竪山 俊郎 院長の独自取材記事
みみ・はな・のど としクリニック
(霧島市/国分駅)
最終更新日:2025/07/14

霧島市国分、国道10号線のそばに位置する「医療法人TCT みみ・はな・のど としクリニック」は、20年以上にわたり近隣住民を支えてきたクリニック。一般的な耳鼻咽喉科疾患の診療や日帰り手術に注力するほか、睡眠時無呼吸症候群、風邪や喘息、甲状腺疾患に至るまで幅広い悩みに対応している。院長の竪山俊郎先生は、霧島市で生まれ育ち、出身校である鹿児島大学の大学病院や地域の中核病院で研鑽を積んだ、豊富な経験を持つベテラン医師だ。一言交わすだけで伝わる明るさと飾らない人柄が魅力的で「早く病気を治して楽しい生活が送れるように」という思いのもと、熱心に、誠実に日々の診療に向き合っている。そんな竪山院長に、診療に対する思いや心がけていることについてたっぷりと聞かせてもらった。
(取材日2025年6月11日)
健康に向き合うきっかけを作る地元のベテラン医師
こちらはどのようなクリニックなのでしょうか?

アレルギー疾患や副鼻腔炎、中耳炎、難聴など代表的な耳鼻咽喉科疾患をメインに、風邪や喘息、甲状腺疾患といった病気のフォローも含めて診療を行っています。日曜日も開けていますので、普段お忙しい方でも通っていただきやすいのではないでしょうか。私の実家はここから車で5分の場所にあり、霧島市で生まれ育ってきた生粋の地元人です。開業後はたくさんの地元の方が来院してくださるようになったことで、地域の方々の役に立ちたいという思いが強くなりました。困っている方を助けたい一心で、治療に対する姿勢や薬の飲み方など辛辣なお話をすることもあります。当院が嫌になっても仕方がないと考える一方で、患者さんには治療を諦めてほしくないので、「ここまで言われるんだったら、何かあるんだろうな」という気持ちで当院でなくとも受診していただきたいです。私の診療が、ご自身の健康と向き合うきっかけとなるといいなと思っています。
院長のご経歴とクリニックの歴史を教えてください。
鹿児島大学医学部卒業後は、同大学の耳鼻咽喉科に入局。その後は国立病院や地域の中核病院で勤務し救急医療にも携わった後、2004年2月1日に開業しました。それまで私は人の上に立ち、まとめるような仕事は担ってこなかったのですが、開業して初めて自分一人ではどうもならないことや、スタッフがいるからこそ成り立つことを痛感したんです。それから自然とスタッフを大切にするようになると、結果的に患者さんへの医療サービスの質も向上することに気づきました。私とスタッフ、そして連携する各中核病院の先生やスタッフ、薬局もまとめて一つのチームだと考え、地元の信頼に応えられるチーム医療をめざそうという思いで法人名を「Toshi’s Clinical Team」の略であるTCTと名づけました。
日々どのような思いのもと診療に臨まれているのでしょうか。

「体が病気を治そうとする過程のお手伝いをする」というスタンスで、早く元気になって、楽しい時間を過ごしてほしいという思いで診療しています。患者さんのQOL向上に少しでも貢献できたらいいですね。耳鼻咽喉科では鼓膜や鼻の中など、細かいところを診療し処置しますので、怖がるお子さんが多いのも事実です。そんなお子さんに対してよく伝えるのは、お母さんはお金と時間と体力を使って、病院に連れてきてくれているということ。そして早く治してあげることが、今できる一番のお手伝いであるということです。これを一緒に聞いたお母さんも、嫌がる子どもにどこか申し訳ない気持ちで来院したり、薬を飲ませていた姿勢が毅然としたものに変わり、結果的に早く治ることにつながってるのではないかと感じています。
耳・鼻・喉のほか風邪や喘息、甲状腺疾患の診療も
診療へのこだわりをお聞きします。

耳、鼻、喉の病気をメインに行う中でも、鼻については特に注意深く診ています。鼻水が詰まって鼻呼吸ができないと、感染症や扁桃腺の病気にかかりやすくなるほか、肩凝りや耳鳴りを引き起こしたり、口の中が乾燥して虫歯や歯周病、口臭のリスクとなるなど、体にさまざまな悪影響を及ぼすとされています。また、口が開きっぱなしになるので、顔貌も変わってくるといわれています。鼻呼吸は、寝やすい、喉を痛めにくい、疲れにくいなど、さまざまなメリットがあると考えられています。鼻呼吸ができる状態にするためには、鼻詰まりをしっかり吸引し、解消を図らなくてはなりません。
風邪や喘息についても診ていただけるのですね。
風邪をひいた時、受診先には小児科や内科を思い浮かべる方が多いでしょう。風邪の症状は耳、鼻、喉に集中していますので、それらの症状を専門として診ている耳鼻咽喉科では、かなりピンポイントな治療ができます。風邪や喘息は中耳炎や副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎などと密接に関連していると考えられているため、力を入れて診療しているところです。また、耳鼻咽喉科でも甲状腺疾患を診ることは、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。内科が診ると思われがちですが、手術は外科または耳鼻咽喉科が行うこともあるんですよ。私ができることは対応しますし、必要があれば適切な医療機関や先生をご紹介します。
睡眠時無呼吸症候群の診療にも力を入れられているとか。

私は医師となって医局に入った年からいびきの外来に携わってきましたので、鹿児島での睡眠時無呼吸症候群の診療経験は長いほうだと自負しています。レーザー手術は医師1年目から担当し、数多くの症例に対応してきました。耳鼻咽喉科の医師が睡眠時無呼吸症候群を診療するメリットは、局所をしっかり見た上で、アレルギー性鼻炎などの内服治療やレーザー治療、肥満対策、CPAPなどと適切な治療の選択肢をお示しできる点です。教科書的になりすぎず、その方の生活スタイルや重症度に応じて治療法をご提案しますので、いびきにお悩みの方は気軽にご相談ください。
他院との連携についても教えてください。
霧島市には県央の中核病院として霧島市立医師会医療センターがありますが、人員の都合上、紹介先が鹿児島市内の病院になるケースもあり、単純に距離が遠くなるので病院への行き来に時間がかかってしまいます。そんな患者さんの負担を軽減するため、例えば中耳炎の治療で行う鼓膜切開や鼓膜チューブ挿入など、当院の設備でできる処置はこちらで完結させてあげたいという思いが第一です。一方で、私はさまざまな分野において専門性の高い諸先輩方とも交流がありますので、必要な方には適切な医療機関や先生へ迅速に紹介できる体制も整っています。そういったコネクションも生かしながら、地域の方々にとって体に関する悩みの窓口であれるといいなと思います。
知識と技術、コネクションを駆使して悩みに対応
コミュニケーションにおいて心がけられていることはございますか?

鼻や耳の中を触るので構えてしまう方も多いでしょうから、緊張感や恐怖心を少なくできるような、堅苦しくなく打ち解けやすいコミュニケーションを意識しています。「あいさつは1円もかからない投資である」。この言葉は知人の受け売りですが、まず初めのあいさつを大切にしています。おはようございます、こんにちは、お疲れさまです、ありがとうございます。そんなあいさつを交わし合うだけで、気持ちが朗らかになりますよね。これは患者さんに対してだけでなく、スタッフ間でも大切にしていることです。また、患者さんだけでなく当院に勤めてくれるスタッフの幸せも追い求めています。できる範囲で満足してもらえるお給料を渡し、当たり前ではありますが有給はすべて使いきってもらうなど、働きやすい環境づくりも意識している部分です。
今後のご展望をお聞かせください。
「ありがとう」と言っていただけることを心のモチベーションにして、体が動く間は長く診療を続けることで、地域の役に立っていきたいと思います。同時に、仕事とプライベートのメリハリを持って生きていきたいですね。私はベースなど音楽や海釣り、バイク、スノーボードといった趣味を楽しんでいます。そういった自分自身の生活も楽しみながら過ごすことができれば、あと10年は頑張れそうです!
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

主に耳鼻咽喉科に関する病気を診ながら地域の方々の健康維持の役に立てるよう、日々スタッフとともに努めています。体のことでお困り事があれば、耳鼻咽喉科領域に限らず相談してください。私の知識と技術、そして地域の先生や医療機関とのコネクションといった持てる限りの手段を使って、お悩みに応えられるよう尽力してまいります。お待ちしております。