榊原 毅 院長の独自取材記事
医療法人社団 港央会 横浜港北インプラントセンター さかきばら歯科
(横浜市港北区/妙蓮寺駅)
最終更新日:2021/10/12

東急東横線・妙蓮寺駅そばにある「さかきばら歯科」は、ハイレベルで良質な総合的歯科治療で定評のある歯科医院。その確かな技術を頼って遠方から足を運ぶ患者も多いという。院長の榊原毅先生は、歯周病治療、審美治療を得意とし、また、国内外の大学のインプラント科や口腔外科で専門的にインプラント学を学び、10年以上の豊富な臨床経験を持つ、インプラント治療のエキスパートでもある。いつも笑顔を絶やさない温厚なお人柄も、患者の信頼を集める理由なのだろうとお見受けした。2012年6月6日に現在の場所に拡張移転。治療環境がより充実しただけでなく、スタッフたちの士気もより高まったと話す榊原先生に、新しいクリニックやインプラント治療のこと、将来展望などを伺った。
(取材日2012年7月17日)
患者の話をじっくり聞く空間としてカウンセリングルームを新設
今回の拡張移転に際して先生がこだわった点はありますか?

一つはカウンセリングルームを新設したことです。以前のようにユニットの上で患者さんとお話するのではなく、カウンセリングルームでモニターを見ながら患者さんと向き合ってお話ができるようになりました。初診の際のヒアリングにもこのカウンセリングルームを利用しており、患者さんのお話を従来にも増してじっくりお聞きできる体制が整いました。オペ室も移転に伴って広くしました。麻酔医が入っていろいろな器具を展開すると結構スペースを取ってしまうので、広くなってだいぶ楽になりました。オペ室に限らず、院内全体のスペースにゆとりを持たせたことは、スタッフの士気の向上にも大いに役立っているようです。夜、カウンセリングルームを使ってドクターたちが勉強や次の日の準備をしていたり、歯科衛生士たちが診療室に残って練習に励んでいたりと、スタッフたちの間にも活気が出てきたのを実感しています。
こちらのクリニックの診療方針を教えていただけますか。

私達がもっとも大切と考えているのは、お口の中を総合的に診査して、お口の中全体の状況をしっかりと把握することです。そしてその上で、その患者さんにとって最適な治療法をご提案することです。また、患者さんのお口の中の健康を長期にわたって維持するためには、総合的な視点での取り組みが不可欠ですから、当院では、インプラントのほか、歯周病、矯正歯科、審美歯科、ホワイトニング、予防歯科、小児歯科それぞれの領域について、確実で丁寧な先進治療を提供できる環境をご用意しています。矯正歯科については専門の先生にお越しいただいていますが、私はそもそも矯正を独立した診療領域としてではなく、歯の全体治療のひとつとして捉えています。つまり、一般歯科医と矯正歯科医が同じクリニック内で蜜な連携を図っているからこそ、お子さまの成長のステージに合わせた矯正治療、インプラントや審美治療と絡めた矯正治療をよりスムーズに行うことができるというのが、私の考えです。歯周病治療では基本的な治療から歯周再生外科にいたるまでの治療を行っていますので、歯周病学的に見ても、理想的な治療プランのご提供が可能だと自負しています。もちろん治療計画を立てる際には、患者さんにご納得いただけるまで、カウンセリングを重ねていきます。
残った歯を守れることもインプラント治療の大きなメリット
インプラント治療の普及に伴い、患者さんの意識も高まっているのではないですか?

おっしゃる通り、今やインプラントは歯を失った方の治療の第一選肢として定着したと思います。インプラントに対して誤解を持つ方も随分と減りましたが、それでも費用がネックになって治療に踏み切れない患者さんは依然としていらっしゃいます。治療の選択肢としてブリッジや入れ歯も考えられますが、ブリッジは健康な歯を削ることになりますし、入れ歯は歯肉の上にのっているだけのものなので、歯を咬み合わせた時に沈んでしまって力が逃げ、残っている歯に大きな負担がかかってしまいます。もちろん見た目の問題や発音などへの影響もあります。その点、インプラントは骨でしっかり力を受け止めるので、残っている歯を守ることができます。もちろん治療法の決定権は患者さんにありますが、私たちとしては、できるだけご自身の歯が長持ちする治療をさせていただきたいと思っています。
先生が歯科医師を目指したきっかけは?
医師だった祖母の影響が大きいですね。祖母が活躍したのは女性医師がまだ珍しかった時代ですから、そんな女医の先駆けのような祖母を「格好いいな。素敵だな」と思っていました。同じ医療に携わる仕事でも、医師ではなく歯科医師の道を選んだのは、子どもの頃、歯があまり強くなく、歯科に通院することが多かったためだと思います。こんなお話をすると、さぞや勉強ばかりしていたのだろうと思われるかもしれませんが、とても活発な子どもだったんですよ。鎌倉で育ち、学校の帰りは山や広場などへ寄り道ばかり(笑)。毎日、暗くなるまで元気に走り回っていました。水泳や陸上で市から表彰されたりもしました。高校卒業後は東京医科歯科大学の歯学部に進学し、その後は同大学の口腔外科、そしてインプラント科などで臨床経験を積みました。
海外の大学でも学ばれた経験があるそうですね。

ニューヨーク大学や、ハーバード大学のインプラントコースに参加しました。短期間でしたが授業を受け、症例の発表も経験し、多くのことを学びましたが、私にとって一番大きかったのは海外のインプラント治療を自分の目で見られたことです。とくに審美の面でアメリカは日本以上に進んでおり、それを臨床にも積極的に取り入れています。その点は大いに刺激になりました。
地域や社会に対する責任が果たせる歯科医院を目指したい
お忙しい先生ですが、休日は何をして過ごされていますか?

たまの休日も講演会などに出かけなければならず、仕事から完全に離れられることは少ないですね。ですから一日ゆっくりできる時があれば、子どもたちと過ごすようにしています。子どもと遊んであげているというよりは、私が子どもの時にしていた遊びをもう一度やっている感覚ですね。サッカーをしたり、川や山に行って遊んだり、公園に虫を採りにいったり、子どもと一緒に自分も楽しんでいます。また、私が家にいる時は、私が子どもの歯の仕上げみがきを担当しています。小さいお子さんをお持ちの方は、お子さんに歯みがき習慣を身につけされるために悪戦苦闘されているのではないかと思いますが、甘やかしは禁物です。子どもは歯ブラシを嫌がるものですが、そこで許してしまうと、結局は大きな虫歯を作ってしまい、押さえつけるような形で治療を受けさせることになりかねません。うちの子どもたちも嫌がってよく泣きますが、歯みがきで泣くほうが、虫歯の痛みや治療で泣くより、まだましかなというくらいの気持ちでやっています。でも、歯ブラシの後はちゃんと握手してほめてあげていますよ。ただ、ほとんどの日は私が帰宅すると子どもたちはすでに寝息を立てていますけれど(笑)。
今後の展望を教えていただけますか?
開業から5年の節目を迎え、社会的責任についてより深く考えるようになりました。やはりこの地域で診療しているからには、地域に対しての責任を感じます。地域に根づいた歯科医院として、地域の皆さんのお口の健康を総合的にサポートして行く使命が当院にはあるのではないかと感じています。そのため、予防歯科から、今はやっていませんが将来的には訪問歯科診療にまで、きちんと対応できる歯科医院を目指していきたいと考えています。とくに高齢化は日本社会が直面する最大の課題ですし、当院の患者さんのなかにも近い将来、通院が難しくなる方が出てくるでしょうから、訪問歯科診療のニーズは間違いなく高まってくると思います。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

定期検診を習慣づけていただきたいですね。昔に比べれば定期検診はだいぶ定着してきていると思いますし、当院の新患の方でも、検診目的で受診される方が増えていますが、まだまだ十分とは言い難いのが現状です。やはり長期的な視点でお口の健康を考えると、定期検診や総合的な診断ということが必須になってきます。先ほどの社会的責任の話にもつながりますが、そうしたことの重要性を私たち歯科医師がもっと皆さんにお伝えしていかなければいけないなと思います。