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山崎 俊輔 院長の独自取材記事

たんぽぽ小児科

(宮崎市/清武駅)

最終更新日:2021/12/03

山崎俊輔院長 たんぽぽ小児科 main

清武支所や文化会館、市立体育館など、公共施設が立ち並ぶ清武町の中心地に、2006年に開院した「たんぽぽ小児科」。山崎俊輔院長は、宮崎医科大学(現・宮崎大学医学部)附属病院や県立宮崎病院、済生会日向病院などで経験を積んだ、小児科ひと筋36年のベテランだ。日々の診療に加え、近隣の小学校4校の健診も担当するなど、地域の子どもたちの健康を支える山崎院長。モチベーションの源は、子どもたちから元気をもらうことだと、顔をほころばせた。診療では正直に話すという、終始笑顔でやわらかい話しぶりの山崎院長。小児科の医師を志した若かりし頃の話から、苦労話、小児科医療への熱い思いまで、率直に語ってもらった。

(取材日2021年10月20日)

導かれるように小児科の医師の道へ

小児科の医師をめざしたきっかけを教えてください。

山崎俊輔院長 たんぽぽ小児科1

大学5年生のときに病棟実習が始まり、最初に担当したのが、偶然、小児科でした。そこで、いろんな患者さんを受け持って、臨床経験を通じて勉強するわけなんですが、中でも、特に印象に残っている担当患者さんがいました。6歳ぐらいの女の子が、アレルギー性紫斑病、現在はIgA血管炎という疾患で入院していたんです。生命に関わる病気ではなかったんですけど、皮膚の出血斑や腹痛、関節の腫れなどの症状があって、安静が必要です。その患者さんが、とにかくかわいらしい子で、その子と関わる中で、自分が子ども好きなのだと気づいてきました。それで、子どもの治療をして、子どもを笑顔にすることを仕事にしたいと思うようになりました。その患者さんとの出会いが、小児科の医師への第一歩だったんですね。

その後の歩みをお聞かせください。

大学を卒業後は、母校の附属病院の小児科に入局しました。学生時代に循環器に興味があったので、循環器グループに所属して小児循環器を専門にしました。先天性心臓病などの管理や治療を行いましたが、深く研究したというわけではなく、関連病院での勤務などを通じて、小児科の医師として臨床現場で研鑽を積むことが中心でした。最近でこそ、小児科の医師も増えつつありますが、当時は本当に医師不足で、赴任先の病院で小児科の医師が自分だけという状況も当たり前。子どもは夜中に急な病気になることも多いですから、24時間、365日対応というハードな生活でした。若いからできたんですね。

開院のいきさつやエピソードがあるようですね

山崎俊輔院長 たんぽぽ小児科2

誰かが言っていたんですが、「人は仕事に呼ばれる」というのは本当にそのとおりだと思います。たまたま最初の実習先が小児科だったことから小児科の医師になりましたが、開院したのも、偶然、声をかけられたのがきっかけです。当院の母体である医療法人の理事長先生が、この場所に小児科のクリニックを開院するために小児科の医師を探していると、大学の同級生を通じて聞いたのが、単身赴任していて清武の自宅に帰りたいと思っていたタイミング。まさに呼ばれた感じでした。ちなみに、クリニックのネーミングは、長男の一言で決まりました。理事長先生は「山崎小児科がいいんじゃない?」と言ってたんですけど、長男が「たんぽぽがいい」って言ったんです。それを理事長先生に伝えたら、「たんぽぽか、それでいいよ」と。子どもの立場に立って考えてくれたんだと思います。理事長先生は、神様みたいな人格者で、尊敬しています。

子どもの身近にいる家族の声に耳を傾けることが大切

クリニックの特徴は、どのようなものですか。

山崎俊輔院長 たんぽぽ小児科3

当院は特定の診療科目には特化していない小児科のクリニックなので、主に、感染症の患者さんと健診、予防接種で来院する方が多いです。子どもの体は、単に大人の体を小さくしたものではありません。体の構造も違うし、子ども特有の疾患も多く、逆に大人に多い疾患でも子どもにはほとんどみられないものもあります。それから、小児科を専門に選んだときに、母から「小児科は子どもだけじゃなく、親との関わりもあるよ」と言われたんですが、子どもは自分の症状を自分で説明できないことが多いし、処方した薬を飲ませたり、ご自宅でケアしたりするのも、おうちの方なんですよね。ですから、付き添いのご家族とのコミュニケーションが何より大切と考えていて、育児相談を受けることもあります。

診療で気をつけていることを教えてください。

常に自分は絶対ではないと思うことです。医師は万能ではありません。もちろん、診察や検査をもとに診断を下すわけですが、患者さんは自分でうまく症状を訴えられない子どもですし、お母さんなど、一番身近に接している方が、その変化を敏感かつ適切に察することができるので、その声にしっかりと耳を傾けることが大切なんです。実際、若い頃は、お母さんの言っていたことが正しかったと、はっとさせられる経験を何度もしました。それから、子ども相手ですから、笑顔で接することです。病院が嫌で駐車場に着いた途端に泣きだす子もいます。そんなときには笑顔で「元気だね。お母さん、こんなに元気なら大丈夫よ」と声かけしたり、子どもに対しては「偉かったね」となでてあげたり、気持ちを和らげることも大切なんです。

他の医療機関と連携されているそうですね。

山崎俊輔院長 たんぽぽ小児科4

当院で対応が難しい患者さんは、県立宮崎病院、宮崎大学医学部附属病院、宮崎東病院といった連携する医療機関に紹介します。普段から診療の際は、患者さんやご家族には正直にお話しすることを心がけているので、無理なことは無理とお伝えし、早めに他の医療機関につなげるようにしているんです。

未来ある子どもの健康を支え、元気をもらうのが醍醐味

おしゃれな建物で、駐車場の壁にはかわいいイラストも描かれていて、クリニックらしくない雰囲気ですよね。

山崎俊輔院長 たんぽぽ小児科5

理事長先生が建てたので、建物のデザインは私のセンスではないんですが、クリニックのロゴと駐車場のイラストは理事長先生のアイディアにより当時小学2年生の長女が手がけました。建物内部も、吹き抜けで開放的な雰囲気は、クリニックっぽくないかもしれませんね。待合室にはキッズスペースも用意していて、受付からもよく見える位置なので、ご家族も安心して、子どもたちとくつろいでもらえると思います。

趣味など、ストレス解消や健康のためにしていることはありますか。

スポーツは苦手で、体を動かすのは犬の散歩ぐらいです。体の大きいラブラドールレトリバーなので、本当は30分くらい散歩したいところが、15分で切り上げてしまったりします。趣味で続けているのは、合唱です。子どもが通っていた幼稚園のPTAで10年くらい前に結成した混声合唱団でバスを担当していて、月2回、練習に参加しています。子どもの頃、ピアニストにしたいという親の希望でピアノを習っていて、かつては絶対音感もあったんですが、歌は駄目で。でも、声を出して響くのが気持ち良くて楽しくなりました。腹筋も使うし、立って歌っていると足にくるから、全身運動になっているんじゃないかな。発表の場もあるんですけど、こう見えて緊張しやすいので、ステージに立つと足がガクガク震えちゃうんですよ。

最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

山崎俊輔院長 たんぽぽ小児科6

小児科の医師になって30年以上になりますが、小児科を選んで良かったと心の底から思っていて、後悔したことは一度もありません。この道を選んだ若かりし自分を褒めてあげたいと、今でも思います。未来ある子どもの健康を守る仕事であること、何より、子どもたちから元気をもらうこと、これが小児科の医師の醍醐味です。正直、若い頃は、患者さんが亡くなって泣いてしまったこともあるし、小さな体で重篤な疾患に耐える姿を見てつらくなることもありました。でも、元気になってもらって笑顔にしてあげたいご家族にも安心していただきたいという強い思いがあるから、ここまでやって来られたのだと思います。これからも、より良い医療を提供できるよう、精進していきたいと考えています。

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