子どもの自宅での看病に悩む人へ
病児保育園の利用という選択肢を
Mキッズクリニック
(奈良市/学研奈良登美ヶ丘駅)
最終更新日:2025/12/15
- 保険診療
子どもが体調を崩したとき、仕事が休めなくて家で子どもを看病できず、預かってくれる人を探すのに苦労したことはないだろうか。奈良市の「Mキッズクリニック」は、共働きで子育てと仕事の両立に悩む家庭の助けになれるよう、クリニックの隣に「mランド保育園」という病児保育園を併設している。「病児保育園の存在を知らない人に、頼れる場所があることを知ってほしい」と話すのは、自身も働きながら2人の子を育てた村井由佳院長だ。子どもの預け先に困っている人がいる一方で、「病児保育園は簡単に子どもを預けられる」と誤解している人も少なくない現状に、「正しい知識を持って利用してほしい」と力を込める。今回はそんな村井院長に、病児保育園の特徴や利用時の注意点を聞いた。
(取材日2025年11月20日)
目次
病気やケガで保育園や学校に行けない子どもを一時的に預かる病児保育園。正しい知識を持って、正しく利用を
- Q病児保育園の対象はどのようなお子さんなのでしょうか?
-
A
▲園内にはシャワーブースとキッチンも完備されている
病気になって保育園や学校に行けない1歳から小学校6年生までのお子さんが対象となります。おうちで子どもを見ることができない忙しいご家庭のお子さんを預かる場所ではありますが、一般的な保育園と異なるのは、「病気のお子さんを一時的に預かる」という点です。保護者が病気だという理由ではお子さんを預かれないので注意が必要ですね。1~2歳の小さいお子さんが利用されることが多く、風邪やインフルエンザ、RSウイルス、手足口病、水ぼうそうといった感染症や骨折など、さまざまな病気のお子さんの受け入れが可能です。クリニックで導入しているPCR検査を活用しながら部屋分けを行い、さまざまな感染症対策に取り組んでいます。
- Qどのようなスタッフさんが在籍されていますか?
-
A
▲医師とスタッフとで密に連携を行っている
保育士と看護師が在籍しています。発熱や下痢、嘔吐、食欲不振など、あらゆる症状のお子さんがいらっしゃいますが、一人ひとりに合わせて柔軟に対応するよう意識していますね。当園のスタッフは皆手厚く看護してくれているので、「明日もここに来たい!」と言いながら帰っていくお子さんもいらっしゃるんですよ。スタッフ皆で研究会に参加してスキルアップを図ったり、話し合える場を設けたりと、患者さんにとってもスタッフにとっても良い環境を提供するための工夫もしています。私は普段は隣接するクリニックにいるため、コミュニケーション不足にならないよう、スタッフたちの話をよく聞くことを意識していますね。
- Q先生はなぜ病児保育園を開設しようと思われたのでしょうか?
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A
▲自身の経験をもとに、働く保護者たちの力になりたいと話す院長
私も仕事をしながら子育てをしてきたので、働く保護者の方々の大変さは十分理解しているつもりです。仕事と子育ての両立に悩むご家庭の役に立てればとの想いから、病児保育園を開設しました。病児保育園の存在を知らない方に「こういう場所があるんだ」と知ってもらうため、入園入学前の時期には施設の見学会を行っています。説明には時間がかかりますが、一人でも多くの方に困った時に頼れる場所があることを知ってもらいたいんです。病児保育園には病気の子どもを預かるリスクやさまざまな規定があるため、簡単に開設することはできません。運営をする難しさもありますが、保護者の方たちが本当に困った時の助けになれたらと思っています。
- Q予約方法や利用条件を教えてください。
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A
▲保護者と綿密にコミュニケーションを取り、保育を行う
利用条件は、1歳から小学校6年生までの病気のお子さんであること。一度当院で診察して預かれるかどうかを判断するので、予約の最初のステップは当院の診察予約を取っていただくことになりますね。ウェブ問診の中の「病児保育園を希望する」という欄を押していただき、当院にお越しください。診察の結果、お預かりできると判断した場合は利用に向けてやりとりをしていくという流れです。ただ、病児保育園を利用するお子さんは年齢も病気もさまざまなため、状況によってはお断りせざるを得ない場合もあります。受け入れが可能な場合は、お薬の飲ませ方や食事など事前にしっかりとコミュニケーションを取り、利用に向けて準備を進めていきます。
- Q利用時の注意点はありますか?
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A
▲個室の間仕切りは透明になっており子どもの様子がいつでもわかる
病児保育は入院とは異なり、保育士がお子さんをお預かりします。そのため、体調や症状によってはお預かりできない場合があります。簡単に利用できると誤解されることもありますが、病気のお子さんを安全にお預かりするためには、事前のコミュニケーションや準備がとても重要です。注意事項も多く、私たちも細心の準備をしています。本当に困っている方が利用できるよう、連絡なしのキャンセルや直前のキャンセルはご遠慮ください。登園時も、前日の夜の様子やお薬を飲めているかどうかなど、いろいろとお話を聞かせていただきます。時間に余裕を持って来園くださいね。

