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山崎 光男 院長の独自取材記事

ひかり耳鼻咽喉科

(市川市/北国分駅)

最終更新日:2024/10/18

山崎光男院長 ひかり耳鼻咽喉科 main

北総鉄道北総線北国分駅の目の前に位置する「ひかり耳鼻咽喉科」。ドクターに扮したパグ犬のキャラクターと山吹色が目印だ。外気が入って室温が変化することを防ぐために二重となっている入口をくぐると、笑顔のスタッフと山崎光男院長が迎えてくれる。山崎院長は、東京慈恵会医科大学附属病院や国立がん研究センターで副鼻腔や咽頭、甲状腺、咽頭などのがん治療に携わってきた高度医療の経験者。一方で、治療を求めて転々とする患者を救うために漢方薬にも目を向けている。「治療中に子を押さえつけることに抵抗があるお母さんがいる」「お酒で顔が赤くなる人は禁酒したほうがいいが、私も含めてなかなかやめられないですよね」などと、気持ちをくみ取る姿勢も持ち合わせている。ゆったりと優しい口調で話してくれる山崎院長に、話を聞いた。

(取材日2015年9月1日/情報更新日2024年10月8日)

頭部から頸部までのがんの診断や手術を経験

2007年に開業する以前は、大学病院やがんセンターに勤務されていたそうですね。

山崎光男院長 ひかり耳鼻咽喉科1

東京慈恵会医科大学を卒業後、大学病院に10年間おりました。その間に3年間、国立がん研究センターにも勤務しました。そこでは、副鼻腔、咽頭、甲状腺などをはじめ、口腔外科の範囲とも重なる口腔や咽頭などのがん治療を経験。もともと、自分の体の細胞が変化して人間を死に至らしめる腫瘍というものを不思議に思い、興味を持っていたんです。がんに関しては、大学病院よりもがんセンターで深く専門的な治療に携わることができましたね。そのため、大学病院に戻ったものの再びがんセンターで勤務することを希望し、最終的には合計8年勤務しました。がんセンターでは、手術が非常にうまく頭の良い部長に恵まれました。手術の腕を上げるには、解剖の熟知と先を見る目、「この辺に血管がある」などと予想する目が必要だと思います。そうした力をお持ちの方でしたね。

開業してみて、病院との違いは何だとお感じですか。

開業医院は病院に比べると比較的気軽に受診できるものだと思います。その一環として電話予約制を導入しました。診察開始時間の目安がお母さんのストレスを減らすことになればと思っています。また、大学病院とは患者層も違いますね。開業するまではお子さんを診たことは少なかったですから。がんの原因はさまざまですが、例えば咽頭がんになるリスクは、お酒を飲めなかったのに飲めるようになって飲み続けてしまった人が高い、という結果が出ています。飲み始めて顔が赤くなる人は要注意。初めから飲める人はアルコール酵素の分解力があるが、弱い人はそうではないからです。だから、最初あまり飲めなかった人が、飲めるようになり、その後も飲酒を続けていると、発がんのリスクが高まります。がんセンターの患者層は壮・老年期の方が多かったです。

現在のクリニックの状況はいかがですか。

山崎光男院長 ひかり耳鼻咽喉科2

ありがたいことに多くの患者さんにご利用いただいている状況です。特に花粉症が流行する2月と3月は予約が取れない日があるくらいです。あとは学校や会社がお休みになる年末も混み合いますね。待ち時間が長くなりたいへん申し訳ない気持ちですが、それでも大丈夫という患者さんに対しては今後もしっかり診ていこうと思っています。患者さんの症状に応じては漢方の処方も行っています。

お子さんも多いそうですね。

6割はお子さんです。開業すると子どもの診察機会が増えるというのは承知していましたが、ここまで多いのは予想外でした。一人っ子が多い今、この近辺には3人、4人兄弟が少なくないんですよ。車通りが激しくありませんし、パチンコ屋や居酒屋などの開業が禁じられる風致地区でもあります。そういう環境も、子育てをしやすい要因でしょう。患者さんの症状は、風邪で中耳炎になったり、ハウスダストや花粉症などのアレルギーを発症したり。開業してからしばらくは、お子さんの診察ではいろいろな場面で悪戦苦闘していましたね。

親に「なぜ治すのか」を理解してもらう

お子さんを診る上で、どのようなご苦労があったのですか。

山崎光男院長 ひかり耳鼻咽喉科3

例えば、薬の量は体重から計算して処方しますが、慣れない初期には時間がかかってしまいました。電子カルテで薬の量が自動計算できるようになって時間を短縮しました。また、診察の際どうしても暴れるお子さんもいます。お母さんにおなかと手を、職員に頭を押さえてもらって治療します。でも、これも簡単にはうまくいかないんですよ。お母さんの中にはわが子をぐっと押さえることに抵抗がある人もいるんです。お子さんが痛い思いをしないようにがっちり抑えていただくようお願いしたいですね。私も早く処置を終わらせることに最善を尽くしています。

治療において心がけていることはありますか。

理解して納得してもらうことです。例えば、なぜ中耳炎を治さないといけないのかということについて、お母さんに正しく知ってもらうのです。そうしないと、症状がなくなったからといって通院を止めてしまう方がいるのです。症状がなくなったから治ったのではないんですよ。痛みが出ない滲(しん)出性中耳炎というのもあります。とりわけ小さい子は言葉で訴えることができませんから、大人が病気を正しく理解しておくことが大事です。滲出性中耳炎の症状については、概要を記したものを受付で配布しています。

子どもから大人まで幅広い層の治療経験をお持ちですが、印象的な出来事があればお聞かせください。

山崎光男院長 ひかり耳鼻咽喉科4

研修医の時に出会った患者さんで、卵巣がんを患っている方がいました。化学療法により二次性の白血病にかかり、相当な痛みに苦しんでいました。痛みの緩和にモルヒネを使用するのですが、当時は「最後の薬」と考えられているところがあったんです。モルヒネを使うということは本人にとっても厳しい現実と受け止められますから、使用には苦労もありました。患者さんのそばにいる時間が長い研修医だった私は、苦しむ姿を見ながら、除痛は大事だと実感しました。お産のように痛みを我慢した後に大きな喜びがあればいいですが、痛みを我慢しても何のメリットもない方もいます。そういう方の痛みを取り除かないままでいることは、ただ苦しい時間を長くするだけ。だから、痛みはなるべく取ってあげたいという気持ちを持って治療にあたっています。

患者自身の予防が大切

医師をめざしたきっかけをお聞かせください。

山崎光男院長 ひかり耳鼻咽喉科5

崇高な目的はなかったんですよ(笑)。国語と社会と物理が苦手だったから、生物の方面に進むしかなかったんです。医学部を選択したのは、耳鼻科医であった父の存在が決め手になったかもしれません。父は、青春時代は戦争で過ごし、趣味もなく、真面目一本で生きていた人。子どもをかわいがってくれ、海に連れて行ってもらったりお風呂に入れてもらったりしたことは、よく覚えています。私は何か言われると反発するタイプなんですよ。父はそれを見越して、私に医師になれと一切言わなかった。親の勝ちですね(笑)。父と同じ大学にも進みましたから、きっと内心では喜んでくれていたんじゃないかな。

地域の患者さんへアドバイスをお願いします。

山崎光男院長 ひかり耳鼻咽喉科6

咳のみ、もしくは発熱の症状のみで当院に来ていただく患者さんも大勢いらっしゃいます。ですが鼻や耳に症状が出ていない場合は内科や呼吸器内科を受診していただくのが理想です。それぞれでできる治療、できない治療があるのでご自身の症状に合わせて受診先を判断していただくのが大切です。再度違う科目を受診するとなるとご自身の負担にもなりますからね。その中でも、鼻水が5日くらい続くようなら来院し、鼓膜を診てもらうといいでしょう。最近は小児科でも鼓膜を診てもらうことができます。痛みを伴わない滲出性中耳炎は診断が難しいので、耳鼻咽喉科医に診てもらったほうがいいかもしれません。ただ、病気は予防が大事。うがいと手洗いはしっかりしましょう。うがいは水で十分。困った時はお気軽にご相談ください。

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