山脇 典士 院長の独自取材記事
山脇歯科
(広島市安佐南区/長楽寺駅)
最終更新日:2025/02/26

一般歯科の他、セラミック治療やインプラント治療を得意とする「山脇歯科」は、長楽寺駅から徒歩4分。山脇典士(やまわき・のりお)院長は、患者のことを第一に考える真面目で熱心な先生だ。治療では、見た目の美しさだけでなく、詰め物などが長持ちする治療を心がけ、患者のQOL向上に尽力。精緻な診療を大切にし、検査機器の充実も図ってきた。歯科用CTやマイクロスコープをはじめ、コンピューター制御でセラミックの詰め物を製作するCAD/CAM冠システムを導入。その他、根管治療で唾液内の菌が神経に侵入しないよう、ラバーダム診療も採用している。「人生100年時代ですから、できるだけ長持ちして再治療をしなくても済むと患者さんも助かると思います」と語る山脇院長に、得意な治療や患者への思いを聞いた。
(取材日2023年9月27日)
セラミックの修復治療やインプラント治療に注力
こちらの歯科医院の特徴について教えてください。

一般歯科からインプラント治療、ホワイトニングまで幅広く対応しています。人生100年時代ですから、見た目の美しさだけでなく、患者さんのQOL向上をめざした治療を基本としています。当院では、虫歯治療ではセラミック治療を、失った歯の治療ではインプラントをお勧めしています。これらは長期的に見て再治療のリスク低減が期待できる方法だからです。例えば、銀歯を入れる虫歯治療では、金属と歯の隙間に虫歯ができてしまいやすいため、再治療が必要になるケースも。金属アレルギーが起こるリスクも考えれば、セラミックのほうが優れていると考えています。自費診療ですから、それぞれの治療の特徴をよくご説明して、最終的には患者さんに納得できる治療を選んでいただきます。
院内設備にもこだわりがあるそうですね。
はい。最適な治療を行うためには正確な診断が大切ですから、当院では先進の診断設備を導入しています。歯科用CTやマイクロスコープ、口腔内スキャナーなどを備えています。診断に力を入れる理由は、正しい診断が良い治療につながるから。患者さんが痛いと訴える歯を診るのはもちろんですが、周りの歯もきちんと診ないと正確な診断はできません。たまに、他院で治療したものの痛みがなくならないという患者さんが来られます。その場合は問診や検査を駆使して、痛みの原因となる場所を突き止めないと解決しません。「いつもと違うところはどこだろう」と正常ではない部分を探しながら治療するのは、実は歯科医師として一番燃える時でもありますね(笑)。
歯科医師をめざしてからこちらで開業に至った経緯をお伺いします。

小学校の頃に、歯科医院で治療を受けた時の先生がとても優しく印象に残っていたことがきっかけです。2000年に広島大学歯学部を卒業後、広島市内で3年勤務しました。学生時代から開業を決めていたということもあり、こちらのクリニックを開業しました。この辺りは僕の地元で実家もすぐそこなんですよ。アストラムラインができたりと、昔とは街の風景も様変わりしましたね。それでもよく知っているこの場所にいると安心感がありますし、同級生や先輩、後輩など顔見知りが来院してくれることもあります。
最短1日で作製が可能なセラミックの修復治療
力を入れている治療について教えてください。

メタルフリー治療・ラバーダム診療・インプラント治療に力を入れています。メタルフリー治療は、虫歯などの詰め物をセラミックで行う治療です。歯型を採ることなく、CAD/CAM冠システムによるコンピューター制御で修復物を作製します。虫歯治療というと、昔は仮詰め後に銀歯を入れるのが一般的でした。ですが、金属を詰めたところは歯と一体化するわけではないので、密着性が甘いとまた隙間ができて、銀歯の下で虫歯が進行してしまうリスクがあります。しかしCAD/CAM冠システムで作製すれば、土台の歯にピッタリと合った隙間ができにくい精密な修復物の作製がめざせるので、再治療のリスク軽減も期待できます。治療法によって歯の寿命も違ってくる可能性があるのですから、金額面と条件面が合えばお勧めの治療です。またCAD/CAM冠システムは、その日のうちに装着が可能なので、仮歯を入れる必要がなく、通院の負担が少ないことも魅力です。
ラバーダム診療とはあまりなじみのない言葉ですが、どういうものですか?
セラミックの修復物を入れるときに、対象の歯以外をすべてゴムシートで覆って治療することをいいます。唾液にはさまざまな菌が潜んでいますから、神経の治療では唾液が入らないように注意が必要です。ラバーダムで患部以外をすべて覆うことで、唾液の浸入防止や唇などを切開してしまわないようにするのです。1時間という治療の時間制限はありますが、患者さんにメリットがあるので導入しています。海外では当たり前なのですが、日本の歯科医院ではまだまだ導入は進んでいないと感じます。当院では、信頼して通院してくださる患者さんにより確実な治療を提供したいという思いから、ラバーダム診療を基本としています。
インプラントについてはいかがでしょうか。

「4Sコンセプト」という診療方針で、できるだけ患者さんに負担の少ないやり方を採用しています。4つのSとは、「ショート、シンプル、スモール、セーフ」の頭文字。できるだけ短期間で、大げさな切開などをせず、低侵襲で安全にというコンセプトです。当院のインプラント治療ではガイドを使用しています。歯科用CTで決めた長さしか削れないようにして、ガイドで真っすぐに打ち込みます。方向と長さが決まるので、歯科医師個人の技術に左右されにくく、安全性を重視した治療をめざしています。
予防だけでなく健康増進や患者のQOL向上をめざして
診療で気をつけていることを教えてください。

患者さんに納得して治療を受けてもらうために、十分な説明を心がけ、症状に応じたそれぞれの治療の特徴やデメリットをじっくりお伝えします。虫歯治療一つにしても、銀歯やセラミックなど複数の方法があって、僕たち歯科医師は患者さんに説明責任があるのです。「保険診療なら銀歯」と決めつけずに、必ず患者さんに説明した上で選んでいただくようにしています。その際も、歯科医師としてお勧めしたい治療を優先するのではなく、患者さんが納得して選んだ治療を行います。例えば、銀歯の金属イオンが体に影響を及ぼし、金属アレルギーの症状を起こす可能性もあるでしょうし、もし自分が患者さんの立場で、説明もなく銀歯を入れられたらとても嫌だと思います。そうならないように患者さんが自分で治療を選べるだけの情報を提供することも、僕たちの仕事です。
予防歯科についてはいかがでしょうか。
最近では予防歯科の考え方が浸透して、歯科治療でも予防が主流になってきました。当院では予防歯科をベースにしながら、さらに1歩進んで健康増進をめざしたいと思っています。虫歯になってしまった歯を治療した後は、予防に気をつけながら、希望する患者さんにはホワイトニングや歯列矯正を行います。矯正などを通じて自分の歯で長く食事ができる状態をめざし、患者さんのQOL向上につなげたいです。メンテナンスを担当する歯科衛生士もたくさん在籍しているのですが、個人によって対応に差が出ないように、マニュアルを作成しました。メンテナンスの説明やクリーニングの流れをまとめていて、どのスタッフでも同じサービスが提供できるようにしています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

今、通ってくださっている患者さんの口内の健康維持に向けて、今後もメンテナンスを強化していきたいです。当院では治療や予防だけでなく、人生100年時代を見据えた健康増進にも力を入れています。ホワイトニングや矯正に興味がある方は、気軽にご相談ください。患者さんのQOL向上をサポートできるクリニックをめざし、僕自身も日々知識や技術の習得に努めます。歯科医院に苦手意識を持つ方も多いですが、症状を放置しないでできるだけ早く受診することをお勧めします。「過去に治療を受けたけれど痛みがなくならない」という方も、気軽に来院していただければと思います。当院では患者さんが納得した上で治療を進めていきますので、困ったことがあればまずはご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/1本44万円~、歯列矯正/70万円~、ホワイトニング/オフィス3万3000円~