西橋 光栄 院長の独自取材記事
こうえい歯科クリニック
(横浜市港北区/高田駅)
最終更新日:2023/09/12

今年で開院14年を迎える「こうえい歯科クリニック」。西橋光栄院長先生は、「ここに来て良かった」「ここ来るのが楽しい」そんな患者たちの声を励みに、土曜・日曜も真摯に診療に取り組む。多様な機器を完備し、緻密で適切な診断や安全に配慮した治療を行っている。歯を抜かないことを最優先に、複数の治療方法を伝え、選んでもらった治療と真剣に向き合っている。歯科医師になり27年間の確かな経験から、小さな子どもから高齢者まで、幅広い患者が受診する歯科医院を取材した。
(取材日2010年9月29日/情報更新日2023年2月8日)
開院14周年。信頼関係を大切にした歯科医院
10月で開院して14年目に。すっかり町になじんだ印象ですね。

2009年の10月に開院し、あっという間に年月がたちました。僕は1995年から歯科医師の仕事を始め、気がつくと27年間のキャリア積み重ねています。開院までは銀座にある歯科医院と、こことよく似た静かな住宅街での歯科医院それぞれに長く勤務してきました。華やかな都心も落ち着きのある住宅街も、いずれの歯科医院も経験したことで、僕には静かな住宅街の歯科医院のほうが向いているとわかったんです。僕自身、生まれは九州。福岡などの都会と違って、かなり辺境の町で育ちました。もちろん若い頃は、都心の駅前での開院を想像したこともありましたが、やはり信頼関係を築きやすいのは住宅街の歯科医院だと感じました。
患者さんがとてもいい表情をされてますね。
「ここに来て良かった」「ここに来るのが楽しい」。そんな言葉をかけてくれる患者さんもいます。密な人間関係も築きやすく、やはり静かな住宅街を選んで良かったと実感しています。ここには小さな子どもやお年寄りの患者さんが多く来られます。歩いて通える歯医者さんを探していたという患者さんもおられます。当院は土曜も日曜も診療しています。今までは気軽に歯科医院に通えなかった患者さんも、当院が開院したことで、積極的にメインテナンスに来られています。意外な反応としては「今まで、ここまでわかりやすく説明してくれる歯医者さんに出会えなかった」と話す患者さんがいらっしゃることです。患者さんがどう治療していきたいのかを知る上でも、コミュニケーションは必要だと考えています。また、治療を行う前に患者さんに不安に寄り添いながら、わかりやすい説明をすることを心がけています。
先生は子どもの頃から歯医者さんをめざしていたのですか?

はい。ちょっと変なことを言ってしまいますが、歯医者さんの機械の「キーン」という音が、子どもの頃から好きだったんです。僕の両親はともに教員で、僕は祖母に甘やかされて育ちました。もちろん甘いおやつも食べ放題(笑)。当然、歯医者さんにはしょっちゅうお世話になってました。でも怖いと思ったことは一度もありませんでした。たまたま手先の器用さにも恵まれて、子どもの頃から大人が作るようなプラモデルやラジコンも得意でした。歯学部に入学してからも、教科書を使った講義よりも実習で手を動かすほうが好きでしたね。勤務医の頃も、先輩から「お前、本当に手先が器用だな」と褒めてもらい、とてもうれしく思いました。
3DデンタルCTで、骨の厚みも一目瞭然
先生はどのような診療に力を入れていますか?

当院は一般歯科はもちろん、小児歯科、予防歯科、ホワイトニング、義歯、など幅広く対応しています。中でも、歯周病治療を含めた予防歯科の重要性は、今後もしっかり発信していきたいです。先ほどもお話ししたように、当院には小さなお子さんもたくさん通ってこられます。子どもの虫歯は、保護者の方が予防方法をよく理解することで、ある程度は防げるようになりました。当院のモニターではアニメなども観れるようになっています。なのでお子さんもリラックスしながら治療を受けられるのではないでしょうか。大人の場合、メインテナンスの重要性をお伝えしても、やはり時間がないなどの理由で通えなくなる方がいらっしゃいます。でも、できるだけ長く自分の歯を保ちたい気持ちは皆さん同じでしょう。そこで、まずはご自身の状況をしっかりと認識していただくことからスタートしています。
患者さんにご自身の状況を正しく認識してもらうためにどのようなことを行っているのでしょうか?
3DデンタルCTを活用し、患者さんにご自身の歯の状態を視覚的に共有しています。3DデンタルCTでは、歯の細かい部分まで確認できます。骨の厚みや幅も確認でき、重要な役割を果たします。例えば、歯根が鼻の穴のほうに飛び出している患者さんがいたとしても、3DデンタルCTを活用することで発見できれば、対応することができます。CTを利用すると、画像を細かくスライスして診断できるので、根管の形状・根尖・破折などの確認はもちろん、中に隠れてしまっている埋伏歯なども確認できます。このように視覚的にご自身の歯を確認していただくことで、治療にモチベーションをもって通ってくださればうれしいと思っています。
CTを通した判断や治療は患者さんにとって心強いですね。

例えば本当は抜かなくても治療可能な親知らずを、すでに抜かれてしまっている人がいます。親知らずは歯牙移植できます。自分の歯のため定着率はとても高いことが期待できるんです。丁寧な診断が行われていれば、抜かなくても済んだ歯をお持ちの方はとても多いんですね。他の治療にしても、すぐに削られると思っている患者さんも多いです。しかし、ここでは、できるだけ自分の歯を長く保てるような治療をめざしています。そのために、患者さんの歯を削るのではなく、患者さんの口の中の環境を良くすることを考え診療を行っています。また、安全に配慮した器具を使い、患者さんに負担の少ない治療を心がけています。
もっと深めていきたい地域との絆
記憶に残るエピソードはありますか?

このような質問は良いエピソードを話す人がほとんどですが、僕は、その逆の話をしようと思います。以前、非常勤の勤務をしていた頃に、ある患者さんの歯茎の手術をしましたが、いろいろな事情があり、その患者さんのその後の治療を別の病院に任せたことがあります。僕は当時、自分の技術に慢心している部分がありました。技術を高く評価され、実際に難しい症例も多くこなしていたことで、いつの間にか自信を持ちすぎていてしまったんです。そんなときに、このようなことがあり、僕は初めて恐怖心を持ちました。しかしこのことが僕に多くのことを教えてくれました。恐怖心を持っていなければ、患者さんの口を触ってはいけないと思ったんです。現在は責任の重みと恐怖心を知っているからこそできる丁寧な診療を心がけています。
丁寧な治療を続けていく中で、もちろんストレスもたまりますよね。
仲間から「開業するとストレスで痩せるぞ」と脅されてたのですが、僕の場合は太ってしまいました(笑)。学生時代は日本拳法やバレーなど、体育会系のクラブ活動に明け暮れていました。ここでもいい経験ができましたね。歯学部の学生による日本拳法の大会があったのですが、「ええ、こんな人が歯医者さんになるの?」と思うようないかつい人がたくさんいました。最終的に腰を痛めてやめざるを得ないほど、練習は厳しかったですが、根性だけはしっかりついたと思っています。
今後の展望を聞かせてください。

僕の夢は、患者さんが幸せになってくれる歯科医院でありつづけることです。歯の治療を終えると、どの患者さんもすばらしい笑顔になるんですよ。お口の中を良い状態に導くことで、自信をつけられるんですね。そんな患者さんの喜びが、僕の喜びにもなっています。3人の娘たちには、ときどき僕の仕事を見せるときがあります。娘たちに「お父さん、すごい仕事をしてるんだな」と思ってもらえると、とてもうれしいですね。そして何よりも大事なのは、患者さんに喜んでもらうこと。これからは地域のお祭りなどにも積極的に参加していきたいです。地域の皆さんとこの歯科医院との絆をいかにつくっていくかも、今後の僕のやりがいになっていくんでしょうね。
自由診療費用の目安
自由診療とはホワイトニング/4万5000円~