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水野 清 院長の独自取材記事

栄生歯科

(名古屋市西区/栄生駅)

最終更新日:2021/10/12

水野清院長 栄生歯科 main

名古屋駅から1駅、名鉄名古屋本線栄生駅から歩いて1分。65年前に先代が開業した診療所を引き継ぎ、半世紀以上にわたり地域に親しまれている「栄生歯科」の水野清院長を訪ねた。一般歯科診療の他、歯周病治療に強みを持つ水野院長の快活で優しい声が気持ち良く院内に響く。「一番理想的なのは自分の歯の健康を保ち、いつまでもおいしくご飯が食べられることですよ」と話す水野先生は、治療手法においても見えない部分でさまざまな工夫を凝らしている。20年、30年来通い続けている患者数が200人を超える栄生歯科の魅力、水野院長の患者への思いを聞いた。

(取材日2016年6月13日)

上辺だけ診るのではなく、本当の原因を探る治療を

診察の進め方や、患者さんとの対話で大切にしていることを教えてください。

水野清院長 栄生歯科1

「まずは総合診断をするため、口全体が写る写真を撮りましょう」と、私は患者さんに問診の際必ずお伝えしています。患者さんが訴える痛みの原因を正確に捉え、正しい治療方針を提案するためには、その人が気になる箇所だけ診ても駄目で、疾患の原因が別の部分に起因している可能性も考えなければなりません。また、痛みなどの自覚症状がない場合でも、問題が見つかることがあります。表面的でない本質的な診断ができると、やはり治療の成功にもつながりますから、それが歯科医師と患者さんとの信頼関係を深めるのですね。一部だけ診るのではなく、全体を捉えた方が、患者さんのお口の健康づくりに寄与できると信じています。だから、来院の際、皆さんにお伝えしたいのは「一通り、口の中を全部見てほしい」という気持ちで来てくれるとうれしいです。

どんな患者さんが来院されますか?

先代から引き継いだ患者さんもいますが、近所の方が多いですね。この地域は空襲で焼けなかったという地理的条件も重なって昔から住んでいる人が多く、若い世代が転出したこともあり年齢層は高めです。ただ、最近は新規で若い人も増えてきましたし、外国籍の患者さんも増えており、タイ、フィリピン、オーストラリア、イギリス、中国、台湾、ブラジルなど多国籍です。意思疎通は片言の日本語で問題ないですよ。診療項目は一般歯科診療から歯周病、予防歯科、小児歯科、矯正など幅広くやっていますが、主な治療で多いのはぺリオ(歯周病治療)です。最近は一般的な知識としても、歯周病と糖尿病をはじめとする生活習慣病との因果関係や、口腔ケアが体全体の健康につながっていることなどが広がってきているので、治療提案も理解を得られやすくなりました。

歯周病をご専門にされていますね。

水野清院長 栄生歯科2

私が若い頃は、虫歯治療や入れ歯・クラウンなどの治療に進むのが多数派で、歯周病治療に進むのは少数派でした。歯周病に関する情報・知識はまだまだで、当然治療や手術の点数も保険制度に組み込まれていなかったのです。歯周病が保険治療として整備されてきたのは実は最近10年ほどのことなんです。ですから、私も勤務医時代は医療スタッフが総勢30名ほどの大所帯の中で、もっぱら保険外の治療を担当していました。ですが、開業を見据えた時に自分の足りない知識や技術を学ぼうと思い、歯周病に関する勉強をしたり、その他さまざまな治療に対応できるようになりました。

問診時のコミュニケーションを欠かさない

歯周病の治療は、時間を要すると思いますが患者さんのモチベーションアップ方法を教えてください。

水野清院長 栄生歯科3

モニター、写真、チャートを患者さんにお見せします。ビジュアル及び数値化したものをご覧いただくと、患者さんのモチベーションが変わっていくんです。実際に痛みや問題が改善されるのを実感できると、やはりモチベーションが上がるようです。また、PMTCを行って、虫歯や歯周病のリスクが高いところを歯科衛生士が清掃していきます。地道なお掃除が虫歯や歯周病を防ぎ、お口のコンディションを整えていきます。

歯科衛生士さんがたくさん在籍されているそうですね。

常勤で3名、非常勤の人が1名おり、忙しい日々のお仕事を頑張ってくれています。また、私自身も必要な状況であれば歯のお掃除をすることもあります。完全に治療を分業するのではなく、状況に応じて柔軟に行動することで、治療が滞ることがないようにするためです。歯科衛生士も私の性格を理解してくれているので、流れるように治療が進みますし、オペレーションはすべてマニュアルとしてもまとめてあります。勿論、マニュアルだけでなく、歯科衛生士の新人は先輩へ積極的に質問して技術を磨いていく慣習が当院にはあります。スタッフ同士、とても仲が良いことで醸し出す良い空気感は患者さんも感じてくれているのではと思っています。

スタッフみんなで患者さんに向き合っていらっしゃるのですね。

患者さんの状態を把握するため、問診によるコミュニケーションは欠かせません。しかし、私一人ではすべてを把握することは難しいです。なので、歯科衛生士がそれぞれの患者さんとお話ししながら、気になるところや本音を聞いてくれるのはたいへん助かっています。人柄もみんな明るく、気心知れたメンバーで診療しています。彼女たちが頼りになるからといって、私が患者さんをスタッフ任せにしているわけではなく、他の患者さんを治療していても、他の診察台での患者さんの会話はすべて聞こえていて、個々の患者さんの状況を把握しています(笑)。患者さんも長く通ってくれている人が多いので、大体のことは頭に入っているからというのもありますね。

長年通われている患者さんも多いのですね。

水野清院長 栄生歯科4

もう20年、30年通い続けてくださる患者さんが200人以上いらっしゃいます。「患者と歯科医師」という関係だけではなく、お互いにとって「よき話し相手」になっている人が多いですね。お土産を持ってきてくださる患者さんもいらっしゃいます。だいぶご高齢の方が多くなっていますが、うれしいことに、80歳で20本以上の歯を残せるようにがんばろうという「8020運動」において、西区でいつも当院が上位です。しかも、当院は合計数ではなく、当該年齢80歳になった患者さんのみを新規でいつも数えていますので、該当年齢80歳だけで高い実績を上げていることになります。この実績は誇りですね。

きっかけは何でもいいから歯科医院に通う習慣を

保護者の方へ伝えたいことはありますか?

水野清院長 栄生歯科5

当院では大人を診るのが基本方針ですが、患者さんのお子さんであれば、場合によっては診ることも。一般的に子どもは歯医者を怖がるので、大切なのはお母さんご自身が先に治療を受け、その様子を子どもに見せることだと思います。お母さんが安心して治療を受けている様子を見れば、子どもも安心します。子ども目線になって診療台に上がり、大人に囲まれて治療を受けることを想像してみてください。お母さんが治療を受けている様子を見ていれば、子どもの不安も減ります。少しの工夫で、歯医者さん通いの不安がなくなり、メンテナンスの習慣ができれば、それだけ健康な歯を維持できる可能性は高まります。

今後の抱負をお聞かせください。

これからも患者さんとのコミュニケーションを大切に、楽しく皆さんのモチベーションをあげて、お口の健康維持に貢献したいです。人はいくら自由に旅行に行くことができても、おいしく食べられなければ、楽しみが半減してしまいます。また、「いつもきれいな歯をしているね」と友達から褒められるのがうれしい、と話す患者さんの声は私が最もやりがいを感じる瞬間です。今後も元気に歯科医を続けるために、私自身の健康維持や体力の向上は欠かせません。そのため休診日は必ずしっかり休むようにしています。積極的な休養、そしてウォーキングで体の調子を整えていますが、診療中の患者さんとの楽しいやり取りが、何よりの元気の源かも知れません。

最後に読者さんへのメッセージをお願いします。

水野清院長 栄生歯科6

いつまでも自分の歯でおいしく食事を頂くことができて、健康に過ごせることが大切です。そのために歯医者に通ってほしいですが、その習慣づけは、例えば「白い歯になりたい」や「口臭が気になるので治したい」などのきっかけで良いと思います。「歯並びが気になる」という人も安心し矯正についても相談してください。ホワイトニングも若い人を中心にニーズが多くなっています。歯周病治療に関しても、年齢的にも骨が丈夫なうちにきてほしいですね。悪くなってからでは、治療に時間もお金も多く必要になります。自覚症状が出る前に「予防」という観点をぜひ持って、かかりつけの歯科医院を見つけてほしいと思います。

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