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武内 康治 院長の独自取材記事

高陽耳鼻咽喉科

(広島市安佐北区/下深川駅)

最終更新日:2024/12/19

武内康治院長 高陽耳鼻咽喉科 main

広島市安佐北区の寺迫公園バス停から徒歩5分、ショッピングモールの隣に立つタウンセンタービル内にある「高陽耳鼻咽喉科」は、2023年8月より父親から同院を継承した武内康治先生が院長を務めている。総合病院の勤務医として手術や入院対応など、さまざまな症例をこなす多忙な日々を送っていた武内院長に、地元のクリニックを継ぐことを決めさせたのは、子どもの頃から見ていた、地域医療に貢献する父親や祖父の姿の記憶だった。「患者さんと気さくにコミュニケーションするのが得意です。よく『話しやすいお医者さんですね』と言われるんですよ」と笑う武内院長。自らも子育てに奔走する傍ら、小児から高齢者まで広く患者を受け入れ、地域医療へ情熱を注ぐ武内院長に話を聞いた。

(取材日2024年11月21日)

嚥下に悩む地域高齢者たちのため、嚥下チームを発足

なぜ耳鼻咽喉科の医師をめざされたのですか?

武内康治院長 高陽耳鼻咽喉科1

祖父の代から、父、私と3代続けて耳鼻咽喉科医をしています。幼い頃から父や祖父が診療する姿を間近に見ながら育っていたため、私がこの道を志したのは自然な流れでした。耳鼻咽喉科医の仕事の魅力は、非常に幅広い領域を診ることができる点です。耳、鼻、喉だけだから狭い領域ではないかと思われる人も多いと思いますが、実は首から上という広い部分が耳鼻咽喉科の領域に該当し、内科的な治療も外科的な治療も行いますし、疾患も難聴やめまいといったものから、嚥下障害、咽頭がん、甲状腺がんまで、さまざまな疾患の治療を行います。患者さんの年代も幅広いです。私の中で耳鼻咽喉科医は「首から上の総合診療を行う医師」と捉えていますし、いろいろな科からの相談も受けるようにしています。また、耳や鼻は実際に体の外部にある器官なので、実際に見たり触れたりしながら治療できるところもいいと思います。

学生時代や勤務医時代で、何か印象に残っているエピソードはありますか?

学生時代、思い出深いのはやっぱりハンドボール部の部活動ですね。ハンドボールを通じて、チームワークの重要性やコミュニケーション力を身につけられたと思います。卒業後、10年以上勤務医を続けるのですが、部下がいないような小規模病院が多かったため、学生時代とは打って変わって一人で対応する時間が多かったんです。ほぼ毎日外来があって、一般診療からがんの手術、救急診療、原因のわからない患者さんの診断など、1日に30人から40人ぐらい患者さんが来て、非常に多くの経験を積みました。おかげで、緊急や想定外の対応にも自信がつきましたね。

病院で嚥下チームを立ち上げたご経験があると聞きました。

武内康治院長 高陽耳鼻咽喉科2

私が医長を務めていたのは、高齢化が進んでいる地域の病院で、噛む力や飲み込む力の低下など、嚥下の悩みを持つ患者さんが多数いらっしゃいました。でも当時、この病院ではまだ嚥下障害を専門的に診る体制は整っていませんでした。そこで、私が統括して、専門的な知識を持つ看護師や言語聴覚士、管理栄養士などの連携体制を構築し、嚥下に特化した外来を開設して、その後、回診も行うようにしました。まずは嚥下機能の現状を把握した上で、患者さんの希望を聞きながら、どの程度改善すれば良しとするのか、個々の患者さんごとに明確な治療方針を立てました。食事の形態や飲み込みの指導、首のポジショニングなどのリハビリテーションなどを通して、患者さんとチームが一緒になって「食べられる喜び」を取り戻すために頑張るという、とてもやりがいのある取り組みでしたね。

できることを可能な限り提供するクリニックに

多くのご経験を積んだ後、クリニックを継承されたのですね。

武内康治院長 高陽耳鼻咽喉科3

私自身の医師としての目標は、高度な手術や難しい症例をバリバリこなす勤務医というよりは、幼い頃の記憶にある、地域医療に貢献する父や祖父の姿でした。父が高齢になってきたこともあって、2人の志を次世代につなげるためにも、実家のクリニックに戻ることにしました。小さなお子さんとそのお母さん、学生さん、働き世代の方、高齢者の方、さまざまな地元の患者さんたちのお話を伺いつつ、世間話も交えながら丁寧にコミュニケーションしていくのは楽しいですし、戻ってきて良かったなと感じます。父はまだ現役で頑張っており、学校医も務めています。私は高齢者福祉施設に訪問診療へ行くなどして、本院として少しでも地域社会に貢献できればと思っています。高齢者施設では、やはり嚥下の悩みを聞くことが多く、病院で嚥下チームを立ち上げた過去の経験が役立っていますね。

めざしている理想のクリニック像を教えてください。

できることを可能な限り提供できるようなクリニックにしていきたいと考えています。大きな病院のように設備が整っているわけではないですが、私の代になってから「できること」を増やすため、設備を整え、治療選択肢を増やすようにしました。具体的には極細で苦痛を伴いにくい経鼻内視鏡、痛みや放射線被ばくの心配をせずに検査ができる頸部超音波などの医療機器や、注射器を使わず痛みの少ないアレルギー検査などを導入しました。特に機器類は、一般診療でももちろんですが、大きな手術をした患者さんの術後フォローや、専門の医療機関に紹介したほうが良いような重症疾患の診断にも役立っています。私自身、総合病院での手術経験が豊富ですので、そのあたりの判断は自信を持っています。

クリニックの患者層を教えてください。

武内康治院長 高陽耳鼻咽喉科4

年齢層は幅広いのですが、小さなお子さんの診療も多いですね。小児で多い主訴は、鼻水、鼻詰まり、喉の痛み、中耳炎などの耳の痛みなどです。私は勤務医時代に小児疾患の症例もかなり診てきましたので、安心して任せていただければと思います。漫画などが置いてあるキッズスペースもありますし、先ほどお話ししたアレルギー検査機器も小児診療のために導入したと言っても過言ではありません。痛みがほとんどないため、小さなお子さんでも負担なく受けられますし、結果も30分ほどで出ますので、ご家族とすぐ情報を共有して、現在の状態や今後どうなる可能性があるのかを丁寧に説明し、治療選択肢、治療方針を提案しながら話を進めていきます。また、私は小さなお子さんでも必ず患者さん本人にわかりやすく説明するようにしています。患者さん目線の診療の大切さは大人でも子どもでも同じだと考えています。

実際の画像を見せながら、納得するまで丁寧に説明

成人の患者さん、高齢の患者さんの診療についてはいかがでしょうか?

武内康治院長 高陽耳鼻咽喉科5

ご高齢の方の主訴で最近増えてきているように感じるのは喉の違和感ですね。内視鏡でしっかり状態をチェックして、画像を患者さんにもちゃんと見ていただきながら詳しい説明を行います。ただ言葉で、「異常がないから大丈夫ですよ」と言うのと、実際の画像を見せながら「このように異常がないから大丈夫ですよ」と言うのでは説得力が違いますよね。喉は患者さん本人にはなかなか見えない部位なので、ご自身の臓器の状態を実際に目で見て理解していただくようにしています。いかにご本人に納得してもらえるかが重要ですね。また、高齢者や成人の患者さんの場合も、小児の場合と同じく、丁寧でわかりやすい説明を行っています。

患者さんとのコミュニケーションで心がけていることはありますか?

患者さんと気さくにコミュニケーションするのが得意です。よく「話しやすい先生」と言われるんですよ。気軽に話してもらえるような雰囲気をつくることで、最初はなかなか打ち解けなかった患者さんも雑談をぽつりぽつりと話し出し、やがて患者さんの生活スタイルや仕事、家族などの情報を得ることにつながります。患者さんの背景を知ることは治療方針の方向を考える大事な一歩です。どんな些細なことでも構いませんので、何か困ったことがありましたらご遠慮なく、まずはご相談いただければと思います。

今後の豊富を教えてください。

武内康治院長 高陽耳鼻咽喉科6

当院のモットー「できることを可能な限り」の「できること」を今後もたくさん増やしていきたいですね。まずは、自分が今子育て世代ということもあるので、引き続き小児診療に力を入れていきます。また、地域医療のために、地域の会議や医師の集まりに出席したり、訪問診療をする高齢者施設を増やしたりしたいです。将来的には、かつての手術実績を生かして、簡単な手術も行えるような体制を整えることも考えています。大きな病院で入院となると患者さんも大変なので、地元のクリニックで可能であれば、患者さんもうれしいのではないでしょうか。今後も患者さんのために、できることを可能な限り提供していけたらと思っています。

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