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井野 智 院長の独自取材記事

神奈川歯科大学附属横浜クリニック

(横浜市神奈川区/横浜駅)

最終更新日:2019/08/28

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神奈川歯科大学、同大学大学院を卒業後、同大学職員に。同大学病院の副院長時代、「横浜クリニック」の経営改革を担う院長に自ら手を挙げたという井野智院長。「これだけの施設を改革していける、こんなチャンスはめったにないと思ったからチャレンジしたかったんですよ」と、さわやかに語る。院長着任後は、徹底した経費削減と、診療内容の充実で、経営を立て直した。歯科と医科の連携や、アジアを市場とする医療ツーリズムにも乗り出す行動的なリーダーだ。その一方、教育者として若い歯科医師を育てる意義を熱く語り、また、歯科医師としては、患者一人ひとりの物語を大切にした診療を理念とするなどヒューマンな横顔も持つ。スポーツで鍛えたダンディな風貌と優しい笑顔も魅力的な頼もしいドクターだ。
(取材日2016年2月24日)

横浜駅前で、大学附属クリニックの経営を担うドクター

まずこちらのクリニックの概略を教えてください。

当院は神奈川歯科大学が2002年に開院した有床診療所です。大学の横浜研修センターの中にあり、歯学部や歯科衛生士科の学生臨床実習、研修歯科医の臨床研修も行っています。診療科目は、歯科だけでなく、内科、眼科、耳鼻咽喉科も設けています。歯科は一般的な診療も行っていますが、専門性の高い診療内容も多く、他院から紹介で来院される患者さんも少なくありません。医科は、地域のかかりつけ医的なクリニックとして利用されています。横浜駅はターミナルですから、電車やバスで遠方から来られる方も多く、特に相鉄線沿線の方が多い印象があります。

診療面にはどのような特徴がありますか。

歯科の口腔外科や矯正外科は、複雑で難しいケースの親知らずの抜歯や、外科手術を伴う顎変形症の患者さんが紹介で来られることが多く、専門的な診療に対応しています。歯周病治療では、歯周病と脂肪肝との研究に取り組みながら、専門的な治療を行っています。インプラントは、歯周病の専門医が担当することが特徴で、インプラント周囲炎の研究にも取り組んでいます。また障害者歯科は、神奈川県障害者歯科診療システムの高次医療機関として、一次二次医療機関で治療困難な方を受け入れています。眼科の白内障手術や、内科の大腸内視鏡検査、耳鼻咽喉科の睡眠時無呼吸症候群の検査治療など、入院を伴う診療に対応できるのも特徴だと思います。

院長先生のプロフィールを教えてください。

東京の三鷹出身で、父が歯科の医療機器に関わる工場を経営していたことや、姉が神奈川歯科大学に進んだことから、私も後を追うように歯科の道に進みました。卒業後、もっと勉強を続けたいと思い、大学院の総義歯の教室に入局しました。総義歯を学んでおけば、何でもできるようになるだろうという考えでしたが(笑)、総義歯は奥が深く、また学生たちに指導するようになって教育者としての面白みも感じるようになり、神奈川歯科大学に残りました。同大学附属病院の小林優院長先生のもとで、副院長をしている時に、こちらのクリニック院長の学内公募があり、これだけの施設を改革できるのはいい経験だと考えて立候補しました。

院長として経営を立て直し、診療や教育にも携わる

院長に就任されて、どのような取り組みをされたのですか。

まず徹底的な経費削減に取り組みました。例えば清掃サービスは患者さんが使うところだけで、あとは自分たちで掃除しようと、掃除機を買うことから始めました(笑)。一方、矯正治療やインプラント、口腔外科の名物ドクターを招聘したり、消化器内科や睡眠時無呼吸の専門外来を設けるなど診療内容を充実させました。地元の歯科医師会とも交流を深め、より良い関係づくりに努めました。当初は私もまだ40代で、先輩の先生方も多く、反発も大きかったですね。ただ診療面では優秀な先生方がたくさんいらして、すでに地域の患者さんから信頼されるクリニックでしたから、マネージメントをしっかりすることで立て直せました。若いドクターやスタッフの協力も大きかったですね。今も院長としての重圧はありますが、小林先生や大学の理事長などいろいろな方に助けていただきながら、がんばっています。

診療にも携われているということですが、歯科医師としての専門や診療方針をお聞かせください。

私の専門は、入れ歯などの補綴分野です。研究テーマはミニマルインターベンション、侵襲の少ないできるだけ歯を削ったりしない治療で、世界的にも評価されている接着剤を用いた治療です。診療方針としては、いわゆるエビデンスベイスドメディスン、科学的根拠に基づいた治療をすることは当然ですが、それだけでなく、ナラティブベイスドメディスンも重要だと考えています。患者さんにはそれぞれ人生があり、物語がある。患者さんの家族環境や生活環境を考えた上で、より適した治療を提供しなければならないという考え方です。症状や治療に関して情報は提供しますが、絶対に無理強いはしないのが、私の方針です。グラグラの歯でもどうしても歯を抜きたくないと言われれば受け入れて、患者さんにとってより良い方法を共に探していくことを大切にしています。

歯学部の教育者としては、どのような方針をお持ちですか。

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もともと大学に残ったのは人に教えることの喜び、魅力を知ったからなんです。一人の歯科医師として診られる患者数は限られていますが、歯科医師を育てれば、それだけ多くの患者さんの役に立てるわけです。また、若い学生たちとふれあっているのは若さを保つ秘訣だと思うんですよ(笑)。学生には、患者さんは十人十色だから、同じような症状の治療でも、昨日はうまくいっても今日はうまくいかないこともある。毎回真剣勝負で取り組んでほしいと伝えています。そこが歯科の面白みでもあるわけですね。歯は1回削ってしまったら二度とは元に戻せませんから、慎重に治療するようにとも伝えています。私が歯科医師になったのはバブルの頃で、歯科医師はもてはやされていました。いい時代もそうでない時代も経験して、最近はまた歯科医療の重要性が見直され、歯学部の志願者が増えてきたのでよかったなと感じているところです。

医療ツーリズムにも取り組み、さらなる発展をめざす

ところで、お忙しい毎日ですが、プライベートな時間の過ごし方を教えてください。

休みの日は、ほとんど何もしないんですよ。早起きをして自宅近くの海岸沿いを散歩して、明るいうちにお風呂に入って、妻と一緒に料理を作って飲んで食べて、日が暮れるころには寝ます(笑)。それが休みの日のささやかな楽しみですね。ミュンヘンに留学していたので、ビールにはちょっとこだわりがありますね。あとは長期の休暇がとれたら、海外旅行に出掛けるぐらいです。

クリニックとして、これから取り組んでいきたいことは?

当院の医科をもっとアピールしていきたいですね。横浜駅から近くとても便利な位置にありますし、CTや内視鏡など検査機器も充実していますので、大腸がんの検診や、人間ドックなどももっと利用していただきたいと思っています。また、アジアの患者さんを対象にした医療ツーリズムも手がけたいと思っています。日本でメディカルチェックを受けたいという方も多いですし、インプラントなど日本の歯科医療に対する信頼も高いので、積極的に進めたいと考えています。大学でも、近いうちに都内やシンガポールにサテライトクリニックをつくる予定ですので、それも視野に入れて、アジア全体、環太平洋に目を向けた診療を展開したいと思っています。また、歯科と医科を融合した総合的な診療が当院の強みですので、医科と歯科、両方のライセンスをもつ内科ドクターを招聘し、取り組みを始めたところです。歯科大学の強みをより生かしたクリニックをめざしたいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

特に、お母さん方には当院の小児歯科を知っていただきたです。当院では、歯並びや噛み合わせ、咀嚼、発音などの成長発達を管理して、健全な永久歯列を誘導しています。矯正歯科や口腔外科専門の医師と協力しながら治療を進めていきますので、歯並びや噛み合わせが気になるときは早めにご相談ください。また、障害や重い病気のために歯科医療が受けられない方や、全身麻酔など特別な配慮が必要な方にも対応しています。お子さんの虫歯は少なくなっていますが、健康な歯や噛み合わせのための管理や教育は大切ですので、親子で来ていただければと思います。当院は、矯正やインプラント、親知らずの抜歯など専門的な歯科治療はもちろんのこと、内科、耳鼻咽喉科、眼科の診療も行っていますので、ぜひ気軽に活用してください。

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