疾患や治療期間は?
理学療法士による運動器リハビリテーション
うつべ中野整形外科
(四日市市/内部駅)
最終更新日:2024/12/19
- 保険診療
社会の高齢化に伴い、患者数が増加傾向にある骨粗しょう症。骨の量が減ることで弱くなり、骨折しやすくなる病気だ。四日市市の「うつべ中野整形外科」は、幅広い病気に対応するクリニック。中でも骨粗しょう症の治療は特に注力している分野だという。院長を務める中野啓三先生は、骨粗しょう症に対する知見が豊富な日本整形外科学会整形外科専門医。また、同院では骨折などの外傷や変性疾患を抱えた患者に対するリハビリテーションについても尽力。痛みを和らげるよう図り、体の機能を回復するため、理学療法士によるリハビリを提供している。そこで今回は、骨粗しょう症ではどのような検査や治療を行っているのか、リハビリでは何を目標としているのか、中野院長に詳しく教えてもらった。
(取材日2024年11月13日)
目次
骨粗しょう症治療や理学療法士によるリハビリなど、整形外科で受けられる診療について
- Q骨粗しょう症の治療について教えてください。
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A
骨粗しょう症は骨の密度が低下することで弱くなり、骨折しやすくなる病気です。老化現象の一つですが、女性ホルモンが影響することから、閉経後の女性に多いのです。月経不順がある場合や、多産の方は閉経前でもなりやすい傾向があり、注意が必要。骨折しない限りほとんど自覚症状はないので、日頃から状態を診ていくことが大切です。エックス線や骨密度測定器を使った検査、血液検査の結果をもとに治療方針を判断します。生活習慣を整え、予防に努めることが重要で、カルシウムやタンパク質といった必要な栄養素をきちんと取ること、適度な運動を日常的に行うことなどを指導します。進行している場合には、投薬や注射による治療を行います。
- Q続いて、リハビリについて伺います。どんな疾患に有用ですか?
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A
外傷や変性疾患が原因で痛みを感じる疾患は、幅広くリハビリの対象です。当院で最も多いのは、骨折の治療後に関節の動きを元の状態に戻していくためにリハビリを行うケースです。他には五十肩(肩関節周囲炎)、椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、腰椎分離症、腰部脊柱管狭窄症、坐骨神経痛、変形性膝関節症、変形性股関節症などですね。整形外科のリハビリには機械を中心とした物理的手段を用いる「物理療法」と理学療法士が一人ひとりに適した治療プログラムを行う「運動療法」があります。当院の物理療法では、低周波、けん引、温熱治療を提供しています。運動療法ではストレッチや筋トレを行い、痛みの緩和や可動域の改善をめざしていきます。
- Qリハビリを行う上で理学療法士が気をつけている点はありますか?
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A
当院には2人の理学療法士が在籍していますが、人あたりがやわらかく患者さんへの接し方も穏やかで、安心してリハビリを任せることができています。ただし、2人とも男性ですので、特に女性患者さんに対して不信感を与えないことに気をつけてもらっています。また、リハビリを継続していく中で、診察の間隔が開いている方もいます。順調に治療が進んでいればそれで問題ないのですが、中には改善があまり見られない方も。その場合は、リハビリ後、カルテにその旨を記しておいてもらいます。その情報をもとに次回の診察では、薬の処方を変えたり量を調節したりしています。患者さんと多く接する理学療法士からのフィードバックは重要な情報源です。
- Q痛みがある、効果を感じられない場合もリハビリは続けるべき?
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A
診断が下りてからリハビリを続ける期間の目安を約5ヵ月間としています。その間に集中的にリハビリを行うことが有用とされているからです。痛みがある方に無理強いはしませんが、ある程度、耐えていただくことは、除痛をめざしていく上では必要なことかと思います。「頑張っていてるのに効果を感じられない」と思った経験はありませんか? しかし医療者が見ると、着実に改善へとつながっていると思えるケースもあるのです。ケガや骨折をする前とまったく同じ状態は難しくても、より良い状態をめざすリハビリのゴールを患者さんと共有することも、治療へのモチベーションを保つ上で重要です。納得してリハビリを卒業してもらいたいですね。
- Qクリニックではなく病院へ紹介されるケースはありますか?
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A
手術が必要な患者さんはもちろんのこと、MRIやCTを使用する詳細な検査が必要な方、より専門的な治療が必要な方には近隣の病院をご紹介しています。他にも、手術が必要かどうか判断しかねる症例も、紹介の対象です。当院が病診連携を行っている医療機関は、三重県立総合医療センター、市立四日市病院など。両院ともかつて私が勤務していたこともあり、スムーズな連携ができていると思います。手術を紹介先の病院で受けられてそのまま術後のフォローも病院でされる方もいる一方で、術後は当院に戻られて経過を診させていただくこともあります。さらに、軽度の外傷の場合では、病院から患者さんをご紹介いただくこともあります。