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三好正倫 院長の独自取材記事

三好歯科クリニック

(藤沢市/湘南台駅)

最終更新日:2023/12/04

三好正倫院長 三好歯科クリニック main

藤沢市湘南台にある「三好歯科クリニック」。煉瓦造りの外観、吹き抜けの待合室、パーティションのない木目調の診療ユニットなど、落ち着いた雰囲気の中にも開放感のある歯科医院である。院長の三好正倫(みよしまさのり)先生は、東京工業大学大学院で高分子工学を専攻し、株式会社ブリヂストンで研究開発に携わっていた経験を持つ。現在も治療の傍ら、独自の研究を続けており、話の端々に追究心がうかがえる研究熱心なドクターである。歯科医師を志したのは、「人との対話を通して役に立つ仕事をしたかったから」と語り、歯科医師として重要なのは患者との信頼関係だという。医師として、研究者として、患者に最適な歯科医療を提供したいという三好先生に、じっくりとお話を伺った。

(取材日2014年12月18日)

歯を残すために、「治療」から「予防」への思考転換を

こちらでは「スイートプラン」をご提案しているそうですが、どういった治療なのでしょうか。

三好正倫院長 三好歯科クリニック1

「いかに歯を残すか」、それが私の診療方針です。「スイートプラン」は、そのための総合的な歯科治療と考えていただければいいと思います。例えば「歯が痛い」と言う患者さんがいるとします。歯科医師としてまずしなければならないことは、その痛みを取ることです。けれども、そういった対処療法だけで原因を取り除かなければ、また同じところが痛くなってしまいます。なぜ痛いのか、なぜ虫歯になるのか、その原因を探っていくと、歯並びであったり、噛み合わせであったりする場合も少なくありません。それを知ったうえで、最適な治療をするための綿密な治療計画を立てて治療し、アフターケアをし、予防につなげる。それが当クリニックがご提案する「スイートプラン」です。ただ大がかりで高度な治療を必要とする場合が多いので、必ず患者さんとご相談し、治療費を概算でお出しするようにしています。

歯を残すためには、具体的にどのようなことに力を入れていらっしゃるのでしょうか。

予防と噛み合わせです。日本では「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という8020運動が始まって25年ほどたちますが、実際は10本に満たないのが現状です。一方、歯科予防の先進国であるスウェーデンでは、80歳で25本の歯を残すという目標を達成している人が多くいます。ところがスウェーデンの人は、1日のうちに2分くらいしか歯を磨いていないそうです。食生活を見ても夜中に平気でケーキを食べたりしている(笑)。日本人の方が歯磨きを丹念にしているし、甘いものもそれほど食べていないのに、歯を残すことができない。その理由は、スウェーデンの歯科医療が予防中心であるのに対して、日本は治療中心という古い考え方だからです。「歯医者さんは痛い、怖い」というイメージがあるのはそのためです。けれども本来なら、歯が痛くないときに行って悪くなるのを防ぐ、それが歯科医療だと思います。

噛み合わせは、予防にどのように関わってくるのでしょうか。

三好正倫院長 三好歯科クリニック2

歯を失う原因は主に虫歯と歯周病ですが、実は歯にかかる負荷が要因になる場合も多いんです。人間は上下の歯がふれあっている時間は、食事も含めて1日に20分程度と言われています。ところが噛み合わせが悪かったり、ストレスなどによって歯を食いしばることが多かったりすると、必要以上に歯同士が接するために過分な力がかかり、歯と骨がはがれる、歯根がぐらつくなどして、最後には抜けてしまう。特に年を取ると、筋力が弱ってきて歯にかかる負担が大きくなるんです。「どっこいしょ」と言って立ち上がること、ありますよね? これはグッと歯を食いしばってバランスをとっているのです。ところは歯がなくなると、バランスが取れなくなって転びやすくなる。そうするとケガをしたり、最悪の場合骨を折ってしまったりするので、生活レベルにも関わってきます。それだけではなく、歯がなくなると舌が下がってきて鼻呼吸ができなくなる、無意識に口呼吸になるんです。口呼吸は喘息の原因と言われていますし、誤嚥性肺炎を引き起こしやすくなります。ですから噛み合わせや歯並びは、お口の中の健康だけでなく、心身の健康にも大きく影響しているのです。

何よりも重要なのは、患者と医師との信頼関係

先生は高分子材料の研究をされていた経歴をお持ちですが、歯科医師に転職したのはなぜですか。

三好正倫院長 三好歯科クリニック3

はじめは東京工業大学に進学したのですが、それは科学が好きだったからです。就職したときも、いろいろな研究開発をして社会の役に立ちたいという志に燃えていました。ところが企業の一員になると、当たり前のことではあるのですが、自分で決められることがとても少ないんです。例えば研究開発をしていざ製品にしようと思っても、いろいろな事情でできなくなっていく、その歯がゆさに日々悩んでいました。私はこの状態で続けていくことができるのだろうかと。そこで、研究を続けながら自分で判断できる仕事はできないだろうかと考えるようになりました。研究というのは、モノとの会話です。それなら人と会話をすることで何かを解決していく、そんな仕事をしたいと思うようになりました。そして出した結論が、歯科医師になることだったんです。実は私は小学校の頃、虫歯によって歯が抜けてしまって、中学1年生の頃から差し歯が必要になってしまい、歯ではずいぶん苦労したんです。ですから歯にはとてもコンプレックスがあり、そういった方の悩みも理解できます。幸いなことに手先も器用だったので、「それなら歯医者がいいのではないか」と、いわゆる脱サラを決断して歯科医師の道に進みました。

先生が歯科医師になって、重要だと思ったのはどんなことでしょうか。

患者さんとの信頼関係ですね。私は医師として、新しい治療法や材料についての勉強を重ね、一生懸命治療をします。けれどそれだけではダメで、患者さんも私を信じて治療を受けてくれるかどうか、そこも大切だと思っています。お互いの信頼関係がないと、最適な治療は絶対に成り立たないと感じています。患者さんと医師が、お互いに問題や情報を分かち合っていかなければなりません。そのためには知識の積み重ねや技術を磨くことはもちろん、人間性も磨いていく必要があると思って頑張っているつもりなのですが、やはりまだまだ足りない部分がたくさんあると思います。今はまだ、患者さんに育てていただいている部分も多いと感じていますが、だからこそ私の元にきていただている方には予防の大切さ、噛み合わせや歯並びの重要性をきちんとお伝えしたいのです。

印象に残った患者さんとのエピソードがあれば、お教えください。

三好正倫院長 三好歯科クリニック4

女性の患者さんなのですが、歯並びが悪くて口元にコンプレックスを持っていた方がいました。ちょっと受け口だったようなのですが、いろいろ治療をしているうちに噛み合わせが狂ってきて、下あごが前に出ているような印象になってしまったんですね。ところが、それを直すには歯を抜いた方がいいといわれ、相談にいらしたのです。私は歯を残すことを第一に考えていますので、噛み合わせをはじめとした矯正などさまざまな角度から治療をして、歯を抜くことなく、お口の中をベストな状態にすることができました。口元がきれいになったことで、周りの方からも「きれいになったね」と言われるようになり、性格まで変わったとおっしゃっていました。その方は北海道出身で湘南台に住んでいたのですが、「こっちに住んでいていちばん良かったことは、先生に会えたことです」と言われたときは、すごくうれしかったですね。その方は北海道に帰ってしまいましたが、今でも何かあると、ちょっとしたことでもここまで来てくれるんです。そういった信頼関係が築けたことも、私にとっては非常にうれしいことです。

全身のトータルケアの基礎となる歯科医療を提案したい

今後、新たに取り入れたい治療法など、将来の展望があればお聞かせください。

三好正倫院長 三好歯科クリニック5

やはり治療というよりは、今以上に予防へとシフトしていくことですね。さらに、虫歯や歯周病の予防というところからもう少し広げて、全身の健康に対するトータルケアのお手伝いをしていきたいと考えています。特に噛み合わせが心身にどのように影響していくかということを知っていただき、小さい頃から虫歯のない状態を作ってさしあげられたらと思っています。そのためには当クリニックがどのようなことを大切に考えているかを知っていただき、皆さんとの信頼関係を築いていきたいです。

お忙しい毎日だと思いますが、休日などはどのようにリフレッシュされているのでしょうか。

私は研究が好きで、それが趣味のようなものなので、今から考えると趣味が高じて歯科医師になったといってもいいかもしれません(笑)。ですから、けっきょくは休みの日でもここに来て、新しい素材について考察をしたり、研究をしたりしています。口腔疾患の治療素材で新しいものが発表されたら、ともかく試さないと気がすまないんです。私が科学系の研究員だったこともありますが、素材に関してはおそらくどこの歯科医師よりこだわっていると思います。例えば金属アレルギーを持っている方はセラミック素材を使うわけですが、100%セラミックというものはなく若干の金属成分が含まれている場合もあります。それが原因で健康被害を引き起こしてしまう患者さんもいる。それをできるだけ避けたいと考えているんです。それから私が今独自に取り組んでいる研究は、マウスピースです。それも、単に歯並びを矯正するためのマウスピースではなく、体調を整えるためのものです。カラダのバランスを良くして転びにくくしたり、柔軟性がアップしたりするようなものですね。将来的にはそういったものも、治療に取り入れていけたらいいと考えています。

では最後に、読者へのメッセージをお願いします。

三好正倫院長 三好歯科クリニック6

患者さんといい関係を築けるクリニックにしたい、それが私のめざすことです。歯科医療に関しては最初にもお話ししましたが、私が皆さんに伝えたいことは「いかに歯を残すか」。その重要性を知っていただきたい。歯科医院は「悪くなった後」ではなく、「悪くなる前に」行くところだということを、多くの方にお伝えしたいのです。そのために日々勉強と研究を続けています。患者さんとともに成長し、良いお付き合いを長く続けていけるような関係でありたいと思っていますので、お気軽にご相談ください。患者さんに笑って帰っていただける、そんなクリニックをめざして、予防を中心とした全身のトータルケアを全力でお手伝いします。

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