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上土橋 浩 院長の独自取材記事

きりしま内科リハビリクリニック

(霧島市/日当山駅)

最終更新日:2025/04/25

上土橋浩院長 きりしま内科リハビリクリニック main

市街地循環バスの松永バス停から徒歩約1分の場所に、「きりしま内科リハビリクリニック」がある。コンクリート打ちのモダンな2階建ての建物で、大きなガラス窓に囲まれた待合室には、自然光がたっぷりと差し込む。中庭を囲むように設計された廊下も全面ガラス張りで、開放的な雰囲気だ。院長の上土橋浩(かみつちはし・ひろし)先生は、内科診療とリハビリテーションの両面から地域の健康を支えている。リハビリについて「単に身体機能を回復させるものではありません」と語る上土橋院長。その言葉には、リハビリに対する正しい理解を広めていきたいという思いが込められていた。

(取材日2025年4月2日)

生活の楽しみを取り戻すことが本来のリハビリの目的

こちらのクリニックにはどのような患者さんが通われていますか?

上土橋浩院長 きりしま内科リハビリクリニック1

「リハビリクリニック」という名前がついていますが、一般内科にも対応しています。風邪やインフルエンザに加えて、高血圧症・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病の患者さんも多く来られます。リハビリテーションを目的に通院されているのは、脳卒中の後遺症によるまひがある方をはじめ、神経内科や筋肉の病気を抱える患者さんが中心です。年齢層は幅広いですが、全体的にはご高齢の方が多いですね。

リハビリではどのような取り組みをしているのでしょうか。

当クリニックでは、在籍している5人の理学療法士と連携しながら、患者さん一人ひとりに合わせたリハビリ計画を毎月立てて進めています。リハビリは、ただ漠然と続けるのではなく、目的を決めて取り組むことが大切です。そのため、当クリニックでは3〜5ヵ月程度の短期目標を設定しています。患者さんがその目標を達成されたら、当クリニックでのリハビリは「卒業」となります。ただし、リハビリによる身体機能の回復には限界があるのも事実です。目標の達成が難しい場合は改めて計画を立て直しますが、リハビリの目的は運動能力や身体機能の回復だけではありません。生活の楽しみを取り戻すことこそが、本来の目的です。それを患者さんにお伝えし理解していただいた上で、身体機能の回復から「旅行に行く」など、いわゆるQOL(生活の質)を高める目標へと切り替えて取り組んでいただきます。

リハビリの目的は、トレーニングで運動機能を回復させることだけではないのですね。

上土橋浩院長 きりしま内科リハビリクリニック2

そうですね。一般的にリハビリというと、ケガや病気の後遺症を抱えた人が、運動機能を取り戻すものというイメージを持たれがちです。しかし、実際のリハビリは、身体面だけに限ったものではありません。精神的に不調を抱えている方にもリハビリは必要です。リハビリの目的は「全人間的復権」だといわれています。たとえ身体機能が完全に元どおりにならなくても、できることを見つけ、日常生活を取り戻していこうという姿勢が大切です。また、医療保険によるリハビリとは別に、介護保険を利用したリハビリもあります。こちらは、今できている動作や生活習慣を、できるだけ長く維持するのが主な目的ですが、それだけではありません。

社会的なリハビリとしてのコミュニティー活動

介護保険によるリハビリでは、どのような取り組みをされているのでしょうか。

上土橋浩院長 きりしま内科リハビリクリニック3

医療保険の制度では、外来でリハビリを受けられる日数に制限があります。そのため、必要なリハビリが十分に受けられない方には、介護保険を利用した通所リハビリをご案内しています。当クリニックの通所リハビリは、1回当たりおよそ2時間で、いわば短時間のデイケアのようなスタイルです。送迎も行っており、午前に2回、午後に1回と時間帯を分けて、1日3回実施しています。内容は、身体機能に関しては立位・歩行訓練や全身運動など理学療法士がマンツーマンで対応しており、また計算ドリルやぬり絵など、認知症予防のためのプログラムも取り入れています。また、さらに、通所できない方のための訪問リハビリにも対応しています。いずれのリハビリでも最終的には生きがいや社会参加などQOLの向上をめざしています。

地域のコミュニティー活動としてお祭りを開催しているそうですね。

はい。「木の花まつり」という名前で、毎年春にクリニックの駐車場でマルシェを開催しています。当クリニックの隣には同じ医療法人が運営している住宅型老人ホームがあり、もともとはそこに入居されている高齢者の方々に楽しんでいただくために始めたのですが、地域との交流を深めたいという思いから、今も続けています。土曜の午後、診療終了後にクリニックの駐車場で開催しており、オムライス・焼き鳥・カレーなどのキッチンカーが並ぶんです。地域の方々による出し物もあり、外来の患者さんがカラオケで歌われることもあります。このマルシェを始めたのは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で施設への慰問などができなくなったことがきっかけです。感染状況が落ち着いてきたタイミングで、みんなでお祭りをしようということになり始めました。実は私も、ギターの弾き語りでステージに立つんです。

とても楽しそうですね。先生はギターをずっとやられていたのですか?

上土橋浩院長 きりしま内科リハビリクリニック4

大学時代はフォークソングを弾いていました。卒業以来、ほとんど弾くことがなかったのですが、昨年のお祭りで弾き語りをするために、また練習を始めたんです。実はこのお祭り自体が、QOL(生活の質)を高めるためのリハビリだと考えています。そしてそれは、私自身にとってのリハビリでもあります。元気に生きるという意味でのリハビリです。落ち込んで家に閉じこもってしまうと、いわゆる「フレイル」といって、心も体も徐々に弱っていきます。例えば、このお祭りがきっかけで外出するようになる人がいれば、それはまさに社会的なリハビリです。もともとマルシェを始めたのもそのためです。新型コロナウイルスの流行時には、外に出られなくなり、ADL(日常生活動作)の低下が進む方もいらっしゃいました。これ以上の低下を防ぐためには、外に出て人と話す機会をつくることが大事だと思ったんです。

やりたいことを楽しむ。それが心の健康にもつながる

マラソンやカメラなど、趣味が多彩だとお聞きしました。

上土橋浩院長 きりしま内科リハビリクリニック5

マラソンは10年ほど前から始めました。運動することの効果を実感していますし、その大切さを多くの人に伝えたいと思い、続けています。健康維持のためにウォーキングをしている方も多いですが、実は、ただ歩くだけでは十分な運動効果が期待できないんです。運動効果を高めるには、速足にしてみる・階段を使う・1分だけ走ってみるなど、筋肉に程良い負荷をかけることがお勧めです。カメラは、新型コロナウイルス感染症の流行で思うように外出できなくなった時期に始めました。いつも霧島で撮影しており、その写真をクリニックにも飾っています。カメラも、私にとってはリハビリの一つです。結局のところ、自分が好きだと思えるものを見つけ、それを続けることがリハビリにつながるのだと思います。

今後の展望をお聞かせください。

地域に根差したクリニックをめざしたいという思いは、開業当初から変わりません。病気の時だけでなく、ちょっとした不安や困り事でも気軽に相談できる、「地域のよろず相談所」のような存在でありたいと思っています。今は年に1度マルシェを開催していますが、今後は患者さんと一緒に山へ出かけたり、ハイキングをしたりと、体を動かすような機会もつくっていけたらと考えています。この地域には、かの有名な幕末志士が新婚旅行で歩いた道をたどる記念のウォーキングもあるんです。そういった地域の魅力を楽しめるようなイベントをつくれたらいいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

上土橋浩院長 きりしま内科リハビリクリニック6

私は「運動は万能の処方」だと考えています。健康的に生活するには、どんな薬よりも、まず体を動かすことが大切です。ただ歩くだけでももちろん良いのですが、「カラオケに行く」「写真を撮りに出かける」など、目的があると外出するのが楽しくなりますよね。やりたいと思うことをやってみる。それが心の健康にもつながります。泣いても笑っても一生は一生。せっかくなら、楽しく生きていきましょう。当クリニックでは、リハビリだけでなく、さまざまな内科の症状に対する診療を行っています。対応が難しい場合は、近隣の医療機関をご紹介していますので、何か気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

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