く、雑談から歯の悩みまで気さくに会話ができる親しみやすさも当院の良さではないかと思っています。
歯科治療でできることと患者の望みをすり合わせる
先生の診療方針について教えてください。

開業以来ずっと大切にしているのは、「患者さんの要望にできる限り応える」という姿勢です。歯科医師として「これが正しい」と思う選択肢があったとしても、それが必ずしも患者さんにとっての最良とは限りません。治療方法にはそれぞれメリットとデメリットがありますし、保険診療の範囲かどうか、通院頻度、生活環境などによっても選ぶべき方向は変わってきます。私は治療の選択肢をすべて提示してそれぞれしっかりと説明した上で、最終的な判断は患者さんに委ねるようにしています。「先生に任せます」と言われることもありますが、お口の健康はあくまで患者さんご自身のことですので、なるべく「治療を決めるのは自分」という意識を持っていただくことが、患者さんにとって納得のいく治療や満足感につながると信じています。
患者さんの要望と歯科医師としての提案の間で、しっかりすり合わせをされているのですね。
どんなときも「患者さんの要望を第一に考えること」が診療の軸になっていますので、歯科医師としての考えを押しつけるのではなく、患者さんが本当に求めていることは何かを丁寧に聞き取り、それに沿った提案を行うよう心がけています。例えば、入れ歯が合わずに悩んでいる方には、インプラントも含めた選択肢を示し、保険診療で対応できる範囲と自由診療でできることの違いをきちんとご説明しています。保険診療と自由診療のどちらを選ぶのかは患者さんのご状況によりますが、患者さんにとって妥協で選んだ治療にはしたくないんです。患者さんのご要望と歯科治療でできることの間でジレンマを感じることもありますが、できるだけ患者さんに納得して治療を選んでもらうことを目標にしています。自分の口の中のことを理解し、前向きに治療に向き合っていただけるよう、日々のコミュニケーションを通して信頼関係を積み重ねていくことを大切にしています。
ブラッシングの指導にも力を入れていらっしゃるとか。

はい。どんな治療よりも、まずはご自身で口の中を清潔に保てることが一番大切だと考えています。現在はご年配の患者さんが多いこともあって、言葉だけの説明ではどうしても伝わりづらい部分があります。そのため、クリニックでお勧めしている歯ブラシや歯間ブラシ、フロスを実際に使いながらブラッシング指導を行っています。「こうやって磨くときれいになりますよ」とやり方や注意点をお伝えし、歯科医院でやって終わりではなく、ご自宅でのケアにつなげてもらうため、当院では実際に使ったものをそのままお渡ししています。ですので、ご家庭でもお口の健康を保てる環境づくりのお手伝いができていたらうれしいです。日々の積み重ねが歯の健康につながりますので、患者さん一人ひとりのお口の状態や生活環境に合わせながらアドバイスをすることを心がけています。
困った時に最初に頼れる身近なクリニックとして
休日はどのように過ごされていますか?

完全に休める日ばかりではなく、診療外でも歯科医師会の活動や地域の保育園や中学校での歯科検診に出向いて、地域医療に取り組んでいます。基本的には週に1日休めるかどうかという状況ですが、その日は家族との時間や日用品の買い出しに使うことが多いですね。若い頃に比べて外出は控えめですが、その分家庭のことをきちんとやるように心がけています。たまに料理をすることもあり、実家で覚えた家庭料理などは今でも作ったりしています(笑)。
今後の展望について教えていただけますか?
現状を大きく変えるというより、今の診療スタイルをこれからも大事にしていきたいと思っています。患者さんにとって「ここに来れば安心できる」と思ってもらえる歯科医院であり続けることが何よりの目標です。そのためには診療技術はもちろん、説明の仕方や対応の細かさなど、目に見えにくい部分にも丁寧に気を配っていきたいですね。より良い医療を提供し続けるためにも、自分自身も学び続けながら先進の技術を取り入れるよう努めていきたいな、と。地元で長く続けていくためにも、小さなアップデートを怠らず、堅実に歯科医院を育てていきたいと考えています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

当院は、患者さんが「納得できる治療」を受けられることを何よりも大切にしています。とはいえ、現実には保険制度の範囲やご本人の事情もあり、思い描く治療にすべて応えられるわけではありません。それでも、「ここに来て良かった」と思ってもらえるよう、治療の選択肢をご提案させていただきながら、これからも丁寧に診療を続けていきたいと思っています。お口の中のトラブルは、ときに不安を大きく感じさせるものです。インターネットで調べると不安をあおるような情報ばかり目にしてしまいがちですが、実際にはそこまで心配のないケースも多くあります。「これって大丈夫?」「病気じゃないのかな?」といったちょっとした違和感でも構いません。どんな些細なことでも、ぜひ気軽にご相談ください。ハードルが高い場所ではなく、身近な地域の歯医者さんとして、これからも皆さんの健康を支えていけたらと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント/35万円程度
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。