松浦 健 院長、松浦 奈々 副院長の独自取材記事
K+n矯正歯科
(米子市/東山公園駅)
最終更新日:2025/07/10

米子市長砂町、雑貨屋やカフェなどが立ち並ぶ国道300号線沿いに、矯正歯科専門の「K+n(ケーエヌ)矯正歯科」はある。スタイリッシュでおしゃれなサロンのような建物が印象的な同院は、松浦健院長と妻の松浦奈々副院長が、矯正歯科に特化したクリニックが少ない県内で専門的な矯正を提供するために2006年に開業した。開業以来、機器や矯正装置なども先進の物を導入し、知識や技術のアップデートも心がけ、その時の最善の矯正を提供できるよう体制を整えている。さらに、矯正計画の進行状況の確認とフィードバックなどの丁寧な説明や、患者さんの質問にも詳細に答えられるように、スタッフの教育にも力を入れている。一層矯正のクオリティーを追求していきたいという2人に、クリニックの特徴や展望などを聞いた。
(取材日2025年4月23日)
歯科矯正学を研究し臨床経験を積んできた専門家
まずは歯科医師を志したきっかけからお聞かせください。

【健院長】医療系の家系で子どもの頃から医療が身近な存在だったため、当たり前のように医療の世界へ、中でも自分に向いていると感じる歯科医療へと進みました。歯科の治療は、例えば虫歯であれば削って詰めるなどの「元の状態に戻す」というのが基本なのですが、矯正歯科は「元の状態から新しい状態をつくる」ことになります。そこに面白さを感じたのが矯正歯科を選んだ理由です。
【奈々副院長】私も院長と同じで、医療系の家系だったことから、自然にこの道へ進みました。矯正歯科を専門に選んだきっかけは、歯科医師になり始めた頃は私自身も若くて見た目が気になる年頃だったので、歯並びを整える矯正歯科に興味を持ったから。学んでいく中で、口腔機能の面でもアプローチできることを実感し、やりがいを感じて打ち込んできました。
開業までの経緯をお聞かせください。
【奈々副院長】私は大学病院に務めながら、歯科矯正学講座で学びました。優秀な教授のもとで一つの症例に対して多方面からアプローチして診断していくことを学び、診断力を磨くことができました。日付が変わるまで院内に残るなど、大変なこともありましたが、充実した2年を過ごすことができました。
【健院長】私は母校の大学病院で歯科矯正学の研究と臨床に携わってきました。お世話になった教授が新しい治療を積極的に取り入れる方だったので、従来の表側矯正はもちろん、その頃対応している所はごく限られていた、裏側矯正についても多くの症例を経験することができました。そして、昔県内には矯正歯科の専門医院が少なかったので「都会と遜色ない専門的な矯正を提供したい」と思いで、地元である米子市で当院を開院しました。さまざまな矯正治療を経験してきたことが、今の診療に生きていると思います。
矯正歯科を行う上でのこちらのクリニックの強みは何でしょう。

【健院長】まず、骨格の状態などを見て、抜歯が必要かどうかを判断して総合的にバランスの良いお口周りの状態に持っていけること。あとは矯正法の選択肢の多さですね。ワイヤーとブラケットを使う表側矯正や、器具が目立ちにくい裏側矯正、マウスピース型装置を用いた矯正など、さまざまな矯正法に対応する他、ワイヤーとブラケットも目立ちにくい色味など複数用意しています。また、アンカースクリューを用いた矯正にも対応可能です。矯正時に抜歯をしたケースなどに利用するのですが、抜歯した部分に向かって動かしたくない歯が動いてしまうのを防止するために用います。反対に、アンカースクリューを用いて抜歯の回避を図ることもありますね。
専門性を生かし複数の矯正法を高いレベルで提供したい
マウスピース型装置を用いた矯正も対応されているのですね。

【奈々副院長】その方にあった矯正方法を提案するために、さまざまな矯正方法や器具をそろえています。透明なマウスピース型の矯正装置を用いた矯正なので、目立たず周囲の人に気づかれにくいこと。着脱が可能で、食事も普段通りに楽しめて、歯みがきなどのケアがしやすい点などが特徴です。ワイヤーを用いた矯正に比べて痛みが少ないのも魅力の一つでしょうか。一方で「プラン通りに器具を適切に装着する」「マウスピースをきちんと洗浄して清潔に保つ」など、自己管理のできる方に向いている矯正法でもありますね。
診療の際に特に心がけていることはありますか?
【健院長】まずは、患者さんに納得して矯正を受けていただくため、矯正のメリットもデメリットについてもご説明します。また、矯正は時間のかかるものなので、少しでもご負担を軽減するため、矯正がスムーズに進んでいくような器具を使用したり調節したりといったことも心がけています。ブラケットにもタイプがあり、当院では歯のスムーズな動きが期待できる、痛みも少ないセルフライゲーションブラケットを採用しています。予約の取り方も工夫していて、ウェブから24時間予約・変更が可能です。予約枠も「待ち時間なく、一人ひとり十分な時間を確保して診療できるように」と、余裕を持った時間で設定しています。歯科医師が2人いますので比較的予約しやすいかと思います。あと、一緒に対応にあたる歯科衛生士の教育も大切にしていて、勉強会の実施や、希望者には矯正を実際に受けてもらうなど、知識・技術をアップデートできるよう取り組んでいます。
設備面でこだわっているところはありますか?

【奈々副院長】正確な診断、精密な矯正のため、歯科用CTやデジタルエックス線撮影装置、口腔内スキャナーなど先端の物をそろえています。また、じっくりお話ができるようカウンセリングルームをご用意。診療ユニットは半個室タイプで、患者さんのプライバシーの保護とスタッフの動線の確保を両立し、スムーズに診療を進められるようにしています。この他、直径1マイクロメートル未満の微細な泡を含んだ水が出るシステム導入し、配管内のバイオフィルム付着などを防止するなど、衛生管理にも力を入れています。
設備・知識をブラッシュアップし常に最善の方法を追究
矯正をするにあたって患者さんに知っておいてほしいことはありますか?

【健院長】「抜歯は絶対嫌」という方がたまにおられます。もちろん私たちも抜歯したくありませんし、できる限り抜歯せずに進めます。ただし、歯をきれいに並べるスペースがない方に対して抜歯せずに矯正をすると、いろいろと支障が出てきます。鼻の先から顎の先を結ぶ線を「Eライン」というのですが、スペースがない方が抜歯せずに無理やり矯正した場合、Eラインが崩れて見た目に影響する可能性があります。それだけでなく、口がうまく閉じられなくなり、機能面にも問題が出てしまうんです。当院では「この矯正であればどうしても抜歯が必要となる可能性が高い」「こうすれば抜歯せずに矯正できるかもしれない」など、丁寧に説明するようにしています。
今後の展望をお聞かせください。
【健院長】今後も地域の患者さんたちに質の高い矯正を提供していきたいと思っています。そのためにも機器・設備も矯正法も、新しくて良いものが出れば積極的に取り入れ、常にブラッシュアップしていきたいなと思っています。
【奈々副院長】あとは、他の医療機関、特に耳鼻咽喉科との連携をもっと密にしていけたらと考えています。鼻炎や鼻詰まりで口呼吸になるといった症状に対して、矯正歯科では鼻腔につながる上顎を広げる装置を用いて、鼻呼吸がしやすい状態へアプローチができます。耳鼻咽喉科と歯科は口周りを扱うので、お互いこまめに連携を取ることで患者さんの症状をもっと効率的に緩和できるのではないかなと考えています。
読者へのメッセージをお願いします。

【健院長】当院には、下は3歳から上は60代の方まで、幅広い年代の方が来られています。女性が多い傾向にはありますが、最近は大人も子どもも男性の患者さんが増えています。矯正に年齢制限はありません。気になったタイミングがご相談時と思って、どんなことでもいいので相談してもらえればと思っています。
【奈々副院長】「本当にきちんときれいになるのかな」とか、「どのくらい時間がかかるのかな」など、不安になる方も多いと思います。丁寧な説明を心がけていますので、遠慮なさらずなんでもご質問いただければと思います。不安の大きい方については、恐怖心を少しでも和らげられるよう一緒に鏡を見ながら、「こうやって進めていきますね」と説明したり、使用する装置を見てもらったりと、その方のペースを尊重して進めていきますのでご安心くださいね。
自由診療費用の目安
自由診療とはワイヤー矯正(表側)/部分16万5000円~66万円・全体71万5000円~82万5000円、裏側矯正/110万円~132万円、マウスピース型装置を用い矯正/82万5000円、アンカースクリューを用いた矯正/3万3000円(1本)、小児矯正/16万5000円~44万円
※検査・器具の調整代は別途必要となります。