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澤田 正樹 院長の独自取材記事

さわだクリニック

(神戸市灘区/六甲駅)

最終更新日:2021/10/12

澤田正樹院長 さわだクリニック main

阪急神戸本線の六甲駅から歩いて約3分。六甲八幡神社の脇を通って緩やかな坂道を下ると、モダンな外観をしたメディカルビルが見えてくる。その3階で17年続くのが、形成外科と耳鼻咽喉科を標榜する「さわだクリニック」。院長の澤田正樹先生は京都大学医学部の出身で、兵庫県下の基幹病院で医長や部長を務めたこともある経験豊富な医学博士。特に口唇裂や口蓋裂、小耳症など、顔面の先天異常の治療のエキスパートとして、今も病院へ出向いての手術に精魂を傾けている。そんな澤田院長に、長年にわたって続けている診療の内容や患者に対する思いなど、ベテラン医師ならではの話を聞いてみた。

(取材日2019年6月17日)

顔面領域の形成外科を中心に手術まで幅広く

まずはクリニックの概要を教えてください。

澤田正樹院長 さわだクリニック1

開業したのは2002年です。診療に関しては、形成外科が6割、耳鼻咽喉科が4割というバランスですね。形成外科は顔面の先天異常、外傷ややけどなどの治療、傷痕の治療を中心に、眼瞼形成やしみ、しわなど加齢に伴う症状のケアまで広範囲です。耳鼻咽喉科に関しては一般的な診療所のメニューに加え、鼻の中のポリープの切除や鼻中隔湾曲症の手術など、部分麻酔でできるものはここで行っています。形成外科も耳鼻咽喉科も、入院手術が必要な場合は西宮市笹生病院、兵庫県立尼崎総合医療センターや神戸市立医療センター中央市民病院といった提携病院に入院していただき、手術を行っています。

形成外科に加え耳鼻咽喉科を標榜している理由は?

私は京都大学医学部の出身ですが、私が医師になった時にはまだ京大に形成外科という科はありませんでした。そのもとになるものが耳鼻科と皮膚科にそれぞれあって、形成外科として一緒になったという流れです。まずは耳鼻科に入局したわけですが、口唇裂や小耳症など先天性の顔の異常に対する治療、がんで顔の組織を取った後の再建、顔面の骨折や外傷の治療などを専門にしていた耳鼻科のチームと、やけどやあざの治療を中心にやってきた皮膚科のチームの両者が合体して形成外科の診療科ができたんですね。こうした経緯のおかげで、今も私の診療はそれらが中心になっているわけです。

形成外科の治療にはどのようなものがありますか?

澤田正樹院長 さわだクリニック2

まぶたの手術や皮膚の腫瘍、傷、あざなど、局部麻酔でできる施術はクリニック内で行います。まぶたは顔の中でも重要な部分で、機能的な問題と美容的な問題の両方を含んでいます。例えば、いわゆる逆さまつげで目に当たる場合は、二重まぶたの手術に近いことをします。純粋に美容目的の手術なら保険はききませんが、角膜が傷つく恐れがあると眼科から診断された場合は眼瞼内反症の手術として保険が適用されます。また、まぶたが下がってきて目にかぶり、視野が狭くて見にくいとか、そのために頭を梁にぶつけたとか、そうなれば立派な病気ですから保険適用で眼瞼下垂の手術をします。ちなみに当クリニックでは、美容外科の看板は掲げていません。審美目的の施術に関しては、親しい患者さんからご要望があった場合に限らせていただいています。

患者に寄り添いながら、その成長に合わせた治療を

口唇裂・口蓋裂について教えてください。

澤田正樹院長 さわだクリニック3

基本的には環境や因子及び遺伝因子の複合因子と考えられています。直接的な遺伝の確率は約30分の1といわれています。今は胎児のうちに診断がつきますが、昔はそうではありませんでした。お母さんもご主人も、おじいちゃんやおばあちゃんも、みんなで楽しみに待っているところに、いきなり唇の割れた子が生まれてくるわけです。すると、ご家族全員がものすごくショックを受けるんですね。いったいどうすればいいんだろうと泣き崩れるお母さん、不憫なことをしたと自分を責めるお母さんもいて、それを見るのは本当につらいことでした。ご両親にも赤ちゃんにも、なんら罪も落ち度もありません。誰かが責任をもって治してあげなければという思いでいっぱいになりました。私がこの治療を始めたのも、今までずっと続けてきたのも、それが一番の理由です。

具体的にはどのように治療を進めていきますか?

赤ちゃんが生まれたら、すぐにご家族とお話ししながら、私が行ってきた治療例を説明します。このように説明を進めますと、いくぶん安心されますね。ただ、赤ちゃんのうちに手術をしても、子どもは成長しますから、それに伴う変形をまた整えていくなど、いろんな治療を重ねていかねばなりません。最初は唇と口の中を治療し、小学生になって歯茎を治療し、中学・高校で鼻の歪みを治療するといったケースもあり、場合によっては矯正歯科、口腔外科と協力して噛み合わせ治療をしたり、言語療法士の先生に言語療法や音声療法を並行して行ったりすることもあります。毎年、夏休みになると、それまで私が関わってきた就学児の手術予約でいっぱいになり、私は提携病院での手術に明け暮れることになります。このように、ずっと患者さんにきちんと寄り添いながら、その成長に合わせた治療をしていくことが何より大切です。

形成外科の診療で注意していることは何ですか?

澤田正樹院長 さわだクリニック4

誰でも見て判断できる部位の治療なので、結果に対する評価もたいへんシビアなことです。「こんな結果になるとは思っていなかった」などと言われないように、手術前の説明には非常に注意を払っています。これまでの治療結果をしっかり説明して、よくご納得をいただくことが重要です。どの程度まできれいになるか、どの程度まで残るか、きちんと説明して、あとはご自分でよく考えていただければと思います。ちなみに、ここにはレーザー治療機器が7台あり、あざやしみなど、目的や患部の種類によって使い分けています。これらを用いた施術でも、レーザーを当ててすぐにあざが取れるということではなく、初めは赤くなって、そのうちに色素沈着が出ますから、それを時間をかけて追い出していくというプロセスが必要になる場合があります。

知識や技術だけでなく、豊富な経験が必要

院長が医学の道へ進んだ理由を教えてください。

澤田正樹院長 さわだクリニック5

私の父は元陸軍のパイロットで、戦時中は輸送機や爆撃機などを操縦し、終戦間際には教官をしていたそうです。エンジンなどの機械に強かったこともあり、戦後は私の故郷である金沢に会社をつくり、給排水や空調などの設備関係の仕事を営んでいました。その父から「医者になるのはどうだ」と言われました。私は基本的に理系でしたから、当時は工学部か理学部か医学部かという選択でした。もう一つ、金沢から出たいという気持ちがあったんですね。それで京都大学医学部を選び、合格して単身で関西へ出てきたわけです。

そこから約半世紀、どのように研鑽を積まれてきましたか?

大学病院では、自分の専門を中心にやっていれば良かったんですね。ところが総合病院に勤務すると、やけどや皮膚のできものなどの患者さんが多く、かなり広範囲な診療をしなくてはなりませんでした。慣れないケースでは戸惑いもありましたが、基礎的な手技さえしっかりしていれば案外と応用が利くものです。手技に関していえば、婦人科のおなかの切開痕を目立たなくする程度の施術はサッとできないと、口唇裂の手術なんて、とてもじゃないですがきれいに仕上げることはできません。やはり専門的な知識や技術に加え、経験値は重要なポイントだと思います。ちなみに形成外科の魅力は、結果がダイレクトに出ることです。良くなれば誰が見ても良くなったとわかりますし、機能的な改善が伴うこと、心の傷まで治すことにつながるなどに非常にやりがいを感じています。

最後に、患者さんや家族に向けたメッセージをお願いします。

澤田正樹院長 さわだクリニック6

私の専門は形成外科と耳鼻咽喉科ですから、人の生き死にというよりは、その方の生活のクオリティーを上げることが役目であると考えています。口唇裂や口蓋裂の患者さんなら、すでにかかりつけの先生がいらしゃると思います。あるいはインターネットでいろいろと検索をして、ご自身で判断して決めたいという方もいるでしょう。だた、ネットの情報はピンからキリまであり、何が真実なのか、なかなか見分けがつかないはずです。本来はクチコミなどが一番信頼できると思いますが、もし何か悩んでいることがあったり、セカンドオピニオンが必要だったりする場合は、遠慮なく相談していただいても構いません。その上で、ご自身でよく納得してから治療に臨んでいただければと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

しみのケア/2000円~、しわのケア/3万円~、ほくろのケア/5000円~

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