新田英人院長の独自取材記事

医療法人にった歯科

(北名古屋市／西春駅)

最終更新日：2024/03/14

名鉄犬山線西春駅から車で約3分、住宅街の大通りに面した場所に「にった歯科」はある。2001年に院長の新田英人先生が開業。同院は2フロアで構成され、それぞれ診療内容と空間デザインが異なる。天井が高く開放感のある1階では、新田院長が一般歯科、小児歯科を診療し、2階では口腔外科治療、矯正治療、インプラント治療などを専門の歯科医師が行っている。また、通院が困難な患者の送迎にも対応しており、小さな子どもから高齢者まで、安心して通える環境が整う同院。「治療はもちろん、それ以外の側面でも、また通いたいと思っていただける居心地の良さを提供したい」と語る新田院長。日々の診療において大切にしていることや今後の展望などについて、たっぷりと話を聞いた。

（取材日2017年5月9日）

些細なことでも「患者への気づき」を大切に
患者が気持ち良く通えるよう、送迎、土日診療も行う
治療以外でも「こまやかな気遣い」を忘れずに

些細なことでも「患者への気づき」を大切に

先生が歯科医師をめざされた背景を教えてください。

父が歯科医師でしたので、迷わず私もその道を選択しました。父の背中を見て育ち、多くを学び、父を尊敬する部分はたくさんあります。ただ一方で、中には父を反面教師にしている部分もあります。父は、故郷香川県で祖父の代から続く歯科クリニックの院長を務めていました。そこで日々、父を見ていたのですが、私の目に映る父は、歯科医療に対して厳しい歯科医師だったんです。患者さんに怖がられている訳ではなく、それが父のスタイルとして受け入れられ、信頼関係を築いていたと思います。しかし私は、クリニックは温もりがあり、歯科医師やスタッフとふれ合いやすいほうが良いと考えています。歯科治療はただでさえ怖い印象が強いと思います。怖い印象を少しでも払拭するために、私は和やかな雰囲気を大切にした歯科クリニックを開業したいという思いを抱いていました。

日々の診療で心がけていることはありますか。

治療によって症状を改善させることが歯科医師の主な役目だと思いますが、それだけでなく「またここに来たいと思っていただくこと」を大切にしています。最近は、痛みを感じて来院される患者さんは減り、治療後のケアや予防のためにいらっしゃる方が増えています。そういう方々に「ここに通いたい」と思っていただくためには、「細かい所まで気づいて差しあげる」ことが必要なんじゃないかと。例えば、細部まで時間をかけて治療したり、ちょっとした声かけや、足の悪い方にはサポートを行う。例を挙げるのは難しいですが、些細なことにも気を配り、それに自然に対応できる。そんな習慣をスタッフ全員で構築し、患者さんが気持ち良く過ごせる場にしたいですね。また、基本的なことですが、感染予防のために機器の滅菌・パッキングは徹底しています。患者さんが安心して治療を受けていただけるように、細心の注意払っています。

2フロアで構成されていますが、それぞれ診療内容が異なるのですか。

はい。1階では一般歯科、小児歯科を中心に私が診療しており、2階では矯正歯科と口腔外科、インプラント治療を、専門の先生に来ていただいて行っています。口の中のお悩みでいらっしゃったら、どんな症例でも当院が窓口になれるように、幅広い診療内容に応じています。より専門性の高い処置が必要な場合は病診連携を取りますが、その判断も含め、「にった歯科に行けば何とかしてくれる」と思っていただけたらうれしいです。

患者が気持ち良く通えるよう、送迎、土日診療も行う

送迎サービスへの患者さんの反応はいかがですか。

送迎は、当院を開業した時に始めたサービスです。最初は足の不自由な方に向けたものでしたが、今では小さなお子さん連れの方もご利用になります。有料なのかと問われることも多かったですが、無料で提供させていただいています。最近は、徐々にご利用される方が増えてきたように思います。後部座席は電動でゆっくりと動かすことができ、車いすをご利用の方は車を降りられてから院内まで、スタッフがご案内もさせていただきます。また、ご自宅への送迎に限らず、施設や近所のスーパーなど、患者さんのご希望に添ってお送りしています。送迎地域の範囲は特に設けていませんので、ご相談いただければできる限りお応えしたいです。

土日も診療されているのですね。

学校やお仕事などで平日に通えない方にも気軽に通っていただけるようにと、妻と話し合って土日も診療することを決めました。送迎もそうですが、これら診療以外の患者さんへのサービスは、妻が考えてくれています。妻はスタッフとして働いてはいませんが、一緒に良い歯科クリニックにしようと、患者さん目線で「どうしたら患者さんが通いたいと思ってくださるか」を考え、アイデアを出してくれます。私だけでは行き届かなかいところまでサポートしてくれますので、妻にはたいへん感謝しています。

患者さんの年齢層や傾向などはありますか。

小さな子どもから高齢の方まで、老若男女問わずいらしてくださっています。近隣にお住まいの方が比較的多いと思いますが、中には送迎サービスを利用して名古屋市内から通われている方もいらっしゃいますね。当院は患者さん同士のご紹介でいらっしゃる方が多く、それは本当に感謝しています。「ここに通いたい」「人にお勧めしたい」と思っていただけることが私にとって何よりの喜びですから。そのために、治療だけでなく接遇の面でも、思いやりのある対応を心がけ、居心地の良い雰囲気づくりに努めていきたいですね。

治療以外でも「こまやかな気遣い」を忘れずに

小児歯科の診療において、心がけられていることはありますか。

お子さんの診療は、まずはクリニックに慣れてもらうことから始めます。1回目に痛い・怖い思いをすると、ずっとその感情が残り、拒絶してしまう。それを避けるために、当院では初回から治療に入るのではなく、まずは日常の何げない話題や歯磨きのこと、歯のことをお話をして、ゆっくりと時間をかけて進めていきます。環境に慣れ、「怖くない」と感じられれば、私のことも受け入れてくれるようになり、とてもスムーズに治療が進むと思うんです。最終的に通院回数が増えてしまうかもしれませんが、お子さんが気持ち良く通い、治療や予防歯科に取り組むためには必要なことだと思っています。親御さんにはそれをあらかじめご説明し、「継続いただくことで、結果的に良かったと感じていただけると思います」とお伝えしています。共感してくださり、われわれと一緒になって、お子さんのために取り組んでいただけるとうれしいですね。

今後の展望を教えていただけますか。

今の状態を維持していくことです。2つ、3つとクリニックを増やし、規模を拡大していくという選択肢もありますが、自分の目の届かない状態でやっていくのは厳しいと思います。ある程度のことはできても、少なくとも現在当院で大切にしている「細かなところまで気がつく」コミュニケーションは難しい。それであれば、このままの状態でより良い治療・サービスを提供していくほうが、私にとって理想的です。そして、今いらっしゃっている患者さんがこれからも当院を選び、通いたいと思っていただけるように、「患者さんへの気づき」を大切に、来院しやすい居心地の良い歯科クリニックにしていきたいです。

読者へのメッセージをお願いします。

開院から16年、私にとって歯科医療はなくてはならない存在となり、この仕事を心から楽しいと思えるようになりました。「痛くなくなった」「噛めるようになった」とおっしゃっていただけることは、ありがたく感じます。患者さんと何げない会話を楽しめる瞬間にも、いつも喜びを感じています。「またここに来たい」と感じていただけるように努力しておりますので、何かお口のお悩みがあればいつでもいらしてください。