山下 泰治 院長の独自取材記事
うめもとクリニック
(松山市/梅本駅)
最終更新日:2024/08/23

大型商業施設の敷地内に位置し、子どもから高齢者までさまざまな世代の地域住民の健康を支えている「うめもとクリニック」。2023年8月に「ますもと内科クリニック」を継承する形で開業して以来、内科・脳神経内科・リハビリテーション科の幅広い診療を行っている。山下泰治院長は、「『全ての人』に『最善のケア』と『全人的医療』を」という理念を大切に、地域にとって身近なかかりつけ医として機能することをめざしている。2024年4月には建物のリニューアルを行い、より多くの地域住民の医療ニーズに応えられる診療体制を整えた。「地域の患者さんの役に立つ医療やサービスを積極的に考え、提供していきたい」と意気込む山下院長に、診療にかける想いや、リニューアルオープンにあたりこだわった点などをインタビューした。
(取材日2024年6月21日)
すべての人に最善のケアと全人的医療を
早速ですが、こちらのクリニックの特徴を教えてください。

まず、当院の特徴としては、内科と脳神経内科、そしてリハビリテーション科の3つを標榜しているという点にあります。頭痛、しびれ、めまいなど脳神経内科の守備範囲は広く、一方で脳神経内科の領域を専門として診療するクリニックは県内でも少ないため、内科診療やリハビリテーション診療と合わせ、脳神経内科診療を身近に提供することで、皆さんのお役に立つことができたらと考えています。
梅の花がかわいらしい、すてきなロゴマークですね。
このロゴマークは、当院の母体の医療法人名である「三全会」の理念と3つの診療科を表しています。また当院が梅本町にあるクリニックなので、梅をモチーフにし、花が咲いた後にそれが芽になり、また花を咲かせるように。そして、クリニックのスタッフが地域に根づいてほしいとの想いをデザインに込めていただきました。3つの円のうち、1つが外に出ているのは、この理念がより外に広がり、地域の患者さんたちに届けばいいなという思いが込められています。
リニューアルの際、特にこだわった点についてお聞かせください。

いくつかありますが、まず1つ目は、過ごしやすい雰囲気の院内にすることにです。インテリアコーディネーターの方とも相談し、患者さんたちがゆっくりくつろげるカフェのような空間になったと思います。採血スペースも、カフェやバーのカウンターに座るような感覚でリラックスしていただけるような造りになっています。2つ目は、トイレです。脳神経内科やリハビリテーション科を標榜しているので、車いすを利用する患者さんも快適に使えるようにと考え、男女それぞれのトイレに空間を広くとったトイレを設置しました。あとは、リニューアル前から稼働していたものになりますが、CTの導入ですね。例えば、患者さんが頭痛を訴えている場合などは、CTスキャンを撮ることで脳出血の有無を確認でき、患者さんにその場で安心していただけることもメリットの一つだと思っています。
困り事をしっかり聞いた上で診断につなげる
先生が医師をめざしたのはどのようなことがきっかけですか?

さかのぼれば幼稚園に通っていた頃になるのですが、近所に住む友人の両親が医師だったことです。その友人家族と交流しているうちに医師になることが将来の夢になっていました。その頃はただ単に「かっこいいな」と思っていただけなのだと思いますが、小学校、中学校……と年齢を重ねていくにつれて医師になりたい気持ちが強くなり、今に至ります。最初はあまり特定の診療科を専攻したいという気持ちはなかったのですが、脳神経内科という診療科目を知ったときに、神経を通して全身を診るという点に魅力を感じました。脳神経内科は、専門性が高い一方で、頭の中から足の先まで診ることができる総合診療の側面を持つ診療科目なのです。
こちらのクリニックの開業も、その思いの延長線上にあるのでしょうか?
そうですね。今も診療の中で、より患者さんの近くで生活を把握しながら患者さんの全身を診られるような医師でいたいと考えています。病院で聞く患者さんの困り事の大半は家の中で起こっていることなので、より患者さんの生活に近いところで診療したいと思い開業しました。訪問リハビリテーションについても、より生活環境に近いところでのリハビリテーションが重要なのではないかと思い、始めたという経緯があります。
診療の際に心がけていることを教えてください。

脳神経内科の診療の原則でもあるのですが、まず最初に患者さんが伝えたいと思っていることや日常生活での症状や状況を丁寧に聞き取ることを意識しています。患者さんによっては自覚している症状をきちんと伝えるのが苦手な方もいらっしゃいますが、そんなときは「心配なことや困ったことを、まずは何でもいいので話してください」とお伝えしています。患者さんの話の中で診断に必要な情報があれば、僕が質問をしながら診察し、診断につなげていきます。そこから血液検査やCTスキャンを用いた検査など必要な検査を進めていくので、まずは体のことで気になることがあれば相談に来ていただけるとありがたいですね。
生活環境の近くで、悩みを気軽に話せる場所を
今後、どのような医療の提供をめざしていますか?

今後も医療法人「三全会」の「『全ての人』に『最善のケア』と『全人的医療』を」という理念を大切に診療を行っていきたいと思っています。また、当院は内科・脳神経内科・リハビリテーション科の3つの診療科目で運営しているので、それらを3本の柱として地域の方々の役に立てるよう励んでいきたいと考えています。特に内科に関しては、「ますもと内科クリニック」の継承開業として、専門にこだわらず、どういった症状の患者さんでも診察させていただくという診療方針のもとで行っていこうと考えています。もちろん必要なときには専門的な医療機関をご紹介します。
先生が特に力を入れている診療についてお聞かせください。
脳神経内科領域に関しては、しびれや頭痛、めまい、神経変性疾患の一つであるパーキンソン病などの診療に力を入れています。脳神経内科の疾患には、どうしてもクリニックだけでは診断や治療が完結しない疾患が一部あるので、大学病院や県立病院などとの連携を図りながら治療につなげていく形となります。また、今後は訪問リハビリテーションにも一層注力していきたいと考えています。クリニックに来られたときの患者さんの姿と、家で見る患者さんの姿は大きく異なることもあるので、家の環境を確認させていただくことによって、患者さんの生活上での問題点を発見したり訓練を考えたりしやすくなります。患者さんの身体的な機能の改善だけではなく、家や地域の中で元気に生活できるようになっていただくためには訪問リハビリテーションというアプローチが必要だと考えています。
最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。

「脳神経内科診療ってどんな診療をしているのかな?」と疑問に思われる方も多いかと思いますが、若い方で多いのは頭痛、ご高齢の方で多いのは認知症など、身近な疾患を扱っている診療領域です。また、当院では一般内科として、風邪や腹痛、倦怠感をはじめとするいろいろな部位のさまざまな症状を診療しています。内科・脳神経内科問わず、必要であれば大きな病院への紹介やリハビリテーションにつなげますので、生活の中で少しでも気になることがありましたら、まずはお気軽にお越しください。