太田 晋也 院長の独自取材記事
太田歯科クリニック
(宮崎市/日向住吉駅)
最終更新日:2022/04/04
宮崎市の北部郊外地として開発が進む佐土原町の新興住宅地にある「太田歯科クリニック」。2002年開業の同院は広い窓からやわらかな自然光が差し込み、明るい雰囲気にリラックスできる。バリアフリー設計となっており、スロープが設置されているので車いすやベビーカーでもそのまま診察室まで入っていける。専門分野を持つのではなく、すべてに対応できるようなオールマイティーな歯科医師でありたいと考えている太田晋也院長。クチコミで来院する人も多く、地域からの信頼は厚い。この地に開業して20年。「患者さんにとって安心、安全。お互いに納得して治療するクリニックであることを心がけている」という太田院長に、開業までの経緯や診療にかける想いを聞いた。
(取材日2022年3月2日)
現場で学んだ経験を生かし、患者一人ひとりと向き合う
歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。
祖父が歯科医師、父が歯科技工士で、歯科の仕事が身近にある環境で育ちました。幼少期は虫歯の治療が痛くて泣くような子どもでしたね。「歯科医師になる」と決意したのは中学3年生の時。卒業時の色紙の裏に将来の夢を書く際も、その目標を書いていました。色紙は今でも院長室に飾っているのですが「ちゃんと当時の目標を達成したんだな」と感慨深いですね。でも、大学に入学後、歯科の勉強をしている最中は「自分にこの仕事ができるかな」と不安になるときもありました。歯科医師としての自覚がしっかりと芽生えたのは歯科医師免許を取得してからです。患者さんと接することで、改めて歯科という分野に魅力を感じました。だから、研究の道に進むのではなく、早く現場に立とうと考えていました。
大学卒業後、すぐクリニックに勤務したとのことですが、どのような経験をされましたか?
当院を立ち上げた2002年までの3~4年間、尊敬する先生の経営するクリニックに勤務していました。歯科医師として多くの経験を得て、とても勉強になった時期でした。現場で学んだことは本当に多いですね。何よりも、患者さん一人ひとりにきちんと向き合う大切さを痛感しました。今でも覚えている経験として、年配の患者さんから麻酔が痛いとクレームがあったんです。そのときに「自分が向き合っているのは、血も感情も通っている『人』なんだ」と改めて気づくことができました。当時は仕事にも慣れ、慢心していた部分もあったのでしょう。今でも戒めとなっている、大切な思い出ですね。私にとっては毎日行っている慣れた治療も、患者さんからすると初めての経験で不安を抱いているかもしれません。だからいつでも患者さんに寄り添い、小さな作業でも手を抜かず丁寧に取り組もうと心がけています。
2002年に開業され20年とのことですが、この土地を選んだのはどんな理由からでしょうか。
実は開業するまではこの近辺には縁がなく、土地勘もありませんでした。でも、自然が豊かなロケーションが美しく、四季折々の景色を楽しめるところに惹かれました。ただ、知り合いがほとんどいない場所だったので、最初はクリニックの存在を周知する努力をしました。パンフレットを作り、近くの会社やお店を訪れて「歯科医院を開業します」とお知らせしたこともあります。その時に関わった方たちは、今でも通ってくださっているので、開業当初にたくさんの場所にあいさつに行ってよかったなと思いますね。また、その方たちが知り合いの方に紹介してくださることも少なくありません。20年間、地域の方に信頼してもらえてとてもうれしいです。
スタッフとも連携し、患者にとって安心できる場所に
診療の際、心がけていることを教えてください。
最も重視しているのは、患者さんにとって安全で安心できるようなクリニックでありたいということです。患者さんに気持ち良く通っていただき、「また来たいな」と思ってもらいたいですね。また、私は専門を持たず、歯科全般に携わりたいタイプ。患者さんのさまざまなニーズに応えられるよう、オールマイティーに対応しています。あとは、細かい治療に丁寧に取り組む気持ちは常に持っています。歯科では、歯の神経を取る、虫歯になった部分を削って詰めるなど、小さな部分への治療が少なくありません。こうした細部への治療こそ、おろそかにせず時間をかけ、丁寧に行っています。
クリニックはとてもアットホームな雰囲気ですね。
患者さんが、どんなことも気軽に相談できる「敷居の高くない」歯科医院をめざしています。私もざっくばらんになんでもお話しするようにしていますね。長く通っていただいている患者さんとは、遠慮せず本音で話せる間柄です。とはいえ、時には考え方の相違が浮き彫りになる場合も。例えば、私たち歯科医師が考える「口の健康」と、患者さんがイメージするものが異なる場合があるんですね。そんなとき、少しでも歯の状態を良くしてもらいたいので、私もつい熱く語ってしまう場合もあります。でも、ただ意見を押しつけるのではなく、患者さんの考えにも耳を傾け、どちらも納得できる方法を模索しています。
先生とスタッフの方の信頼関係もしっかりされていると感じられます。
現在2人のスタッフがいます。チーフは開業以来20年働いてくれています。2人ともとても頼れる存在ですね。歯科衛生士としての仕事はもちろん、私と患者さんの橋渡し役もしてくれています。患者さん一人ひとりの治療に関するご希望やご要望を聞き、当院での治療方針やスケジュールをお伝えしてもらっています。時には患者さんの求めるものに、保険診療だけでは対応できないケースもあります。その場合、当院でできることや費用を説明し、患者さんに納得していただけるようにしています。オンライン講習に参加したり、資格を取得したりするなど、とても勉強熱心で助かっています。また、新型コロナウイルスが流行してからは、感染防止対策に関することは自分たちで資料を集め、滅菌消毒を徹底するなどしっかり対応してくれています。
地域に根差したクリニックとして丁寧な治療を心がける
患者の年齢層はどれくらいの方が多いでしょうか。
幅広い年齢層の方がいらっしゃいます。年配の方と若い世代の方が半々くらいでしょうか。年齢の高い方は、都会で働いていた後、リタイアされて戻ってこられた方が多いようです。また、新興住宅が増えたため、お子さんとその親御さんも少なくありません。患者さんの世代により、歯科医院に対してのイメージが異なるような気がします。若い世代には予防のための診療が比較的浸透していて、親御さんがお子さんを連れて来られることもありますよ。虫歯予防のためにフッ素を塗ったり、歯列矯正を検討されたりする方が多いですね。年配の方は「歯科医院は痛くなったら行くもの」との感覚の方が少なくないため、虫歯の治療が中心です。もっと予防の大切さを伝えていけたらと思っています。
お休みの日はどんなことをされていますか。
音楽が好きです。大学時代はバンド活動に夢中でした。中学生の頃から始めたギターは現在も続けていて、宮崎県内はもちろん、県外にも音楽仲間がいます。以前は仲間と組んでライブを行うこともあり、市内のライブハウスで演奏していました。最近は新型コロナウイルスの影響もあり、ライブ活動は難しいのですが、状況が落ち着いたら音楽仲間たちとも集まりたいです。ギターはずっと独学で演奏しているので、もし時間ができたらきちんと基礎から学びたいとも思っています。音楽が一番のストレス解消方法ですね。
今後、どのようなクリニックにしていきたいですか。
来院してくださる患者さん一人ひとりと向き合い、丁寧な治療をしていきたいです。言葉にすると当たり前のようですが、日々できることをこつこつと積み重ねていくことがもっとも大切だと感じています。当院は、歯科医師は私1人、スタッフも2人と決して規模は大きくありません。だからこそ、スタッフと私の間でしっかりと連携を取り、患者さんのためになる治療を行っていきたいです。長く来院されている患者さんたちも、私自身も徐々に年齢を重ねていきます。その中で、自分たちができることを模索し、地域に根差した歯科医院であり続けようと思っています。最近は、水曜日の午後は老人施設に歯科の訪問診療に伺っています。地域の方の歯の健康を守る義務と責任を感じています。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正治療/部分3万円~・ワイヤー(学童期)40万円~・(成人)60万円~、セラミック/8万5000円~