櫻田 雅彦 理事長の独自取材記事
オリオン歯科医院
(白井市/西白井駅)
最終更新日:2025/10/07

白井市大松の住宅街に溶け込む、まるでカフェのような外観の建物。この地で長く親しまれている「オリオン歯科医院」には、家族ぐるみで通う近隣住民だけでなく遠方からも多くの患者が訪れている。櫻田雅彦理事長をはじめ複数の歯科医師の専門性を持ち寄り、虫歯や歯周病などの一般歯科はもちろん、インプラントや矯正治療、口腔内の問題の根本的な解決を図る全顎治療など、口腔のさまざまな悩みに対応。その診療内容の幅広さと、歯科衛生士や歯科技工士も加えたチーム医療が特徴だ。歯の悩みに広く対応するための設備と体制を整えた同院には、他院からの依頼も多い。1997年の開業以来、多くの患者の歯を見守り続け、「歯も含めて、ご自身の健康を大切にしてほしいと思います」と語る櫻田理事長に、同院の特徴や患者のニーズについて聞いた。
(取材日2025年8月30日)
遠方からも多くの人が訪れる「町の歯医者さん」
こちらは長く地域に親しまれている歯科医院だと伺いました。

当院の開業は1997年。私が最初に開いた歯科医院で、現在5院あるグループの本院にあたります。住宅街の中にある「町の歯医者さん」ですが、虫歯や歯周病などの一般歯科はもちろん、インプラントや矯正など専門性の高い治療や、長期間かけて口腔内の問題の根本的な解決をめざす全顎治療にも対応しているのが特徴です。それもあってか、近隣にお住まいのご家族だけでなく、遠方からも患者さまが来院されています。歯の悩みに広く対応できるだけの設備と体制を整えていますので、他院からご依頼を受けることも多いですね。どのような患者さまでもできる限り受け入れ、保険診療・自費診療のどちらであっても最善の治療を提供できるよう尽力しています。気づいたら開業して30年近くたち分院も増えてきましたが、ここまで続けてこられたのは、ともに歩んできた歯科医師、歯科衛生士、スタッフたちのおかげだと思っています。
歯科医師の専門性を持ち寄り、難症例にも対応しているのですね。
はい。それぞれに得意分野を持った20人以上の歯科医師が、グループ全体を支えています。基本的には一人の歯科医師が治療完了まで同じ患者さまを診る担当医制を敷いていますが、高度な技術が必要な難症例では担当医制にこだわらず、その分野のスペシャリストが治療にあたります。私も普段は本院で診療することが多いのですが、専門であるインプラント治療や歯周外科治療に関しては、グループの各院に出向いて診療しています。また、歯科衛生士も担当制です。一人の歯科衛生士が同じ患者さまを継続して担当することで、症状の変化や状況を理解しやすく、患者さまとの信頼関係も築きやすいのがメリットですね。ベテラン歯科衛生士は各院で後輩の指導も行うなど、法人全体のレベルアップを図っています。また歯科技工士が常駐しており、義歯や補綴物の色合い調整など、歯科技工物の精度向上にも努めています。
診療において、開業当初と比べて変化を感じる部分はありますか?

患者さまの持つ情報量が多くなってきて、要望の幅が広くなってきたと感じます。ある程度の情報を調べてからカウンセリングに来る方も多い印象です。歯に意識を向ける方が増えてきたのは良い傾向だと思います。ただ、インターネットなどで得た情報が必ずしも正しいとは限りません。その場合には歯科医師より正しい情報をお伝えし、ご納得いただいた上で一緒に治療計画を立てていきます。また開業当初は元気で通われていた方が、年齢を重ねて通院困難となるケースも増えてきました。限定的ではありますが、長く通ってくださった患者さまへの送迎や訪問診療も行っています。
専門性の高い歯科医療で患者のニーズに応える
理事長の専門であるインプラント治療について、特徴を教えてください。

患者さまの体への侵襲を考え、全身や口腔内の健康状態も確認しながら、無理のない設計・計画で行う方針です。骨造成や抜歯即時埋入、複数のインプラントで全体を支える治療法、歯茎を切開せずにインプラントを埋め込む「フラップレス手術」など、専門性の高い治療法にも対応しています。手術室は2部屋あり、精密な検査・診断のための歯科用CTや、術前に骨の量や密度、歯茎の内部の状態などを分析できる術前シミュレーションシステムをはじめ、大学病院並みの医療機器を備え、効率的かつ衛生面にも配慮した環境となっています。また、インプラント治療には手術が必要なため、不安を感じる方もいらっしゃるかと思います。当院では患者さまの負担をできるだけ少なくするために、手術時の麻酔には腕から麻酔薬を注入する静脈鎮静麻酔を取り入れています。難症例などで遠方から来られて術後に移動が困難な場合には、宿泊先までの送迎にも対応しています。
その他に力を入れている治療はありますか?
予防歯科に力を入れています。口腔内のチェックやクリーニング、ブラッシング指導に加えて、自由診療での歯のクリーニングを行うPMTCを希望される患者さまが多いですね。PMTCは歯科医院で歯科衛生士が専門の機械で行う歯のクリーニングのことで、通常の歯磨きでは落としきれない歯の表面の汚れや歯垢、バイオフィルムなどを除去するために行います。当院のPMTCでは、高圧のスプレー洗浄で汚れを落としていくので、歯の表面を傷つけにくいのが特徴です。PMTCの後にホワイトニングを行うこともできますので、審美性にこだわる方にはPMTCとホワイトニングを一緒に受けるようご提案することも。また最近では年齢を問わず歯列矯正の需要が高まっています。
歯列矯正はやはり審美面の改善を目的とするケースが多いのですか?

必ずしもそうとは限りません。特にご高齢の方ですと、審美面というよりも「健康のための矯正」という認識です。というのも、虫歯や歯周病の原因となるのは「菌」と「力」なんです。この力、つまり歯への過剰な負荷をコントロールするための方法の一つが矯正治療。歯を失った方に関しては、インプラントも同様に有用です。ワイヤー矯正に抵抗がある方も多いのですが、現代ではマウスピース型装置を用いた矯正方法もあります。どちらも部分矯正も可能ですし、選択肢が広がったことで矯正を始める方が増えたように思います。
歯も含めて、自分自身の健康を大切にしてほしい
今後、力を入れていきたい分野はありますか?

画像撮影施設などと協力して、MRI検査を歯科治療に生かせればと考えています。院内でエックス線や歯科用CTによる検査は可能ですし、それだけでも多くの情報を得られるのですが、MRIでは顎関節などの状態がより詳しくわかります。歯科治療にうまく組み込めれば診療の幅は広がるでしょう。そのために、私たちももっと勉強する必要がありますね。
ところで、理事長はなぜ歯科医師になろうと思われたのですか?
両親や親戚など身近な人に歯科医師はいなかったですし、自分でもよく覚えていないんです。ただ、歯科医師は何をするのかが具体的で、わかりやすい職業だというイメージがありまして、神奈川歯科大学に進学しました。子どもの頃、いくつか通った歯科医院の中で印象に残っているのが、いわゆる「町の歯医者さん」です。高齢の先生が診療して、奥さまが受付に座っているようなこぢんまりした歯科医院で、子どもが一人で行っても受け入れてくれるような優しい雰囲気がありました。当時は歯科医院に嫌なイメージしかありませんでしたが、その歯科医院は好きで何度も通った記憶があります。もしかしたら、私の歯科医師としての原点は、あの歯科医院にあるのかもしれません。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

歯も含めて、ご自身の健康を大切にしてほしいと思います。というのも、ご高齢の方は若い方と比べると、ご自身よりもお子さんやお孫さんのことを一番に考えているように私には感じられるのです。その優しさは素晴らしいことですが、ぜひご自身の健康にも目を向けてください。そのために歯科に求めることをお聞かせいただければ、患者さまの思いを実現できるよう、私たちは最善を尽くします。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/48万円~、骨造成/6万円~、静脈鎮静麻酔/7万円~、ワイヤー矯正/65万円~、マウスピース型を用いた矯正/40万円~、PMTC/1万円~、ホームホワイトニング/1万5000円~