井上 栄一 院長の独自取材記事
いのうえ歯科クリニック
(桶川市/桶川駅)
最終更新日:2025/09/11

2006年開業の「いのうえ歯科クリニック」は、2017年に桶川市役所のほど近くに移転。やわらかな木材と白を基調とした外内装がぬくもりを感じさせる、2フロアの広々としたクリニックへと生まれ変わった。歯科医師は井上栄一院長を含めて6人。「患者を家族と考えた治療方針を立てる」「どのタイミングで誰が担当しても同じ治療を提供する」ことをモットーに、常に学び、高いモチベーションで一人ひとりの患者に向き合っている。虫歯などの一般歯科はもちろん、インプラント治療や矯正歯科、予防歯科にも注力。すべての患者に口腔の健康を通して生活の質を高めてほしい、と考える井上院長に話を聞いた。
(取材日2025年8月18日)
「聞く・知る・共有する」を大切にした診療スタイル
2017年の移転は、何がきっかけだったのでしょうか?

大学卒業後、臨床研修医を経て神奈川県にて7年勤務、そして2006年に開業しました。地元が北本であり、開業するならこのエリアが良いと考えていました。移転のきっかけは、来院数が増えて以前のクリニックでは対応しきれなくなったことです。当初は分院の開業も検討しましたが、スタッフに「どうしたい?」と尋ねたところ、「クリニックを大きくして、皆で一緒に働きたい」という声が多く、それならと今の場所に2フロアのクリニックを建てることにしました。以前はビル内のテナントでしたが、移転後は広さが倍以上になり、ユニット16台のうち11台は完全個室、そのほかも準個室となっており、プライバシーにも配慮。手術室や予防ルーム、滅菌専用ルームも備え、ゆったりと診療に向き合える環境となり、患者さんはもちろんスタッフからも好評ですね。
スタッフ間のコミュニケーションも大切にされているのですね。
そうですね。当院では、歯科医師が矯正歯科医師含め7人、歯科衛生士10人、歯科助手7人、受付4人、クリーンスタッフ3人、事務2人と、総勢33人で患者さんをお迎えしています。それぞれの職種にマネジャーがおり、常に情報を共有していますが、全体でのミーティングも月5~6回は実施、症例の共有はもちろん、院内環境での気づきなども話し合い、より快適な治療を提供できる空間づくりに取り組んでいます。特に、歯科医師の間では治療内容や技術に関する情報共有を徹底。口頭だけではなく、資料として残せるよう専用フォーマットを用意し、いつどのタイミングでどの医師が担当しても同じ治療を提供し、患者さんがストレスを感じることのないようにしています。
どの歯科医師が担当しても同じクオリティーの診察を提供、とても心強いですね。

絶対の安心感を持って来院していただけるように、その点は徹底したいと考えています。例えば、当院では一般歯科だけでなくインプラント治療や矯正にも力を入れていますが、技術や診療への視点を統一するために勉強会を開いたり、外部のセミナーを一緒に受講したりして、先端の知識を学んでいるんです。その上で歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士が連携し、スピーディーでリスクの少ない治療提供に努めています。患者さんの希望に沿った治療方針を共有することで、どの歯科医師が担当しても、変わらない高品質で安定感のある診療を受けていただけるように心がけています。実は私、昔からとても痛みに弱いんです(笑)。できるだけ「怖くない歯科治療」には強くこだわっています。
可能な限り要望に沿った治療を追求するために
クリニックの特徴や強みを教えてください。

口腔外科や保存修復、矯正など各分野の専門家がそろい、チーム医療ができることが私たちの強みです。さらにCTやレーザー、マイクロ顕微鏡、3Dスキャナーといった先進設備を備え、3D映像で診療内容を視覚的にご説明できるのも特徴です。その上で、適切な医療内容をご提案しています。イベントを開催するなど地域に密着した取り組みも大切にしています。移転に伴いスペースが広くなったこともあり、バリアフリーに対応し、ゆったりとした内装を整えることができました。また、インプラント治療や矯正にはとても力を入れています。他院でインプラント治療を断られて相談に来られる患者さんも少なくありません。メーカーから依頼を受け、外部の歯科医師向けの講習会を開くこともあり、さまざまな地域から来院し、受講されています。
難症例のインプラント治療でもご相談可能だとか。
子どもの頃からものづくりやプログラミングが好きで、どちらも歯科医師の仕事に役立つだろうと思ったのが進路を選んだきっかけの一つでした。ですから、システムを用いたインプラントの設計は得意分野なんです。専門的にも技術と知識を身につけていますので、「骨が薄くなっているから」などと、他院で治療が難しいと言われてしまった方にも、一度ご相談いただきたいと思います。インプラント埋入手術をサポートするガイドシステムを利用し、難しいケースでもご要望に応えられるよう努めています。インプラントの利点は、見た目の美しさだけではなく、噛む力を取り戻すために役立つ方法だということ。他の歯への負担を減らし、生活そのものの質を高めるために適した治療だと考えています。患者さん向けの勉強会を定期的に開いており、インプラント治療の理解を深めるお手伝いもしております。
矯正はどのような方にお勧めですか?

「矯正は子どもだけのもの」と思われがちですが、実は大人の方にとっても有用な治療です。整った歯並びは見た目が美しいだけでなく、良い噛み合わせや将来的な歯の健康維持にもつながります。歯がきちんと並んでいると清掃性が高まり、虫歯や歯肉炎の予防にも有用です。私はいつも初診の患者さんに「8020運動を中心に、お口の健康を保ち、QOLを高めていきましょう」とお伝えしています。矯正もその一つの手段。早い時期に始めるのが良いのはもちろんですが、大人になってからでも遅すぎることはありません。中には70歳を過ぎて矯正に挑戦される方もいらっしゃるんですよ。
虫歯・歯周病予防を啓発、イベントも通じて地域に貢献
予防歯科の大切さについて教えてください。

小さなお子さんから高齢の方まで、幅広い年齢の患者さんに来院いただいていますが、歯科診療の最終的なゴールは、患者さんのお口の健康を保ち、質の高い人生を送っていただくことだと考えています。そのため、最初のカウンセリングでは「お口の健康から全身の健康へつなげ、健康寿命を延ばしていきましょう」と、予防歯科の重要性についてお話ししています。PMTCやエアフローという専門的な歯の清掃、フッ素塗布、ブラッシング指導を定期的に行うことで、虫歯の再発や抜歯リスクを減らし、歯から全身の健康へとつなげてほしいと思っています。それを徹底できれば、本来歯科医師は必要のない存在になるんですよね。そんな未来が来ると良いなと思っています。
何度も来院される方が多いのは、そこが信頼されているのでしょうね。
当院では、初診カウンセリング、現状説明を行うセカンドカウンセリング、終了カウンセリングなど、多くのカウンセリングの時間を設けています。患者さんとしっかり治療方針を共有することや、映像や画像を用いてご自身のお口の中を常に確認していただくことが、リコール率、つまり定期健診で再来院する患者さんの割合が高いということにつながっているのかもしれません。最初に撮影した画像と治療後の画像を最後にお渡しし、歯の健康を保ちたいと思っていただくことが、私たちの喜びでもあります。また、お子さんが来院を怖がらないよう、10年以上前から季節ごとに夏祭りやハロウィーンを楽しむほか、歯医者さんごっこなどのようなキッズイベントも行っています。「また行きたい」と思ってもらえる場所でありたいですね。
最後に今後の展望や患者さんへのメッセージをお願いします。

気になることがあれば、まずご相談ください。当院ではコンピューターと、ミリングマシンという専用の削り出し機械を使い、セラミック製の詰め物やかぶせ物を短時間で作るシステムも導入しています。従来の型採りではなく、3D光学カメラで歯をスキャンすることで、最短1日での治療が可能です。このシステムを活用すれば、白い歯の詰め物やかぶせ物、インプラントまで、多様な症例に対応できます。今までハードルが高かったインプラント治療なども、より身近に感じていただけるかもしれません。興味をお持ちの方は、月ごとに開催している説明会にぜひ足を運んでみてください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(診断料・インプラント手術・上部構造臼歯)/45万1000円~、大人の矯正/71万5000円~、セラミックインレー/6万9400円、セラミッククラウン(臼歯)/8万2500円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。