迫田 美智代 理事長の独自取材記事
みちよデンタルクリニック
(鹿児島市/武之橋駅)
最終更新日:2024/12/27

鹿児島市電1系統・武之橋駅より徒歩6分の「みちよデンタルクリニック」は、今年で開業20年目を迎える。クリニック内には大きな窓とバルコニーがあり、緑あふれる公園と川が見渡せるだけでなく、春には満開の桜が見えるという。理事長の迫田美智代(さこだ・みちよ)先生は、歯科医師として30年近いキャリアを持つスペシャリストで、「歯の治療は怖くて不安」という人も安心できるようなきめ細かな診療をしてくれる温かい人柄の持ち主。「口腔内のケアを健康寿命の延伸、エイジングケアにもつなげたい」という思いのもと、一般歯科のみならず、健康面や美容面の相談に乗ったり、アドバイスを行ったりしている。優しい笑顔と穏やかな語り口の迫田理事長に話を聞いた。
(取材日2024年9月27日)
歯科治療は、心を変え、人生を変えることにもつながる
先生が歯科医師を志したきっかけを教えてください。

子どもの頃、高齢の家族の歯が悪かったんです。私が中学生になる頃にはすでに入れ歯を使っていて、調整などで苦しんでいた姿を見ていたので「自分が良くしてあげられたらな」と思うようになりました。それが歯科医師をめざしたきっかけですね。ほかにも、叔母が歯科医師で、年齢を重ねてもバリバリ働いているのを見ていたのも大きかったかもしれません。女性が、家庭を持っても長く働いているという意味でも、医療系の職業には興味や憧れがありました。
実際に歯科医師になってみていかがですか?
内科などと異なり、治療した箇所が実際に目に見えるのが、歯科医療のすごくいいところだと感じています。私たち医療者だけでなく、患者さん自身やご家族にも治療を行ってどのように変化したかということが見ただけでわかるのは、もちろん責任も伴いますが、歯科医師として大きな仕事のやりがいにもなっています。お食事がしっかり取れるようになったり、お話がしやすくなったりということにつながれば、とてもうれしいです。患者さんの心や人生が明るくなるような、そんな歯科治療を提供していきたいです。
「歯科治療で人生を明るくしたい」という思いで日々診療されているのですね。

はい。「歯の治療が怖い」と、何十年も歯科医院に通えていなかった方のお口を以前拝見したことがあるのですが、歯がボロボロな状態でした。そういった方を一人でも減らすには、歯科のネガティブなイメージをなくすことが重要だと思っています。そのため、心が和むような雰囲気をつくるように心がけています。エステサロンのように内装にもこだわり、植物や絵を飾り、リラックスできるような音楽やリラクゼーションのためにアロマも取り入れています。あとは、治療の精度向上や患者さんの負担軽減のために、先進の機器・機材も積極的に導入しています。
患者の負担を軽減するために、迅速な治療に注力
どのような患者さんが多いのですか?

女性の患者さんが8割くらいですが、男性の患者さんもいらっしゃいます。もともとこちらに通っている奥さまやパートナーに勧められて、という方が多いかもしれませんね。ご家族や知人に勧めてくださる患者さんが多いのはとても励みになります。ご自身のお孫さんを連れて来てくださる方もいるんですよ。ご相談内容としては、ここ数年、マスク生活が続き、おしゃべりをしたり笑ったりするお口周りの筋肉を使う頻度が大幅に減ったからか、「たるみが気になる」という方が増えている気がします。見た目の問題だけでなく、食べ物を噛むのも、喉に送り込むのも筋肉なので、使わないと筋肉が衰えて飲み込めなくなるんですよ。一方で、歯ぎしりや、食いしばりが気になるという患者さんも増えてきています。
子どもも通ってもいいのでしょうか?
もちろん通っていただけます。歯並びの悪化を招くとされる「お口ぽかん(口唇閉鎖不全)」は歯科に通う子どもたちの約3割に見られるといわれています。口の周りの口輪筋の力が低下することにより見られる症状なので、あいうべ体操なども取り入れています。また、顎が小さいお子さんは、大人の歯がきちんと並ぶためのスペースが確保できず、歯並びがガタついてしまうリスクがあるので顎の骨の成長を促す「顎拡大装置」を用いた矯正を行うこともできます。大人の歯が生えそろう前に開始することがとても大切です。お子さんが受診に対して不安を感じることもあるかと思いますが、私も働くスタッフの皆さんも子育て経験があり、お子さまに寄り添って治療していきますのでお気軽にご相談いただけたらと思います。
先生が、診療にあたり心がけていることなどはありますか?

コミュニケーションをしっかり取るようにしています。治療に入る前からインフォームドコンセントは特に丁寧に行っています。説明だけではわかりにくい場合は、イラストパネルや模型を使いますし、治療後には、口腔内の写真をお渡しするようにもしています。治療は的確かつ安全に、ということを心がけていますが、患者さんの痛みや負担の軽減を図る上でも「早さ」は大事な要素です。通院期間が長いと患者さんのモチベーションも下がってしまいますし、当院には離島など遠方から来られる方も多いので、可能な限り治療時間・治療期間を短く、通院回数を少なくするよう心がけています。インプラント治療も、基本的には2回の来院で完了することをめざしています。また矯正を行う際は、口輪筋を鍛える口唇筋力固定装置を用いて診療しています。
スタッフさんについても教えてください。
スタッフがテキパキしてくれているのも当院の強みだと思っています。女性だけなので話しやすく、皆さん子育ての経験があり、お子さん連れでいらしてもお子さんが退屈しないようにみんなで工夫してくれますし、お子さんが治療を受けるとなった際も、不安を和らげられるよう対応してくれます。もちろん技術的にも優秀で、歯科衛生士たちはベテランなのでいつも頼りにしています。また口腔外科専門の歯科医師が診察する際は、親知らずの抜歯も「思っていたより痛くなかった、腫れなかった」と思っていただけるように心がけて治療を行っています。
健康寿命を延ばすなら、まずは口腔の健康から
先生は、歯科医療についての講演会などもされていると聞きました。

そうですね。当クリニックのコンセプトもそうですが、むし歯治療だけが歯科医療ではなく、むしろそれ以外が大事だと考えているので、企業や学校などにも出向いて活動させていただいています。講演会のテーマとしては「咀嚼と唾液の大切さ」や「お口から始まる健康寿命」など、むし歯予防にとどまらず、包括的な内容を伝えています。ここ数年は、陸上競技をしている高校生にスポーツ用マウスガードを推奨する活動もしています。スポーツ用マウスガードは、ケガの防止はもちろん、力の軽減に役立つことからパフォーマンスの向上も期待できるため、スポーツをされている方はぜひ活用してほしいですね。
今後の展望を聞かせてください。
これまでよりさらに小児・矯正・訪問診療に力を入れて、地域医療に貢献したいと思っています。来年にはクリニック名を変更する予定なんです。患者さんの中には正しく噛み合わせができていない方も多く、むし歯や歯周病などの疾患につながってしまうことも珍しくありません。患者さんからも歯並びが気になるといったご要望を多くいただくため1人でも多くの患者さんが笑顔になれるお手伝いをしたいと思っています。目立ちにくいマウスピース型装置を用いた矯正なども対応していますし、現在新しい矯正歯科専門の先生を非常勤に迎え、患者さんの診療を行っています。もちろんこれまでどおりむし歯やインプラントなどの治療は変わらずに行っているので気軽にご相談ください。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

美容室に行くような感覚で、クリーニングやメンテナンスに来ていただけたらと思います。最初は審美的なご相談だったとしても、歯科医師として口腔内を確認し、必要な治療をお伝えします。「片頬にだけたるみ、ほうれい線がある」といった一見美容に関するお悩みも、実は「片側にむし歯があって噛み合わせがアンバランスになっていた」ということが原因だったりすることもあるんですよ。歯周病やむし歯などをしっかり治療することは、糖尿病・心臓病・肺炎などの予防にもなり、将来の健康につながります。診療は基本的に予約制ですが、「歯が痛い」とか「詰め物が取れた」などの急なご相談にも対応していますので、困ったときはご相談ください。これからも一人ひとりの思いや気になるところを丁寧にお聞きし、患者さんに寄り添う治療を心がけていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/33万円~、顎拡大装置による小児矯正/3万3000円~、インプラント治療/22万円~、ホワイトニング/5500円~、スポーツ用マウスガード/1万1000円~