東 修平 院長の独自取材記事
東歯科医院
(霧島市/国分駅)
最終更新日:2025/10/15
霧島市の中心部、国分駅より徒歩3分の複合施設内にある「東歯科医院」。2007年の開院以来、一般歯科から予防歯科、歯周病治療やインプラント治療、審美歯科、歯科口腔外科、小児歯科まで幅広く対応している。「口腔内をトータルで捉えた診療」に尽力する東修平院長は、保険診療だけでなく自由診療でも良質な治療を提供。同院のコンセプトである「永続性」を実現するため、マイクロスコープなどの先進機器を備え、東京や大阪で開かれる勉強会にも積極的に参加している。「お口の機能を守るには、治療だけでなくメンテナンスが欠かせません。歯科衛生士の役割はとても大きいですね」とチーム医療の重要性について語る東院長に、同院の診療方針や歯科医療への思いについて話を聞いた。
(取材日2025年9月16日)
チーム医療を徹底し、できる限り歯を残す治療をめざす
現在、どのような患者さんが多くいらっしゃいますか?

地域の方々はもちろん、鹿児島市や鹿屋市、県外など幅広い地域からお越しいただいています。中には、県外に引っ越したにもかかわらず、年に1回は定期的に来院される方もいらっしゃいます。ご自身が通われていて、今ではお子さんを治療に連れて来られている方も。長くお付き合いしている患者さんがほとんどですから、一緒に年齢を重ねていることを実感しているところです。初診時に治療方針やメンテナンスの大切さなどをしっかりお伝えし、治療に関する説明を丁寧にしていることから、定期的に通うことの重要性を納得いただいている方が多いように感じます。
定期的なメンテナンスには歯科衛生士さんの存在も大きいですね。
治療は歯科医師だけで進められるものではなく、歯科衛生士がいてこそ成り立ちます。治療の場面では歯科医師の役割が目立ちますが、「歯を守る」「予防する」という点では、歯科衛生士の存在が非常に大きいですね。歯科医師としては、できることなら治療をしなくて済むのが理想です。その状態をいかに維持し、壊さず、長く食べられる機能を保つか。そのためには、歯科衛生士の力が欠かせません。当院では、歯科衛生士がプロとして自立できるよう、院内での育成はもちろん、各種勉強会への参加費をサポートするなど、スキルアップを後押ししています。当院で経験を積むことで、他のどこへ行っても活躍できる力をつけられると信じています。
チームで診療に取り組まれているのですね。

ありがたいことに、当院はスタッフ同士の雰囲気が良く、結婚や引っ越しなどやむを得ない理由がない限り長く勤めてくれる人が多いですね。患者さんとの良好なコミュニケーションづくりにおいても助けられています。それは、開業当初から当院の文化として形成されていて、チーム医療に欠かせない力になっています。また、歯科技工士さんも精密な治療を行う上で、なくてはならない存在です。例えば、審美歯科の自由診療では、歯科技工士さんに必ず当院まで来ていただいて、治療前の打合せをしています。患部の写真を撮り、模型を作るなど少しずつ進めていきます。それぞれの力を合わせるチーム医療を発揮できているからこそ、患者さんに検査・診断から治療、メンテナンスまで、トータルな歯科治療が提供できているのだと思います。
診療の基本は「永続性」を考えた包括的歯科治療
診療方針についてお聞かせください。

当院は保険診療、自由診療ともに対応していますので、患者さんによって要望は異なります。保険診療で治療を完結させたい方もいますし、初診時から自由診療をお求めの方もいます。口腔機能の「永続性」を考えたとき、保険診療内ではどうしても難しいことがあれば、自由診療をお勧めすることもあります。その場合は、やはりコストと時間がかかることを丁寧に説明しています。患者さんに納得して治療を受けていただくため、説明にはかなりの時間を費やしていますね。1本の歯が駄目になっているのは、その歯だけの問題ではないということまで考えなくてはいけません。木を見て森を見ずでは、いけないんですね。口腔内をトータルで診る治療をめざしていますが、患者さんの要望や生活背景に寄り添いながら、誠実な治療を心がけています。
自由診療ではどのような分野に対応されているのですか?
セラミックやホワイトニング、インプラント治療など幅広い自由診療に対応しています。しかし、自由診療一択というわけではありません。例えば、かぶせ物で用いるセラミックは天然の歯に近く、歯茎の負担にも配慮できるというメリットがありますが、歯の状態によってはセラミックよりも保険適用の金属のほうが適しているケースもあります。また、どうしても歯を抜かなければ厳しい場合には、ブリッジ、入れ歯、インプラントなどの選択肢がありますが、ブリッジは他の歯に負担がかかることから、インプラント治療を勧めることもあります。見た目を良くするために、大がかりではない歯列矯正を行うこともありますね。このように、トータルバランスで考えて診療内容を選択できるよう、幅広い分野をカバーしています。
インプラント治療のための骨造成や歯周外科にも対応していらっしゃいますね。

当院の診療方針は「歯を残す」ことですから、できる限りインプラント治療に至らないことが望ましいと考えています。それもあって、インプラント治療に関しては他院から紹介の患者さんがほとんどです。「すでに歯がない状態のため何とかしてほしい」といったご紹介も多いですね。骨が不足している場合には、まず「骨造成」を行ってからインプラント治療に進みます。また、重度の歯周病に対しては、歯周外科治療を行います。その中には歯周組織再生治療や歯周形成治療、さらにはインプラント治療も含まれます。また、根管治療ではマイクロスコープを用いて精密な処置を行い、その様子を録画して患者さんに見ていただきながら説明することも可能です。このように、マイクロスコープや歯科用CT、レーザーなどの先進機器は早い段階から導入し、さまざまな治療法を駆使しながら「残せる歯を残す」ことに力を尽くしています。
予防で口腔機能を守ることが歯科医師のミッション
先生が歯科医師を志したきっかけは?

もともと歯科医師に興味があったわけではないのですが、高校1年生の時の恩師の影響で、歯科医師を志すことになりました。というのも、その先生は勉強にとても厳しく、クラス全体を引き上げてくれるような方でした。僕は手先が器用でプラモデルなどが好きでしたから、工学部に進もうと考えていたのですが、恩師から歯学部を勧められたんです。たしかに歯科医師も手先の器用さが求められますし、機能面や美しさも含めて、ずっと機能して長く使えるように考えていかなければいけません。アートのような奥深い世界だなと魅力を感じました。また、歯学部に入学して、実際に歯科医師になった時に、父がとても喜んでくれました。たくさんの人の応援があってこそ、今があるのだと感じています。
診療で大事にしていることは何でしょう?
患者さんの口腔内全体を診て診療を行う「包括的歯科治療」を基本に、質の高い治療の提供を心がけています。当院では歯を抜くことは、臓器の一つを取ることと同じだと考えていますから、できる限り歯を残す治療を念頭に、そのための説明も欠かさず行っています。「ちょっと面倒かもしれないけれど、一緒に治療を頑張っていきましょう」といったスタンスです。お子さんの治療においても、虫歯をできるだけ小さく削ることを心がけていますね。治療後であっても、ずっと使い続けていくうちに、必ずどこかにゆがみが出てきます。痛みはなくてもゆがみが出た場合も、すぐに対応できるようメンテナンスの重要性を伝えることも大事にしています。
最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

現在、歯科医療は「口腔機能をどれだけ維持できるか」、つまり予防歯科を重視しています。国の方針も同じような方向にシフトしています。これまでのように「治療だけをする」風潮から変わってきているんですね。子どもの虫歯が減少したことで「歯医者さんの仕事が減りますね」と言われることもありますが、実際にはそうではありません。大切なのは、健康な口腔内をどう維持するかです。治療をしなくても健康な状態が保たれるのであれば、それが理想です。予防でどれだけ皆さんのお口の健康を守っていけるか、それが歯科医師の最大のミッションだと考えています。これからも、治療とメンテナンスを確実に一つ一つ積み上げて、患者さんのお口の健康を守っていきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/1歯33万円~、骨造成(GBR)/5万円〜、審美歯科(オールセラミッククラウン)/1歯8万8000円~、歯周組織再生治療/1歯5万円~、ホワイトニング/1顎2万2000円~、上顎洞挙上術(サイナスリフト・ソケットリフト)/10万円〜、ダイレクトボンディング/1歯2万円〜、部分矯正/5万円〜

