噛み合わせのトラブルから歯を守る
矯正やインプラント治療
北川歯科医院
(大津市/石場駅)
最終更新日:2025/08/04


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歯を健康な状態に保つためには、噛み合わせが重要なポイントとなる。噛み合わせのバランスが崩れた状態が続くと、一部の歯に不自然な負担がかかり続け、歯の破損や虫歯、最終的には抜歯にもつながるリスクがあるからだ。どれほどしっかりとした治療を受けても、噛み合わせが改善されないままでは、いずれトラブルが再発してしまう。とはいえ、噛み合わせの大切さは、まだ広くは理解されていない。「北川歯科医院」の北川佳祐副院長によると、悪くなった部分だけを治療して、悪くなる原因の改善が行われていないことも多いそうだ。北川副院長に、噛み合わせの重要性や改善につながる治療などについて解説してもらった。
(取材日2025年7月10日)
目次
天然歯をトラブルから守るため噛み合わせに注目。丁寧なカウンセリングを通して適した治療を提案する
- Q丁寧なカウンセリングを心がけているそうですね。
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A
▲患者の歯をできる限り残せる治療の提供に努めている
治療のゴールを明らかにするために、丁寧なカウンセリングは欠かせません。ゴールが明らかになると、治療に対する患者さんの積極性も向上して、より長持ちする治療、理想的な治療についても検討されるようになります。キャンセルも少なくなります。治療方法が定まっていないと、虫歯があるから削って詰めるという治療に終始しがちで、噛み合わせなど根本的な問題の解決につながりません。当然、再び治療が必要となって、患者さんの負担になってしまいます。当院の場合、相談に来られたほぼ全員の患者さんのお口の中の様子を口腔内スキャナーで記録し、患者さんにも鮮明な画像を見ていただきます。
- Q噛み合わせを重視されていると聞きました。
-
A
▲モニターを用いて丁寧な説明を心がけている
不正咬合があるなど噛み合わせに問題があると、強く噛み合っている部分から歯が傷んで、歯を失ってしまうリスクがあるからです。例えば、6番目の奥歯は噛む際に一番力がかかります。噛み合わせのバランスが悪くて、この6番目に不自然な力がかかり続けると、歯にひびが入り、そこから細菌が侵入して虫歯になります。虫歯なので削って詰める治療を行って機能回復を図りますが、根本原因の噛み合わせを改善しないと、再び虫歯や歯の破損が起こって、抜歯を余儀なくされます。若い間はまだ大丈夫なのですが、噛み合わせの問題を放置すると60代以降にトラブルが次々起こり、お金も時間もかかるため苦労される方は少なくありません。
- Qなぜ、噛み合わせのバランスが崩れるのですか?
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A
▲マイクロスクープを使用し、より精密な治療を行う
原因は本当にさまざまです。子どもの頃の顎の発育が不十分で、全部の歯がきちんと並ぶためのスペースが不足して歯並びが乱れ、上下の歯が正しく噛み合わないケースや、受け口など骨格の成長のアンバランスから不正咬合が起こっている方もおられます。こうした場合は、その方に適した矯正の検討が必要です。一方、虫歯治療で歯を削ったものの、詰め物やかぶせ物の調整が不十分で、噛み合わせが乱れていることも少なくありません。歯周病で歯が抜けた、歯がグラグラしているといった状態なども、噛み合わせの乱れの原因になります。さらに、ストレスなどから歯ぎしりや食いしばりをしている場合も、噛み合わせに影響を与えます。
- Q歯並びが乱れている場合は歯列矯正が必要ですか?
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A
▲目立ちにくく、痛みも少ないマウスピース型装置を用いた矯正
厳密に言えば、ほとんどの方に矯正が必要だと思います。自然のままで、噛み合わせがきれいに整っている方はほとんどいません。見た目には問題のない歯並びでも、しっかり噛めていない方も多いですね。当院では、口腔内スキャナーでほぼ全員の患者さんのお口の状態を記録しており、どの部分が強く当たっているなど、噛み合わせの確認を行えます。矯正は成人、小児ともに対応しており、大人の場合はマウスピース型装置を用いた矯正をメインに行っています。お子さんの場合は、できるだけ早期に始めるほうが負担は少なく、顎の健全な成長を促す矯正をお勧めしています。通常は6、7歳頃から、受け口のお子さんは5歳頃がスタート時期です。
- Qインプラントも噛み合わせの改善に役立ちますか?
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A
▲先進のガイドシステムを用いながら治療にあたる
インプラントは歯を失った方に提供する治療で、崩れてしまった噛み合わせのバランスを復活させるために役立ちます。当院では、治療の安全性、確実性の向上をめざしてリアルタイムで手術の様子を確認できる新しいガイドシステムや3次元のエックス線画像診断装置を導入しており、患者さんの負担軽減にもつながっています。さらに、口腔外科出身の父と補綴が専門の僕が協力して治療を行えることも当院の特徴です。ただし、インプラント治療が必要になるということは、その部分に何らか歯を傷める原因があるはずです。もし噛み合わせの問題で歯を失ったのなら、インプラントを入れても再び悪くなるため、まずは矯正をお勧めする場合もあります。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正(成人):55万~110万円、小児矯正:44万円(1期治療)、55万円(2期治療)、インプラント治療:39万6000~57万2000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。