菊池 章宏 院長の独自取材記事
753歯科医院
(千葉市緑区/鎌取駅)
最終更新日:2025/04/07

JR外房線・鎌取駅から車で6分。2004年に開業した「753(なごみ)歯科医院」で院長を務める菊池章宏先生は、インフォームドコンセントを重視し、患者の気持ちに寄り添った診療を心がけている。一般歯科、予防歯科、インプラント治療、補綴、審美歯科の他にも、千葉市歯科医師会の取り組みでもある、障害のある人の歯の診療にも対応。さまざまな診療に対応している同院だが、マイクロスコープを活用した根管治療には特に専門性を有している。直近ではCTを導入することで、より精密かつ効率的な診療を行う体制を整えた。「キャリアを磨き続け、患者さんのニーズに合う質に配慮した歯科治療を提供したい」と話す菊池院長に、診療のスタンスや診療内容の詳細について話を聞いた。
(取材日2025年3月7日)
患者に寄り添い、最適な治療を提案できる歯科医院へ
院名がとても特徴的ですね。

2004年に開業した際に、身内や仲間と案を出し合い、面白くてインパクトのある院名をつけることにしました。院名に関心を持っていただけるとうれしいです。
歯科医師としてのご経歴をお聞かせください。
私が歯科医師をめざすきっかけとしては、祖父の影響が大きかったです。千葉市で歯科医師をしていた祖父は、技術職が私の性分に合っていると見抜き、仕事の魅力を教えてくれました。経歴としては、1989年に東京歯科大学を卒業後、東京歯科大学市川総合病院に勤務しました。一時期、祖父の歯科医院で働いていた時期もあります。キャリアを積む中でご縁も生まれ、千葉市内で開業したいと思うようになりました。
診療のスタンスについて教えてください。

当院では、地域の患者さんに寄り添った治療を実現していくことを目標にしています。患者さんによって治療にかけられる金額は異なります。高価な治療が必ずしも必要でないケースもあります。患者さんとしっかり話し合い、本当に必要な治療を提案する。そのような歯科医院をめざしています。お子さんからご高齢の方まで、個々の患者さんのライフスタイルを念頭に置きながら、最適な治療プランの提案に努めています。
院内はお子さんも安心して通える明るい雰囲気だと感じました。
ありがとうございます。お子さんが院内で楽しい時間を過ごせるように、自ら飾りつけを行っています。受付前にはキッズスペースも設けています。大きなぬいぐるみを置いていますが、それを見た患者さんから同じキャラクターのグッズをプレゼントしていただくこともあります。エックス線撮影室の壁紙も、閉塞感を感じにくくするため明るいデザインを心がけました。お子さんの治療では、急を要するケースは別として、無理に治療を進めない工夫もしています。お子さんが治療を嫌がった場合には、慣れてもらうことから始め、納得してもらって初めて治療に進めます。時間はかかりますが、歯科への苦手意識をなくし、定期的な通院を習慣にできるようサポートするためです。なお現在では成人の患者さんの割合が多くなってきました。開業時から通ってくれていた患者さんたちが立派な大人になっていくのを見ると、時の流れを感じますね。
マイクロスコープを使った根管治療で専門性を発揮
どのような診療を受けられますか。

虫歯や歯周病など一般歯科をはじめ、予防歯科、インプラント治療、補綴、審美歯科まで幅広く対応しています。インプラント治療については、大学病院でインプラント治療を手がけている歯科医師と連携し治療に臨んでいます。また麻酔注射に工夫を凝らすなど、歯科治療につきものの痛みにも配慮しています。平日の診療時間は19時半まで。学校や仕事でお忙しい方も通いやすいよう、土曜日も18時まで診療しています。
力を入れている診療・治療について教えてください。
当院ではマイクロスコープを導入し、根管治療などに役立てています。肉眼の最大20倍サイズで見ることができるので、導入前後では治療の精密さが格段に変化しました。上下左右が反転した状態で治療を行うことになるため訓練が必要な医療機器ですが、今では当院の診療に欠かせないものとなっています。マイクロスコープを活用すると、肉眼では捉えきれない微細な破折、つまり歯根のひびを発見することができます。また再根管治療を行う際には歯の根に入れてあるお薬を取る必要がありますが、マイクロスコープで根の先まで確認することで、細菌感染のもととなる既存の薬の取り残しを防ぎ、きれいな治療がめざせます。
マイクロスコープを使用することで、患者さんはより安心して治療を受けることができますね。

はい。なお歯根の先を治療する際に器具が折れてしまうことがありますが、マイクロスコープであれば、それらを見落とすことなく除去することもできます。除去できないと治療がしっかり進められないため、外部の歯科医師から依頼され当院で処置するケースや、患者さん本人から相談を寄せられるケースなどが多々あります。
設備面ではCTも導入されたと伺いました。
はい。最近になってCTも導入しました。奥歯や前歯の大きさ・形は人によって異なります。また普通のエックス線撮影機器だと、根尖病巣という根の先の患部の大きさや広がりが正確には把握できません。一方、CTだと状態をより詳しく知ることができるので、経過を予測したり、治療計画を立てたりすることに役立ちます。CTを導入したことで、患者さんにとっての利便性向上にもつながります。例えば、親知らずの抜歯の際には神経血管の位置を事前にCTで撮影する必要がありますが、これまでは外部機関で撮影いただいていました。現在は当院で撮影を行い、治療が可能だと判断すればそのまま当院で完結できます。わざわざ別の病院でCTを撮影する手間が省けたことで、患者さんも時間を有効に活用できるようになったと思います。
患者の納得を得るインフォームドコンセントを重視
診療の際に特に心がけていることはありますか。

私は開業からこれまで、一貫してインフォームドコンセントを大切にしてきました。丁寧かつ理解しやすい説明を心がけ、カウンセリングに時間をかけるようにしています。歯科治療の目的は「患者さんのお口の健康」ですが、加えて患者さんが納得して治療を受け、満足してもらえなければ意味がありません。今の歯の状態・必要な治療・保険診療と自由診療の違いなど、時には資料を交えながらご説明しています。患者さんより納得感を得やすいように、最近では歯の健康状態をより精密に可視化できるCTも用いて説明しています。可能な限り伝わりやすい言葉選びを心がけていますが、聞き慣れない歯科用語があるかもしれません。話の意味がわからなかったり治療についてご要望があれば、遠慮なくお聞かせいただきたいです。
勉強会にも積極的に参加していると伺いました。
1人で治療を進めているとどうしても行き詰まることがあります。そのため、歯科医師の集まるグループに所属し、自分とは異なる目線での解釈や、新しい情報に常にふれるようにしているのです。マイクロスコープ導入のきっかけも勉強会でした。また実際に自分が診療を行わない領域でも、常に情報を集めることで患者さんとのコミュニケーション手段となります。歯科医師としての経験も長くなり、一通りの治療を提供できるようになりましたが、まだまだ学ぶことは多いと感じています。患者さんのニーズも多様化していますので、広く積み重ねてきたキャリアをさらに深く掘り下げて、今後もより専門的な歯科治療を提供していければと思っています。
最後に読者へメッセージをお願いします。

当院はお子さんからご高齢の方まで、さまざまな患者さんのお口の悩みに対応しています。今後も研鑽を積み、地域の皆さんに寄り添った診療を心がけていきたいです。特に最近ではCTとマイクロスコープを使った治療を、さらに磨いていきたいと考えています。より良い材料を使ったり、患者さんの多様なニーズに応えたりすることができるという意味では、自由診療でマイクロスコープを使ったメニューを提供していくことにも挑戦したいです。読者の中には「いつ歯科医院に行けば良いかわからない」という方々もいらっしゃるはずです。私としては目安として半年に1度、何もなくてもメンテナンスを受けることをお勧めします。虫歯や歯周病も初期段階ではほとんど自覚症状がありません。そのため定期的なクリーニングが、お口のトラブルを予防することにつながります。お口のお悩みがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/38万5000円~、オールセラミッククラウン/11万円~、メタルセラミッククラウン/7万7000円~